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本日より侮辱罪の罰則強化。ネットの誹謗中傷抑止

法定刑の引き上げについて

 法務省は、侮辱罪の法定刑の引き上げを行ない、7月7日より施行した。今回の改正により、侮辱罪の法定刑が「拘留または科料」から、「1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」となった。

 侮辱罪は、事実を摘示せずに、不特定または多数の人が認識できる状態で、他人に対する軽蔑の表示を行なうことが要件。今回の引き上げは、近年インターネット上で人の名誉を傷つける行為が特に社会問題化していることをきっかけに非難が高まり、法律で抑止すべきとの国民の意識が高まっていることが背景となっている。

 名誉毀損罪と似ているが、名誉毀損は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」ことが要件となっているのに対し、侮辱罪は事実の摘示をしないこととなっている。

 これまで名誉毀損罪の方は「3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金」とされていたのに対し、侮辱罪の法定刑は拘留または科料のみだった。しかし近年の侮辱罪の実情を鑑みると、事実の摘示を伴うか否かでこれほど大きな法定刑の差を設けるのは相当ではないことから、罰則が強化された。