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OS込みで4万円台!鬼安なのに戦えるゲーミングPCが手に入る! 中古PC+最新ビデオカードのコスパに注目

 とにかく低価格でゲーミングPCを手に入れたいなら中古のデスクトップPCに現行のビデオカードを追加するのが一番。うまく製品選びをすれば4万円台の予算で、フォートナイトを144fpsでプレイすることも十分可能だ。ここでは、中古PCの選び方に加え、ビデオカードの搭載によって得られる性能をテストする。(TEXT : TEXT:芹澤正芳)

中古活用の心得

 まず、中古デスクトップPC選びだが、大手のパーツショップや中古専門店などが取り扱っている。複数のショップ間で商品を比較しやすいWebサイトから注文するのがよいだろう。価格だけではなく、スペックや動作状況、保証、納期などを合わせて確認することが重要だ。

心得(1)格安デスクトップはほぼスリム型
パーツ系、中古系どちらのショップにしても現在流通している安価な中古デスクトップPCはほとんどがビジネス向けのスリム型。オフィスで使われていたものが買い換えなどによって中古市場に流れてくるケースが多いためだ
心得(2)買うときはココを見るべし
中古PCを買う場合は「動作チェック済み」であること、「保証期間」を確認しておきたい。安くてもジャンク扱いで動作保証がないものがあるためだ。フリマアプリは格安と出会える可能性はあるが、動作保証を考えると避けるほうがベター
心得(3)テレビに接続してディスプレイ代をカット
デスクトップPCの場合、ディスプレイも別途必要だが、HDMI入力付きのテレビで代用できる。ただし、テレビはリフレッシュレート60Hzが主流。高フレームレート描画はできない

スペックはここをチェック

 中古のデスクトップPCは、その多くがビジネス向けのスリム型だ。その中からゲーミングPCとして使えるものを見きわめる必要がある。必ず押さえておきたいスペックは「CPU」、「PCI Express x16スロット」、「メモリ」、「OS」の4点。CPUは第4世代以降のCoreシリーズがオススメだ。

 この世代以降を搭載したPCならばほぼ間違いなくファームウェアレベルで現行ビデオカードをサポートしているためだ。

 「PCI Express x16スロット」はビデオカードを取り付けるためのスロットだが、スリム型のデスクトップPCは基本的にLow Profileと呼ばれる小型のカードしか増設できないこと、またPCによっては2スロット分の厚みを持ったカードには非対応であることは覚えておきたい。最近はLow Profileのビデオカードでも2スロット分の厚みがある製品がほとんどなので、この部分はPCの型番からメーカーサイトで調べるなど、確実にチェックしておきたい部分だ。

 「メモリ」はDDR4/DDR3問わず、8GB以上搭載できること、「OS」はWindows 10がインストールされていることを確かめよう。

CPUは第4世代以降を選ぶ
ゲーミングPCとして使うなら、CPUは現行のビデオカードが確実に動作する第4世代以降のCoreシリーズを搭載したものを選びたい。できれば、4コアのCore i7/i5シリーズを。性能不足になりにくくオススメだ
PCI Express x16スロットを搭載
ビデオカードはPCI Express x16スロットに取り付けて利用する。最近のビデオカードはほとんどが2スロット分以上の厚みがあるので、空きx16スロットの隣にも空きスロットがあることも確認したい。また、ほとんどのスリム型PCはLow Profileサイズのみの対応だ
メモリは8GB以上搭載できるか
最近のゲームは8GB以上のメモリを求めることがある。中古のデスクトップPCは4GBしか搭載していないことも多く、8GB以上に増設できるか確認しておきたい。また、メモリを増設する場合は、対応するメモリがDDR3なのかDDR4なのかの確認を忘れずに
OSはWindows 10 64bit版
格安の中古デスクトップPCはすでにサポートが終了したWindows 7を搭載していることが多い。購入するときは64bit版のWindows 10を搭載しているか確認しておこう。32bit版では動作しないゲームもあるためだ

中古PC+GTX 1650でフォートナイト144fpsを達成

 ここからは実践編だ。ベースとなる中古デスクトップPCは、LenovoのThink Centre 10AH-S06108。第4世代のCore i5-4570を搭載しながら税込みでも2万円を切る価格とお買い得だった。スリム型なので拡張カードはLow Profileサイズに限定されるが、2スロット厚のビデオカードを搭載可能とゲーミングPCとして強化するのにピッタリだ。ただしメモリは4GBしかなかったため、ここではビデオカードと合わせてメモリを増設し、人気のゲームタイトルでどの画質設定なら高いフレームレートが出せるのか探っていきたい。

 キモになるのは、当然ながらビデオカードだ。Low Profileサイズ限定となると、現在最速なのはGPUにGeForce GTX 1650を搭載した製品。ASUSTeKやGIGA-BYTE、MSI、ZOTACなどから発売されている。補助電源も不要なので、今回のようなスリム型のデスクトップに最適だ。なお、どのメーカーを選択しても2スロット分の厚みが必要になる。また、Think Centre 10AH-S06108に搭載可能なメモリはDDR3と旧世代だが、まだまだ新品も流通している。入手に困ることはないだろう。今回は4GBを1枚追加して、合計8GBにアップさせた。

買うのはこれだけ!
型番今回購入した価格
PC本体Lenovo Think Centre 10AH-S0610819,500円
メモリCFD販売 CFD Panram D3U1600PS-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB)2,130円
ビデオカードMSI GeForce GTX 1650 4GT LP(NVIDIA GeForce GTX 1650)20,130円
合計41,760円
ベースとなる中古デスクトップPCとしてThink Centre 10AH-S06108を用意。Core i5-4570、4GBのDDR3メモリ、1TBのHDD、DVDスーパーマルチドライブを搭載。OSはWindows 10 Home 64bit版だ
ベースのPCはメモリが4GBだったので、PC3-12800(DDR3-1600)の4GBを1枚追加して合計8GBにする。今回はCFD Panram D3U1600PS-4Gを用意した
主役と言える新品ビデオカードはGeForce GTX 1650を搭載するMSIのLow Profile対応「GeForce GTX 1650 4GT LP」をチョイス。ディスプレイ出力としてHDMIとDVIの2系統を備える

フォートナイトで144fpsを出すには

 ここからは実際に「フォートナイト」での性能をチェックする。設定の「画面」に画質に関する設定は用意されている。ポイントは「最大フレームレート」だ。標準は「60fps」なので、リフレッシュレートが144Hzの液晶ディスプレイと組み合わる場合は144fps以上を指定しよう。

 描画関連の設定は多数あるが「クオリティプリセット」で、まとめて調整できる。プリセットは最高、高、中、低の4種類。今回は、3種類のプリセットでテストした。最高設定では、レンダリング品質を示す3Dの解像度が高く、影の描写も細かい。設定を下げるほど3D表示が粗くなり、影は省略される。最高画質でも平均63.1fpsと、一般的な60Hzディスプレイならカクつきは起こりにくい。144Hz以上のディスプレイを使うときのみ画質を下げるのがよいだろう。

プリセットを変更する「クオリティプリセット」では4段階の画質を用意している。今回のマシンならば最高画質でも平均60fpsを超える

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