PC短評

約935gでMIL規格準拠の堅牢筐体を採用した14型モバイル「LAVIE NEXTREME Carbon」

LAVIE NEXTREME Carbon XC950/FAG

 NECパーソナルコンピュータ株式会社(NEC PC)が、2023年春モデルとして1月に発表した超軽量14型モバイルノートPC「LAVIE NEXTREME Carbon」シリーズ。その中で第12世代Core i7-1255Uを搭載する最上位モデルが、ペールゴールドカラーの「XC950/FAG」だ。実売価格は22万円台半ばから28万5,000円前後。

 筐体は米国MIL規格(MIL-STD-810H)に準拠したカーボン素材を採用。堅牢でありながら軽量を実現し、14型で本体重量は約935gと極めて軽量。液晶はWUXGA(1,920×1,200ドット)解像度で広視野角なIPSパネルを採用している。

 CPUにはCore i7-1255U、GPUはIris Xe Graphics、システムメモリはLPDDR5 16GB、ストレージはPCIe Gen 4接続の512GB、OSはWindows 11 Homeを搭載。さらに永続版のOffice Home & Business 2021が付属する。

 インターフェイスは、右側面にフルサイズのHDMI出力、USB 3.1、ヘッドフォンマイクジャック、左側面にThunderbolt 4×2、microSDスロットを備える。

 そのほか画面上部には有効画素数200万画素のプライバシーシャッター付きWebカメラ、ヤマハ製のAudioEngineでミーティング機能を強化、指向性の高い集音「ビームフォーミング」や、周囲の雑音を抑制する「ノイズサプレッサー」を搭載。無線はWi-Fi 6EとBluetooth 5.1、さらにLTE/3G回線を利用可能なSIMスロット(nano SIM)とeSIMに対応する。

 なお公式サイトからはカスタマイズも可能で、システムメモリやストレージの追加をすることができる。

フルサイズのHDMI出力、USB 3.2 Gen 2(Type-A)、3.5mmのヘッドフォンマイクジャック
給電とデータ転送に対応するThunderbolt 4(USB4 Gen 3×2)×2、microSD(microSDHC/microSDXC)スロット
カードサイズはnano SIMで、もちろんSIMフリーが使える
スイッチをスライドさせれば物理的にカメラを塞ぐことができる
電源アダプタは65WのUSB Type-Cで、メガネケーブルが必要なタイプ

 テストしたサンプルの重量は実測値で約940g。1kgを切るノートPCは、個人的にほぼ“空気”。カバンに入れたかどうかさえ分からなくなる。

 とはいえ、キーボード部分の強度は確保されており、軽快なタイピングでもたわむことはない。強いて言うなら、液晶部分を開こうとすると本体が軽すぎて持ち上がってしまうのが難点だろうか。

本体重量の実測値は約940gでほぼ空気
ヒンジ側の厚さは実測値で17.8mmと薄い

 液晶はアスペクト比16:10となるWUXGA(1,920×1,200ドット)解像度、高輝度なIPSパネルの採用により視野角も確保されている。角度をつけると輝度やコントラストの低下はあるが視認性はかなり高い。出先での使用は人目が気になるが、第三者の覗き見を検知するプライバシーアラート機能も搭載しているため安心だ。フレームは4辺狭額縁仕様でスッキリしており、サイズ感以上に画面を大きく感じる。

最大輝度
最低輝度
角度をつけた状態でも高い視認性がある

 85キーの日本語配列キーボードは、キーピッチが19mm、「Enter」キーも大きく文字入力が捗る。また電源ボタンが離れた位置にあるため誤ってスタンバイにしてしまうこともないだろう。タッチパッドは100mm×60mmでマルチタッチおよびジェスチャーに対応、中心にあるため利き手を選ばない。パームレスト部分は距離が短いため手が大きなユーザーは手首が乗らないかもしれない。

日本語配列の85キー、左下「Ctrl」と「Fn」キーの位置は気を付けたい
キーピッチは19mm
タッチパッド横方向は100mm
タッチパッド縦方向は60mm
明るいキーボードバックライト

CPUには、「Alder Lake」のモバイル向けで2つのPコア、8つのEコアを備えた第12世代のCore i7-1255Uを搭載、グラフィックスはCPUに統合されたIris Xe Graphicsを内蔵する。CPUのレンダリングでパフォーマンスを測定するCinebench R23では、マルチコアは6363、シングルコアは1620、総合的なパフォーマンスを計測するPCMark 10ではスコア5146となった。最新世代のCPUではないが、Webサイトの閲覧やドキュメントの作成といった一般的なオフィスアプリケーションで必要十分な性能を発揮する。

Cinebench R23のマルチコアは6363、シングルコアは1620
PCMark 10のスコアは5146、一般的なオフィス用途なら必要十分な性能を発揮

 GPUのパフォーマンスを測定する3DMark Night Raidは14603、Time Spyは1653となった。「仕事や勉強で柔軟なモバイルワークを加速させる」というのは建前で、本音はゲームがしたいという場合、ブラウザゲームなら余裕、カジュアルなゲームであればタイトルに合わせてグラフィックス設定を調整して遊ぶことができるだろう。

蔵グラフィックスを搭載するPC向けのベンチマーク、3Mark Night Raidのスコアは14603
デスクトップPC向けのベンチマーク、3DMark Time Spyのスコアは1653