|Pentium 4|パフォーマンス分析|
 

■特劇企画・目次

■Pentium 4を一気に普及させる
  Intelのアグレッシブな戦略

□Pentium 4 パフォーマンス分析

■Pentium 4搭載
  オリジナルブランドPCカタログ

 新しいアーキテクチャを採用した、Intelの最新CPU「Pentium 4」。この最新CPUのパフォーマンスを分析するために、いくつかのベンチマークテストを実施した。なお、比較対象として、Pentium III 1.0BGHz、AMDのAthlon 1.2GHz (FSB 266MHz)、Athlon 1.2GHz(FSB 200MHz)を選んでいる。
 さて、気になるPentium 4の結果だが、まず、Sandra 2000 Standardを見てみると、Pentium III 1.0BGHzよりはよい数値を示しているものの、Athlon 1.2GHzにはおよばない。もっとも、Sandra 2000は、もともとAthlon寄りの数値が出る傾向にあり、これだけを見てPentium 4のパフォーマンスが悪いと判断するのは早計だろう。数値を細かく見てみると、とくに差が大きいのはInterger MMXとFloating-Point 3DNow! Enhである。この二つは、いずれもマルチメディア命令の性能を測るものであり、この命令群に対するチューニングのポリシーは、Pentium 4/ IIIとAthlonで異なるからだ。
 一般的なアプリケーションを動かした場合の目安となるSYSmark 2000では、Pentium III 1.0BGHzとほぼ同等という結果になった。ここで興味深いのは、Pentium 4ではWindows Media Encoder 4.0でよい結果が出ていることだ。これは、Windows Media Encoderが、Pentium 4のSSE2に対応しているためと思われる。すでにWor dやExcelといったアプリケーションでは、CPUの駆動クロックが800MHzと1GHz程度の違いだと、体感的に差がほとんど分からない。どちらでも十分に高速だからだ。ところが、音楽データをMP3に変換したり、動画を編集したりといった処理では、まだまだ時間がかかる。こういった処理を行なうアプリケーションが、SSE2に対応すれば、Pentium 4ではかなりの高速化を見込むことができると言える。
 グラフ右側の3DMark2000とQuake III Arenaの結果も興味深い。いくつかの解像度で同様のベンチマークを測定するものだが、低解像度のときにはPentium 4がもっとも高速で、高解像度のときにはあまりよくない結果となっている。一般的に、こういったベンチマークでは、低解像度で測定したときはCPUの性能が大きく影響し、逆に高解像度ではビデオカードの性能が大きく影響する。つまり、Pentium 4の性能自体は十分に出ているのだ。高解像度で数値がよくないのは、想像の域を出ないが、ドライバの問題ではないだろうか。Pentium 4のアーキテクチャに合わせてドライバのチューニングなどを施せば、高解像度での数値も改善されると思われる。これに関連した結果が、グラフ下段中央の3Dmarksに出ている。DirectX 7.1と8.0でパフォーマンスの違いを比較したものだが、数値を見ると、Pentium III 1.0BHzでは7.1と8.0でそれほど差がないのに対し、Pentium 4では、233の差が出ている。DirectX 8.0は、Pentium 4のSSE2に対応しており、この効果が現われているのだ。


■測定環境
CPUごとの個別環境(マザーボードおよび使用メモリ)
Pentium 4 1.5GHz:Intel D850GB、PC800 256MB
Pentium III 1.0BGHz:Intel VC820、PC800 256MB
Athlon 1.2GHz(FSB 266MHz):AMD CORONA EVT7、
DDR SDRAM 256MB
Athlon 1.2GHz(FSB 200MHz):ASUSTeK A7V、PC133 SDRAM 256MB(CL=3)
共通:
クリエイティブメディア GeForce2 ULTRA(ビデオカード)、IBM DTL A-307030(HDD)、クリエイティブメディア Sound Blaster Live! Value(サウンドカード)、3Com 3C905TX(ネットワークカード)、パイオニアDVD-103S(DVD-ROMドライブ)、Windows 2000 Professional、DirectX 7.0(ビルド番号4.07.00.700)
※とくに表記のないものは、1,024×768ドット/32bitカラーで測定