●急ピッチなPentium 4の普及

■特劇企画・目次

■Pentium 4を一気に普及させる
  Intelのアグレッシブな戦略

□Pentium 4 パフォーマンス分析

■Pentium 4搭載
  オリジナルブランドPCカタログ

 Pentium 4シフトを成功させるためにIntelが選んだ戦略は単純明快だ。それは、一気にPentium 4を普及させてデスクトップのスタンダードにすることだ。どうやら、Pen tium 4普及のピッチは、これまでのどの新アーキテクチャCPUよりも早くなりそうだ。PC業界関係者によると、Intelは当初の予定よりPentium 4の普及戦略をスピードアップしたと言う。それによると、今後約1年でPentium IIIをほとんどPentium 4に置き換える。2002年の早い時期には、完全にPe ntium 4への移行を終えてしまう見込みだ。この計画どおりなら、2001年の冬モデルの主力はPentium 4が占めることになる。これは今秋までIntelが予定していたペースより、1四半期かそれ以上普及のペースが早い。
 普及のピッチを上げるのと同時に、IntelはPentium 4のクロックも引き上げる。第2四半期までに1.7GHz、第3四半期までに2GHzの量産出荷を始めると見られている。2GHzまでのPentium 4は、いずれも現行の「0.18μm版Pentium 4(Willamette:ウィラメット)」になるが、第4四半期には0.13 μm版Pentium 4(Northwood:ノースウッド)も投入、オーバー2GHzを達成する見込みだ。一般に、製造プロセス技術が微細化すると60%ほどクロックが上がるので、Northwoodは3GHzを超えると見られる。こうして見ると、1.5GHzは単なる出発点に過ぎないことが分かる。
 IntelがPentium 4の普及を急速に進めるということは、Pentium 4の価格が急激に下がることも意味している。登場時点でのPentium 4の価格(1,000個ロット時の単価)は1.4GHz版が70,940円(644ドル)、1.5GHz版が90,210円(819ドル)で、価格がスライドした現在のPentium IIIから見ると割高だ。しかし、来年になると価格は急速に落ちてくると見られる。また、Intelは移行を促すために、廉価な1.3GHz版Pentium 4も投入すると言われている。業界筋の情報によると、来年頭にはPentium 4のローエンドとPentium IIIのハイエンドの価格差はほぼなくなる。そして、来年末までにメインストリームPC全体をPentium 4がカバーするということは、1.5GHz以下のその時点でのローエンドPentium 4の価格は、来冬には200ドルを切ることを意味している。つまり10万円台前半の手頃なPCにもPenti um 4が入ってくることになる。この計画どおりなら、Pentium 4はあっという間に当たり前のものになってしまうだろう。