鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第67回:2月22日~2月26日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


2月22日

■■マイクロソフト、Windows CE H/PC Pro 3.0日本語版発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990222/ms.htm

VGA(Video Graphics Array)
ブイジーエー

 IBM社が'87年に、同社のPS/2シリーズ用に開発したグラフィックスアダプタ(ビデオカード)の規格。

 一部の専用アクセラレータを除くと、現在は全てのグラフィックスアダプタが備えている標準的なビデオサブシステムで、システムのインストール時やセイフティモード、DOSモードなどで、このVGAの画面モードが使われている。特に640×480ドットは、VGAの代表的な画面サイズであるため、しばしばこのサイズだけを指して「VGA」といわれることもあるが、実際には表のように、MDA(Monochrome Display Adapter)やCGA(Color Graphics Adapter)、EGA(Enhanced Graphics Adapter)といった旧来のアダプタが備えていた多彩なモードも網羅しており(※1)、80×25文字のテキストモード(解像度的には720×400ドットで、EGAに比べ縦方向が50ドット増えている)や、320×200ドット 256色のグラフィックスモードも備えている。

(※1)システム的には上位互換なのだが、ビデオ(ディスプレイ)出力はそれまでのデジタルからアナログ出力になっているという決定的な違いがある。

【サポートする画面モード】
タイプ解像度(ドット)色数VGAEGACGAMDA
テキスト80×25モノクロ
 40×2516
 80×2516
グラフィックス320×2004
 640×2002
 320×20016
 640×20016
 640×350モノクロ
 640×35016
 640×4802
 640×48016
 320×200256



 
SVGA(Super VGA)
エスブイジーエー、スーパーブイジーエー

 VGAよりも高い解像度や発色数をサポートするグラフィックスアダプタ。
 VGA以降、これを拡張する形で、各社がより高解像度のアダプタを開発。それらの製品をまとめてSVGAと呼んでいる。基本的に各社独自の仕様なのだが、'89年には、業界団体のVESA(Video Electronics Standards Association)が、規格としてのSVGAを標準化。高解像度時の互換モードや互換BIOSを規定している。

 VESAが策定した最初の規格では、VGAを800×600ドット 16色に拡張。その後、解像度では、1,024×768ドットや1,280×1,024ドット、1,600×1,200ドットが、発色数では256色が追加されている。最近は、特定の解像度を指す用語として「VGA」や「SVGA」が使われることがあるが、この場合のSVGAは、最初に標準化された800×600ドットの解像度のことをいう。ちなみに1,024×768ドットはXGA(※1)、1,280×1,024ドットはSXGA(Super XGA)、1,600×1,200ドットはUXGA(Ultra XGA)と呼んでおり、XGA以外は、特に標準的な規格は存在しない。

(※1)XGA(eXtended Graphics Array)は、IBMが'90年にリリースしたグラフィックスアダプタで、1,024×768ドット 256色をサポート。'92年にリリースしたXGA2では、同解像度で6万5千色に対応している。

□VESA(Video Electronics Standards Association)
http://www.vesa.org/


2月23日

■■IBM、Palm IIIx日本語版「WorkPad」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990223/workpad.htm

DOS/V
ドスブイ

 日本語表示のための特別なハードウェアを使わず、ソフトウェアだけで日本語環境を実現するDOS(Disk Operating System)。

 現在使われているWindowsと違い、DOS/V以前のMS-DOSやPC-DOSでは、文字表示にハードウェア側に搭載されているフォントデータや表示機能を使用していた(※1)。このため、日本語表示機能を持たない海外の機種をそのまま利用することはできず、特別なハードウェアを追加した製品や、独自仕様のマシンが一般に用いられていた。

 '90年に日本アイ・ビー・エムは、自社のPS/55シリーズ向けに、「IBM DOSバージョンJ4.0/V」という新しいスタイルのDOSをリリースした。基本的には、英語版のDOSに日本語フォントと必要なサービスを追加するためのドライバを加えた仕様。このDOSによって、特別なハードウェアを追加することなく、標準的なVGAのグラフィックスモードとソフトウェアだけで、日本語環境が実現できるようになった。

 翌'91年には、PCオープンアーキテクチャ推進協議会(OADG~PC Open Architecture Developers Group)が設立され、DOS/Vの仕様(OADG仕様)を正式にリリース。各社がこれに賛同すると同時に、市場ではショップを中心とした互換機市場が広がりを見せはじめ、やがては、独自仕様のマシンを一掃。製品としてのDOS/Vは、その後すっかりWindowsにリプレイスされてしまったが、「DOS/Vマシン」や「DOS/Vショップ」といった当時の呼び名は、いまもなお広く使われている。

□PCオープンアーキテクチャ推進協議会
http://www.oadg.or.jp/


2月25日

■■オンキョー、USB対応のオーディオデバイス「WAVIO Sound Engine」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990225/onkyo.htm

WAVE(WAVE file, WAVEform audio file, RIFF WAVE file)
ウェーブ、ウェーブファイル

 Windowsが標準でサポートするオーディオの録再機能、およびそのためのデータフォーマット。「wave」自体は、音波や電波等を意味する一般的な呼び名で、PCでは、サンプリングされたオーディオデータ全般で使われる。

 「WAVE file」は、Windowsでオーディオデータを扱う際に使われる標準的なデータ形式で、MicrosoftとIBMが'91年に策定したマルチメディアデータ用のフォーマットである、RIFF(Resource Interchange File Format)のルールにしたがって、デジタイズされたサンプリングデータと、それを扱うために必要な各種情報(サンプリングレートや量子化ビット数、チャンネル数等)を格納している。

 もっとも一般的なのは、8bitもしくは16bitのモノラルやステレオのPCMデータで、このタイプであれば、他のプラットホームにも対応ソフトが数多くある。また、この他にも任意の形式で圧縮されたデータを扱うこともできるようになっている(※1)。さらに、これまで標準化されていなかった20、24、32bitといった量子化ビットや、5.1サラウンド等のマルチチャンネルのサポートも進められており、これらを盛り込んだ拡張仕様「Enhanced Audio Formats For Multi-Channel Configuration And High Bit Resolution」がリリースされている。

(※1)ACM(Audio Compression Manager)対応のドライバを呼び出し、データを引き渡すためのハンドラと、固有の情報が格納できるようになっているだけなので、実際にデータを扱うためには対応ドライバが必須となる。

【参考】
□PCM(Pulse Code Modulation)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980917/key46.htm#PCM

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp