【ランキング】
注1:FDにJPEG形式で保存されるため、ソフトウェアが付属しない。
※今後、新製品の登場、既存機種のメリット&デメリットの新規発見、実販価格の変動などにより、随時ランキングが変わりますので、ご了承ください。 7月のボーナス商戦向け新製品が一段落し、つかのまの小休止という感じに見えるデジタルカメラの世界。実際に81万画素クラスのモデルもようやく2機種登場し、選択の余地が生まれ、さらに35万から41万画素クラスにも、個性的なニューフェイスが続々登場。単なる画素競争とは別の選択肢での機種選びができる時代になりつつある。 もっとも、この秋から来春にかけては、いよいよ本格的なパーソナル志向のメガピクセルモデルや超個性派モデルが数多くひかえており、ここ一ヵ月ほどの、比較的静穏な状況は、まさに嵐の前の静けさといえそうだ。 【ランク理由】 さて、今回のNo.1は、やはり前回に引き続き「DS-20」とした。やはり現状でもっとも完成度の高いモデルであり、尖った点はないものの、画質、機能、操作性ともにハイクォリティーでバランスがとれている点を高く評価したい。また、ようやく8MBの3.3V仕様のカードが発売されるため、これまではやや物足りなかった撮影枚数が解消される点も見逃せない。 No.2は前回から上がって「エプソン CP-500」とした。現在、品薄で入手がやや困難なモデルではあるが、81万画素という高画素モデルでありながらも、接続キット込みで実販7万円台と、なかなか手頃。しかも、同クラスのライバル機である「オリンパス C-820L」よりもサイズは大きいものの、画質や持ちやすさ、操作感などはむしろ本機のほうが勝る部分も多い(この2機種の製品版実写比較レポートを近日掲載予定)。また、メモリーが内蔵4MBのほかに、15MBクラスの大容量タイプもあるコンパクトフラッシュを利用できる点も実用的にバリバリと利用したいユーザーにとって大きな魅力といえる。もっとも、記録速度が液晶不使用時で7秒、使用時には約11秒もかかる点はあらかじめ知っておきたい(これは「C-820L」も同様だ)。 No.3にはかなり意外だと思われるだろうが、あえて「ソニー MVC-FD7」をセレクトした。このモデルは、記録媒体にポピュラーな3.5インチフロッピーディスクを採用し、レンズにはクラス最高倍率のオートフォーカス式10倍ズームレンズ、約500枚近い撮影が可能なスタミナ仕様のインフォリチウムバッテリーを採用した、超個性派モデル。サイズこそ巨大だが、実用性は上々。とくに、フロッピー記録式なので、大半のマシンでそのまま画像データを読み込めるうえ、JPEGファイルなのでWebブラウザなどの汎用ソフトで簡単に扱うことができる点が大きな魅力。さらに、35mmカメラ換算で40~400mm相当という10倍ズームが、オートフォーカスで使えるため、これまでのパーソナル機では不可能だった超望遠撮影や被写体の前後をぼかしてメインの被写体を浮かび上がらせるといった撮影テクニックも使える点は本機ならではのもの。フレームモードで撮影すればなかなかシャープで、色再現性も悪くない。実用的で結構使い手があり、しかもちょっとマニアックな異色モデルだ。 No.4は迷った挙げ句、「C-820L」とした。事実上はNo.3が2機種あると思っていただいたほうがいいだろう。このモデルは81万画素クラスの元祖「C-800L」の後継機であり、かなりコンパクトで、しかもスマートメディアや低温ポリシリコンTFTを採用した意欲的なモデル。「CP-500」の好ライバルだが、実際に使い比べてみると、携帯性は本機のほうが優るが、小さくなった分、やや持ちにくい面もあり、光学ファインダー使用時に指が写ってしまうことがある(慣れで解消できる)など、比較してみると若干気になる部分がある。また、スマートメディアだが3.3Vカード専用で、まだ8MBカードまでしかない点。メインスイッチをOFFにすると、ストロボモードなどが標準設定(自動発光)に戻ってしまう点。せっかくの液晶モニターもメインスイッチをONしただけでは点灯しない点などにも不便さを感じる。画質的にも、CP-500に比べてカラーバランスがグリーン寄りになる傾向があり、晴天の日中に人物撮影をしても、CP-500にくらべて肌色の感じが冴えない点もあって、今回はNo.4とした。 No.5は「Powershot350/Cardshot/Q-mini」の三兄弟。前回まではNo.2をキープしていたが、価格は安く、画質もなかなかシャープなものの、さすがに今回上位にはいった新機種に比べると、やや見劣りがする点は否めない。 No.6は初登場の「DC-3」。内蔵メモリー専用機ではあるが、49,800円という価格で、TFT式液晶ファインダーやストロボをきちんと装備しており、撮影間隔も比較的早く、再生もかなり高速で、使ってみるとなかなか気持ちよく撮影できるモデルといえる。ハードに使う人は物足りなさを感じる部分もありそうだが、手頃で画質のいいメモ用機や、セカンドカメラとしては、なかなか魅力的な存在だ。 No.7はマルチーズこと「DSC-V1」をセレクトした。本機の魅力はやはり操作性をはじめとした気持ちよさといえる。いまや実販価格が5万円を割る店も出始めていることもあって、内蔵メモリー専用の35万画素モデルでいいから、気持ちのいいモデルが欲しい!という人にお勧めしたい。 No.8は新型サイバーショットこと「DSC-F2」。これほど多くの機種が登場している今でも、本機のスタイルや質感のよさを越えるモデルはないうえ、記録や再生速度もクラストップレベルで、使っていてもかなり気持ちイイ。だが、他機種で魅力的なモデルが続々登場している現在では、ランキングの上位に食い込むだけの魅力は感じにくい。そろそろ、80万画素クラスの後継機が登場しても良さそうな頃なのだが……。 No.9は、8月いっぱいで2万円のキャッシュバックが期限切れになる「DC-120」。つまり、すでにデジタルカメラを持っている人にとっては、2万円の値上げになるため、今回は順位をやや落とした部分もある。だが、画質はかなり良好で、機能も十分に充実したモデルのため、サイズや操作性、液晶表示の品質などをさほど問わない人には、昨今の81万画素モデルよりも使いでのあるモデルともいえる。 No.10は「DimageV」。基本的にはとてもよくできた、カメラメーカーらしいこだわりを感じさせるモデルであり、このサイズで2.7倍ズームを実現している点は高く評価できる。だが、固定焦点式であり、記録メディアも5V仕様のスマートメディアという点が引っかかる。 次点としては、デジタルマビカの単焦点タイプである「MVC-FD5」をセレクトした。こちらは10倍ズームの「FD7」のようなインパクトはないが、やはりフロッピーの採用により、デスクトップPCでの使い勝手はなかなか良好であり、記録媒体のコスト、電池の持ちなどを考えると、実用性はかなりのレベル。企業で実用本位に使うなら、本機はなかなかいい選択肢といえそうだ。もっとも、あまりに実用本位過ぎて、面白味に欠けるため、パーソナル用途での魅力は今一つのため、今回はあえて次点とした。
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■参考記事
[Reported by 山田 久美夫]