【編集部注】
●ボディはコンパクト化、デザインはゴツく
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デザインは先代モデルもなかなかカッコイイと思っていたが、いかんせん、大きすぎた。だが今回は、本当に同社のコンパクト機と同じ感覚で扱える点がいい。まあ、見た目は先代の優雅さに比べ、ちょっとゴツイ感じにはなったが、このあたりは好みの世界といえるだろう(個人的には先代のほうが好き)。
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今回の見どころは、コンパクト化もさることながら、やはりスマートメディアの採用といえる。正直なところ、C-800Lに魅力を感じながらも、内蔵メモリーだという点で購入を思いとどまった人は結構いたし、実際に手にしても、やはり撮影枚数の制約があると、日常的に使うときでも常に枚数を意識しなければいけないのが辛かったところ。だが、今回ははれてスマートメディアを搭載することで、この点が解決されたわけで、これは何よりもの吉報だ。
しかし、喜んでばかりはいられない。というのは、以前は内蔵とはいえ6MBで30枚撮影できたが、今回の標準搭載は4MBの3.3V仕様。しかも、3.3Vカード専用機で、カードもまだ最大で4MBしかないのは、結構辛い。このあたりは、きちんとしたロードマップを示さなかった東芝側の問題といえ、スマートメディアユーザーとしては、何とも困惑する世界がある。
まあ、容量の問題は時が解決するとはいっても、私などはCP-500に15MBのコンパクトフラッシュカードでも足りない!と思っているのだから、頻繁にカード交換をすることになりそう。もちろん、画像やカードの整理も面倒になるし、交換時に最高のシャッターチャンスを失ったりする可能性もありそうだ。さらに、これまでに入手した5V仕様のスマートメディアがすべて使えないという点も辛いし、フラッシュパスの発売延期もあって、スマートメディア採用機には、ちょっと二の足を踏んでしまう部分もある。
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操作感はなかなか良好。このあたりはコンパクト機のパイオニアらしい、そつのない造りといえる。使いやすいことは使いやすいが、従来機の単なる延長という感じもあり、新しい提案が感じられないのが残念だ。
改良点としては、従来機ではかなりの違いがあった、光学ファインダーと実際に写る範囲の差が大幅に少なくなった点があげられる。また、液晶モニターも従来のMIM式から話題の低温ポリシリコンTFTになった点も好感が持てる。
しかし、残念ながら、画像の記録時間などは従来通りで、結構のんびりしている点はやはり気になる。先代発売時から半年くらい経っているのだから、この点は改良されてしかるべきだろう。
画質は従来モデルよりも明らかに向上している。とくにカラーバランスが改良され、片寄りのないヌケのいい画像となっているのが印象的だ。このあたりは、いずれC-800LとCP-500との比較という形で紹介する予定なので、お楽しみに。
また、今回の大きな特徴であるカード内蔵プログラムによるパノラマやカレンダーなどの作成機能もユニーク。個人的にはカレンダー作成機能が結構気に入ってしまった。さらに、接続キットに同梱されるのが「Kai's Photo Sope」の日本語版である点も、デジタルフォトを楽しむという点では好ましい選択といえる。
人気モデルのフルモデルチェンジということもあって、かなり期待される製品であることは確かだ。まだ短時間の使用であまり結論めいたことはいえないが、個人的にもっとも大きな関心事であった「エプソン CP-500」との比較において、両機はよきライバルではあるが必ずしも、同社にとって第二世代モデルとなる「C-820L」の圧勝とはいえないことだけは確かだ。
早期からデジタルカメラ市場に参入していたオリンパスの二世代目モデルには、基本機能の向上もさることながら、より明確な個性と主張を備えた機種を期待していたのだが。
□参考記事
【6/19】オリンパス、スマートメディアを採用したデジタルカメラを2機種発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970619/olympus.htm
デジタルカメラ関連記事インデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digicame/dindex.htm
■注意■
('97/6/9)
[Reported by 山田 久美夫 ]