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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第135回:9月4日~9月8日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


9月4日

■■ロジテック、「Just Link」機能搭載のDVD/CD-RWコンボドライブ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000904/logitec.htm

Just Link
ジャストリンク

 リコーが開発した、バッファアンダーランエラーを防止する技術。
 CD-Rなどでは、書き込み中にデータ転送が追いつかず、書き込みに失敗することがあり、これをバッファアンダーランエラーと呼んでいる。

 一般的なディスクメディアは、予めセクタと呼ばれる小さな単位(512B~2KB程度)に区画され、このセクタ単位で読み書きを行なっている。セクタを作成する作業を物理フォーマットといい、メディア上の全てのセクタに対して、検出用の信号が記録される(※1)。したがって、ディスクの使用状況に関わらず、特定のセクタ位置を検出し、セクタ単位で同期をとりながらランダムに書き込むことができるのである。

 CD-Rには、このような予め記録されたセクタ情報はなく、データはトラックの先頭(最内周)から順に、ディスク単位(Disc At Once[DAO])、あるいはトラック単位(Track At Once[TAO])で一気に書き込まなければならない(※2)。言い換えると、ディスク全体もしくはトラックが書き込み時のセクタに相当する書き込み単位であり、書き込みが中断してしまった場合には再開できないというのが、これまでのドライブの仕様だった。

 Just Linkは、この中断/再開を可能とするもので、ドライブのライトバッファに蓄積されているデータが一定量を下回ると自動的に書き込みを停止。バッファが充分に蓄積されると、書き込みを中断した位置に同期させ、その直後から書き込みを再開する。

 同様の技術に三洋電機のBURN-Proofがあるが、Just Linkでは、停止/再開によって生ずるギャップが2μm以下(12倍速時)に抑えられており、BURN-Proofの約40μmに比べて大幅に精度が向上している。

(※1)最近のディスクの多くは、セクタ情報をディスク自身にプリレコーディングしており、物理フォーマットを必要としない(あるいはできない)。

(※2)セクタに相当する情報は、書き込みの過程でデータと一緒に記録されるので、書き込み後はランダムアクセスが可能となる。また、CD-RWをセクタフォーマット感覚で利用できるようにするパケットライトの場合には、予めメディアをフォーマットしておく必要がある。

□Just Link(リコー)
http://www.ricoh.co.jp/cd-r/drive/justlink.html
□BURN-Proof(三洋電機)
http://www.sannet.ne.jp/BURN-Proof/index-j.html
【参考】
□BURN-Proof
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991224/key103.htm#BURN_Proof
□ディスクアットワンス、トラックアットワンス、パケットライト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980217/key18.htm#DAO
□CD-R
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971224/key12.htm#cd_r
□CD-RW
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971224/key12.htm#cd_rw


■■NEC、6.3インチのXGA TFT液晶ディスプレイ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000904/nec.htm

ppi(Pixels Per Inch)
ピーピーアイ

 画像を小さな点の集まりで描く、ラスターグラフィックスやラスター系のデバイス(※1)における解像度を表す単位で、1インチあたりの画素数。

 ラスターグラフィックスでは、描画の最小単位のことを画(picture)の要素(element)という意味で「画素(pixel)」と呼んでいる。ppiは、この画素の細かさを、1インチあたりの画素数で表したものである。

 同様のものに、1インチあたりの点の数で表す「dpi(dot per inch)」という単位があり、1画素が1つの点で構成されている場合には同じ値になる。しかし、ディスプレイやカラープリンタなどでは、1画素の表示に複数の点を使用しているため、両者は一致しない。

(※1)PCに使われている一般的なデバイスでは、プロッター以外はすべてこのタイプ。


■■アップデート情報(9月4日)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/driver/

Thumb Drive
サムドライブ

 Trek 2000 Internationalが2000年にリリースした、フラッシュメモリを使った小型のストレジデバイス。

 一端にUSBコネクタが付いた、親指大のスティック型デバイスで、本体にフラッシュメモリを内蔵。USBポートに直接差し込み、リムーバブルドライブとして使用する(通常のUSBプラグよりも厚いため、機種によっては物理的に差し込めない場合もある)。転送速度は、読み込み700KB/秒、書き込み350KB/秒。サイズは、8~128MBが57×17×10mm(長さ×幅×厚さ)、256MBが76×17×10mm。

□Trek 2000 International (英文)
http://www.trek2000.com.sg/
□ThumbDrive (Trek 2000 International,英文)
http://www.thumbdrive.com/
□新日エレクトロニクス株式会社 (国内の総代理店)
http://www.shin-nichi.com/jp/trek/


9月6日

■■AKIBA PC Hotline! HotHotレビュー by Ubiq Computing
  815/815Eの3Dグラフィックス性能を30%向上させるGPAカード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000906/hotrev78.htm

GPA(Graphics Performance Accelerator)
ジーピーエー

 Intelが'99年に発表した、チップセットに内蔵されたグラフィックスコントローラに、ディスプレイキャッシュ用のローカルメモリを増設するためのインターフェイス規格。旧称AIMM(AGP Inline Memory Module)。

 Intel 810チップセットを初めとする、グラフィックスコントローラを統合したチップセット(GMCH~Graphics Memory Controller Hub)では、UMA(Unified Memory Architecture)あるいはSMBA(Shared Memory Architecture)と呼ばれるスタイルが採られており、オンチップのグラフィックスコアは、メインメモリの一部をビデオメモリとして利用している。基本的には専用メモリを持たない設計なのだが、3Dグラフィックスの描画に使用するZバッファ用に、4MBのローカルメモリを搭載できるチップも用意し、パフォーマンスの向上も計っている。

 3Dグラフィックスの描画方法には色々なものがあるが、比較的少ないメモリで高速に描画する場合には、Zバッファ法がよく用いられる。これは、描画用のフレームバッファとは別に、描画した物体の奥行き方向の位置情報を格納しておくメモリを用意し、描画時には、この奥行き情報を参照。既に別の物体が描かれている場合には、その手前に位置するピクセルだけを上書きして奥行き情報を更新する。こうすることによって、最終的に手前に見えるものだけがフレームバッファ上に残る。この奥行き情報を格納するメモリをZバッファといい、1フレームの描画に際して、このZバッファは頻繁に参照更新が繰り返される。

 この処理をハードウェアで行なう場合には、ハードウェア側にZバッファ用のメモリを用意しなければならないが、メインメモリを割り当てた場合には、参照更新に伴なう大量のトラフィックが発生する。そこで、Zバッファ用にローカルメモリを置けるようにしている。

 このZバッファ(※1)用のメモリをディスプレイキャッシュといい、GPAは、これを後から増設するためのインターフェイスとして規定された(増設用のメモリをGPAカードという)。物理的には、AGPスロットを使用したもので、3.3V版のAGPで規定されている電源周りのピン配置をそのままに、他のピンをメモリモジュール向けに再定義。32bit/133MHzのメモリバスとして利用する。

□GPA Card (英文)
http://developer.intel.com/technology/memory/aimm/
【参考】
□フレームバッファ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980303/key20.htm#FrameBuffer
□Zバッファ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980303/key20.htm#ZBuffer
□ディスプレイキャッシュ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991202/key100.htm#display_cache
□AGP(Accelerated Graphics Port)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980513/key29.htm#AGP


9月7日

■■Seagate、コンシューマ製品市場戦略説明会を開催
  HDDを搭載する家電メーカーに開発支援
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000907/seagate2.htm

PVR(Personal Video Recorder)
ピーブイアール

 記憶媒体にハードディスクを使った、ビデオの録画再生機。
 急激な低価格大容量化が進行しているHDDは、高速でランダムアクセス性能に優れており、デジタル方式のビデオレコーダのメディアとして注目されている。

 '99年頃から、ビデオレコーダやSTB(Set Top Box)が登場。国内でも、2000年6月にソニーからハードディスクレコーダが発売されている。テープを使ったVTR(Video Tape Recorder)あるいはVCR(Video Cassette Recorder)に対し、ハードディスク版は一般にパーソナルビデオレコーダといい、「PVR」と略されている。

 ただし、国内ではソニーが「PVR」を商標登録しているので、今後どのような呼称で定着するのかは不明。

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp