鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第12回:12月15日~12月19日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


12月17日

■■ゲームソフト開発のコンパイル、企業向けグループウェアを発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971217/compile.htm

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
エスエムティーピー
 インターネットメールで使われている、メールの転送を行なうためのプロトコル。メールサーバにメールを送信する時や、サーバ間でメールを配送する際に使われている。

 SMTPは、メールを送る側(SMTPクライアント)が受信する側(SMTPサーバ)に接続し、ASCIIベースの文字列コマンドと応答を繰り返してメールの転送を行なう。Simpleという名のとおりのとても単純な手順になっており、クライアントはサーバの25番ポートに接続し、以下のようなコマンドを使ってメールを送る。

 SMTPは、送信側が主導のプロトコルなので、受信側は常にメールを受け取れる状態でなければならない。したがって実際の配送では、ユーザーが直接SMTPでメールを受け取ることはなく、メールサーバが代表して受信し、ユーザーのメールボックスにスプールしておく。送信の方は、通常はプロバイダのSMTPサーバに送り、そこから送信先のメールサーバに転送される仕組みになっている。

 なお、SMTPはテキストベースのプロトコルであり、バイナリデータなどの8bitコードを直接扱うことはできない。


 
POP(Post Office Protocol)
ポップ
 インターネットメールで、サーバのメールボックスからメールを受信するためのプロトコル。

 現在もっとも一般的に使われているプロトコルは、前バージョンのPOP2に認証機能などを追加したPOP3と呼ばれるバージョンで、メールソフトが、サーバからメールを取り出す際に使用している。ASCIIベースの文字列コマンドと応答を繰り返すシンプルな手順で、クライアントはPOPサーバの110番ポートに接続し、「USER」と「PASS」コマンドで認証を受けた後、以下の様なコマンドを使ってメールを読み出す。

 POPは、スプールを読み出すだけの単純なプロトコルだが、最近ではサーバ側にメール管理機能を持たせたIMAP(Internet Message Access Protocol)に対応した製品も増えつつある。


 


12月18日

■■アプリックス、Mac用のCD-R/CD-RW書き込みソフト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971218/aplix.htm

CD-R(Compact Disc-Recordable)
シーディーアール、シーディーレコーダブル
 '88年に太陽誘電株式会社が開発した、記録可能なCD。翌'89年には、CDの正式規格として、物理フォーマットを定めたOrange Bookのパート2に盛り込まれる。データを一度だけ書き込みできることから(追記は可能)、CD-WO(Write Once)とも呼ばれ、WORM(Write Once Read Many)の一種に分類される。

 通常のCDメディアは、プラスチックの基板にピットと呼ばれる小さな凹みを付けて、デジタルのビット情報を記録。その上を金属の反射層と透明な保護層でコーティングした3層構造になっている。この基板にレーザー光をあて、ピットの有無による反射光の違い(ピットが暗くなる)を検出して、記録されたデータを読み出す仕組みになっている。

 一方のCD-Rメディアは、基板と反射層の間に有機色素を使った記録層を設けた4層構造になっている(このため銀色ではなく金色や緑色をしている)。この色素を強いレーザー光で変化させ、ピットに相当する反射率の違いを作り出す。メディアは化学的に変化させてしまうため、一度記録した場所を再利用することはできず、未記録の場所に追記するのみとなる。記録されたメディアは、これまでのCDと互換性があり、通常のプレーヤーやドライブで利用することができる。

 CD-Rの物理フォーマットには、プレスされたCD-ROMと同じディスク1枚を一気に書き込む「Disc at Once」、トラック単位で書き込んで行く「Track by Track」、まとまった単位での追記が可能な「Multi Session」、小さなブロック単位で追記できる「Packt Write」の4種類があり、Packt Writeでは、一般のディスクと同じようなファイル単位の書き込みが可能だ。

□太陽誘電株式会社
http://www.yuden.co.jp/
□Orange Forum ('96年に設立されたCD-Rの普及促進を目的とする業界団体)
http://www.orangeforum.or.jp/


 

CD-RW(Compact Disc-ReWritable)
シーディーリライタブル
 Philips、Hewlett-Packard、三菱化学、リコー、ソニーの5社が共同で開発した、書換可能なCD。当初はCD-E(CD-Erasable)という名で規格化が進められていたもので、'96年に現在のCD-RWの名で、記録可能なCDの規格であるOrange BookのPart3に追加。翌'97年に発売されたリコーのドライブを皮切りに、各社から対応製品が次々に発売される。

 CD-RWメディアは、物理的な形状や記録容量は他のCDメディアと同じだが、記録方式にPD(PはPhase Change~相変化~の略)などに使われている相変化記録方式を採用している。

 相変化記録方式は、レーザー光の照射によって、記録層を結晶状態と非結晶状態(アルモス状態)に変化させてデータを記録する方式である。記録層に使われている相変化記録材は、高いパワーで急激に加熱/冷却を行なうと非結晶状態に、低いパワーでゆっくり加熱/冷却を行なうと結晶状態に変化する。結晶は光の反射率が高く非結晶は低いので、CDと同じ様に反射光の変化で記録した状態が検出できる。ただし、あくまでレーザーを使って読み出せるという点が共通しているだけで、CD-Rの様な従来のドライブとの互換性はない。また、記録層の結晶状態を物理的に変化させるため、書き換えには限界があり、現行のメディアでは1,000回程度となっている。

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp