レビュー

ASUSの「ZenFone 2」を手動でAndroid 6.0にアップデートする

 ASUSは3月1日、SIMロックフリースマートフォン「ZenFone 2」の最新ファームウェア「JP-4.21.40.231」を公開した。

 このファームウェアはAndroid 6.0.1がベースとなっている。ZenFone 2は2015年に発売された端末であり、プリインストールOSはAndroid 5.0であった。長らくのユーザーの間では6.0へのアップデートが待望されていたが、日本国内版のみアップデートの提供が遅れていた。

 2016年末に、日本国内版をAndroid 6.0にアップデートする「JP-4.21.40.196」が公開されたが、OTA(Over The Air)によるアップデートは実施されないまま現在に至る。JP-4.21.40.231では、.196をベースに、Bluetoothの性能とWi-Fiの安定性を向上させたものとなっている。

 筆者も長らくOTAによるアップデートを待っていたが、このままだとAndroid 8.0が出そうである。よって、手動によるアップデートを実施してみた。ちなみに実施方法は以前にご紹介した「ZenFone Zoom」の時(関連記事:ZenFone ZoomのAndroid 6.0アップデートが公開中)とほぼ同様、ファームウェアを内蔵ストレージのルートディレクトリに放り込んで、端末を再起動させ、通知欄から実施した。

 警告では5分ほど要するとしていたが、筆者は5.0→6.0.1へのアップグレードだったためか、アプリケーションの最適化を含めて合計で40分ほど要した。

 ちなみにAndroid 6.0へアップグレードすると、アプリの一部をSDカードに移行させて内蔵ストレージの容量をセーブする「APP2SD」の機能が使えなくなるほか、「ASUS Backup」、「Mirror」、「Omlet」、「Party Link」、「PC Link」、「Remote Link」といった一部のASUSオリジナルアプリが削除される。これらを活用しているユーザーは少数だと思われるので大きな問題にはならないが、利用中のユーザーは6.0へのアップグレードを再考すべきかもしれない。

 ただ、アップグレードを施したとしても、Android 5.0にダウングレードするためのファームウェア「JP-52-20.40.197」も公開されているので、手間さえ惜しまなければ戻すことも可能だ。

 アップグレード後にAntutu Benchmarkを実施したところ、若干の性能低下がみられた。おそらく長年の利用でeMMCの性能が低下しているのであろう。とは言え、このスコアは2017年3月現在において、概ねアッパーミドルクラスのスマートフォンと拮抗する結果であり、さすが2015年のハイエンドだけあって現役十分と言ったところである。

アップデート前はAndroid 5.0
3月7日時点でOTAで最新ファームウェアを確認してもなし
ASUSのZenFone 2のダウンロードページにアクセスし、ファームウェアをダウンロード
標準のファイルマネージャーを起動
ダウンロードしたファイルを選択して……
ルート>sdcard(内蔵ストレージのルートディレクトリ)にコピー(または移動でも良い)
端末を再起動する
再起動すると通知欄にシステムアップデートファイルを検出したと出るので、そこをタップ
アップデートするパッケージの選択
システムの更新が行なわれる
一通りの作業が終わると成功したとのメッセージが出る
アップデート後、Androidは6.0.1となった
ビルド番号も変わる
アップデート前のAntutu Benchmarkの結果
アップデート後のAntutu Benchmarkの結果。UXが下がっているので、ストレージ関連の性能低下と見られる
Android 6.0ではこのように、サードパーティアプリにおいてアクセス可能な情報を個別にカスタマイズできるようになる