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人間と対等にボードゲームを対戦するロボット

 人工知能を研究するAndre Pereira氏らは、人間とボードゲームを対戦するロボットを試作し、その実験の模様をYouTubeで公開した。

 このシステムは、「Risk」というボードゲームのデジタル版と、それを実行/表示するカスタムメイドのタッチセンサー付き液晶、「FLASH」というソーシャルロボット、そしてPereira氏らの人工知能プログラムなどで構成されている。

 Pereira氏らは、言葉によるコミュニケーションに関する研究と、思考プロセスの分析という2つの観点から、ゲームをプレイする人間の思考や、プレーヤー間のコミュニケーションなどを読み取る人工知能を開発した。

 これを体現するのが、FLASHというロボットの頭部だ。外見は単純な部品で構成されているが、目や口を動かしていろいろな表情を作ることができ、人工音声により言葉を発することもできる。さらにこのロボットは、カメラとKinectを組み合わせ、対戦する人間の位置や方向を把握する。

 これらによって、このロボットは、画面上でサイコロが振られた時や、プレーヤー同士が会話している時、そして自ら誰かに話しかける時などに、きちんとその対象を“見る”。

 もちろん、ゲームのプログラムもこのロボットに接続されており、ゲームの進行状況や、勝つための戦略、そして、今誰が“ついているか”なども判定/判断する。豊かな感情も持っており、「戦闘には負けましたが、ゲームには負けませんよ」といった負け惜しみを言ったり、時には、相手をにらみつけ、脅迫したり、馬鹿にしたりもする。

 動画を見てもらうと分かる通り、まるで本物の人間と面と向かってプレーしているような相互作用/コミュニケーションが実現されている。実際、このロボットとゲームをプレーした被験者は、このロボットに友達としての感情を抱いたという。

(若杉 紀彦)