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欧州議会で「ロボットの権利」の必要性を問う投票が行われる

 BBCが12日(英国時間)付けで報じたニュースによると、欧州議会ではロボットと人間のあり方について包括的な線引きを与える法案の策定について採決を行なっているようだ。

 欧州議会は草案を兼ねた報告書の中で、近年発達の著しい人工知能などの技術について「新たな産業革命を引き起こし、社会に想像もしない影響を与える可能性が高い」としており、今後数十年で人間を超える知能を獲得するロボットにどのような権利が与えられるべきかという議論を行っている。

 この報告書では、ロボットにキルスイッチ(意図しない動作をした際に緊急停止できる機能)をつけることの是非といったロボットの権利、およびロボットの負う法的な責任について言及されている。

 しかし、そこにはロボットと人が関わることで生じるプライバシーや尊厳、人の安全といった問題が横たわっている。報告書の中でも「人は物理的、心理的な危害をうけることなくロボットを使えるべき」とされているが、ロボットに人権のようなものを認める場合、キルスイッチを取り付けることはできなくなるといった矛盾が生じてしまう。

 また、同報告書はロボットの法的な位置付けを議論するほか、EU内にロボットや人工知能について技術的かつ倫理的な規制を行なう機関の設立や、ロボットの負う法的な責任の原則を提唱している。その原則とは、「ロボットに施された学習が有効である限り、その学習をさせた主体が責任を負うべき」というものだ。

 BBCによると、この草案が可決した場合、EU各国の議会でさらに立法が議論されることになる。