イベントレポート
HP、手のひらサイズのデスクトップや5K液晶などを展示
(2015/1/13 06:00)
Stream Mini Desktop、Pavilion Mini Desktop
Mini Desktopシリーズは、手のひらに乗るコンパクトサイズのデスクトップPC。同じ筐体を利用し、販売価格が179.99ドルの「Stream Mini Desktop」と、上位のCPUを搭載する「Pavilion Mini Desktop」の2モデルをラインナップする。
Stream Mini Desktopは、CPUにCeleron 2957Uを採用する超小型デスクトップPCだ。OSにWindows 8.1 with Bingを採用し、メモリ2GB、ストレージ32GB SSDと、スペックは格安Windowsタブレット相当と抑え気味だが、価格が179.99ドルと非常に安価な点が特徴となっている。曲線を取り入れた柔らかい印象の筐体で、コバルトブルーのカラーリングが映える。サイズは約144.78×145.54×52.32mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約649gと、手のひらにも余裕で乗るコンパクトさで、設置場所も問わない。ただ、プラスチック筐体のため、見た目には少々安っぽく感じる。
ポート類は、前面にUSB 3.0×2、背面にUSB 3.0×2、Gigabit Ethernet、HDMI、DisplayPort、右側面にSDカードスロットを備える。また、標準で2年間の200GB OneDrive利用権も付属しており、ストレージ容量の少なさが補われている。
Pavilion Mini Desktopは、Stream Mini Desktopより高いスペックを搭載する上位モデルとなる。標準スペックモデルでは、搭載CPUがPentium 3558U、メモリ4GB(最大8GB)、ストレージは500GB HDD、OSはWindows 8.1で、価格は319.99ドル。CPUがCore i3-4025U、ストレージが1TB HDDとなる上位モデルは、価格が449.99ドル。
筐体デザインやサイズはStream Mini Desktopと全く同じで、プラスチック素材を採用する点も同様だが、本体色がスノーホワイトのためか、Stream Mini Desktopほど安っぽさは感じない。ポート類も、前面にUSB 3.0×2、左側面にSDカードスロット、背面にUSB 3.0×2、Gigabit Ethernet、HDMI、DisplayPortと同じ。映像出力はデュアルディスプレイ出力や4K出力をサポートするという。また、ワイヤレスキーボードとワイヤレスマウスも付属する。展示機をチェックしたところでは、無線機能はIEEE 802.11b/g/nとbluetooth 4.0が搭載されていた。
北米では直販サイトで2015年1月14日(現地時間)より、量販店で2015年2月18日より発売開始となる予定。日本での発売は未定とのこと。
ZBook Mobile Workstation
「ZBook Mobile Workstation」は、“薄さを極める”Ultrabook準拠のモバイルワークステーションシリーズだ。従来同様、14型液晶搭載モデルの「ZBook 14 G2 Mobile Workstation」と、15.6型液晶搭載モデルの「ZBook 15u G2 Mobile Workstation」の2モデルが用意され、GPUにAMD FireProを搭載する点も変わらないが、CPUが第5世代Coreプロセッサに強化されている。
CPUやメモリ、ストレージの仕様は、両モデルで大きな違いはなく、CPUは第5世代Core i5またはCore i7を採用し、メモリは最大16GBまで搭載可能。内蔵ストレージはSSDとHDDの同時搭載で最大1.25TBまで搭載でき、PCIe接続の高速SSD「Z Turbo Drive」を搭載できる点も同様だ。それに対しGPUは仕様が異なっており、ZBook 14 G2がAMD Fire Proro M4150(ビデオメモリ1GB)、ZBook 15u G2がAMD Fire Pro M4170(ビデオメモリ1GB)を採用する。無線機能は、IEEE 802.11ac/a/b/g/n対応無線LANおよびBluetooth 4.0に対応(11ac非対応の選択も可能)。また、オプションでLTE対応のWWANの搭載も可能とのこと。
液晶は、ZBook 14 G2が14型で、表示解像度は1,366×768ドット、1,600×900ドット、1,920×1,080ドットの3種類から選択でき、タッチ対応モデルも用意。ZBook 15u G2は15.6型で表示解像度は1,920×1,080ドットのみとなり、タッチは非対応となる。
サイズと重量は、ZBook 14 G2が339×237×21mm(同)、1.62kg、ZBook 15u G2が375.5×253.6×21.42mm(同)、1.83kg。2015年1月に発売開始を予定しており、北米での価格はZBook 14 G2が1,249ドルから、ZBook 15u G2が1,199ドルから。
液晶ディスプレイ
液晶ディスプレイの新モデルとしては、湾曲ウルトラワイド液晶ディスプレイや5K(5,120×2,880ドット)表示対応モデル、4K(3,840×2,160ドット)表示対応モデルなどを発表。また、専用のメガネを装着することで、立体的かつ頭の動きに合わせて表示されている3D映像が変化し、そこに立体的な物体が存在するかのように見える仮想現実表示に対応したディスプレイ「Zvr」も展示した。
「Zvr」は、米zSpaceの「zSpace technoloy」を利用した仮想現実環境を構築できるディスプレイ。液晶上部に搭載されている4個のセンサーと専用メガネによって、頭の動きを検知し、その動きに合わせて表示する3D映像を変化させるようになっている。これによって、表示される映像が立体に見えるだけでなく、実際の物体を上下左右に回り込んで隠れた部分を見るように、頭の移動に合わせて表示が変化し、あたかもそこに映し出されている物体が存在するかのように見える。また、付属のペンを利用することで、表示された物体を掴んで移動させたりもでき、インタラクティブな環境が実現できる。
液晶パネルのサイズは23.6型で、表示解像度は1,920×1,080ドット。TNパネルを採用するが、使い方が一般的なディスプレイと異なっていることもあって、視野角の狭さが気になる場面はなかった。映像入力端子はDVI-DおよびDisplay Portを用意。
製造業の製品設計、医療業界での解剖学のや分子構造の研究、教育分野などでの利用をターゲットとしており、業務向けとして展開される予定。発売時期は2015年春を予定しており、価格は未定。
Z27q
「Z27q」は、5K(5,120×2,880ドット)表示対応の液晶ディスプレイ。液晶パネルのサイズは27型で、パネルの種類はIPS。出荷時にカラーキャリブレーションが施され、10bitカラー対応の優れた発色性能を誇るとしている。なお、5K表示はPCとDisplayPortケーブル2本で接続する必要がある。2015年春に発売を予定しており、米国での価格は1,299ドル。
Z27s、Z24s
「Z27s」、「Z24s」は、4K(3,840×2,160ドット)表示に対応する液晶ディスプレイ。Z27sは27型、Z24sは23.8型パネルを採用。パネルサイズ以外の仕様はほぼ同じで、映像入力はDisplayPort、mini DisplayPort、DVI、HDMIを用意し、MHLもサポート。USB 3.0 Hub機能も備える。スタンドは角度調節、高さ調節、スイベル、ピボットに対応。2015年1月以降に順次発売予定となっており、北米での価格はZ27sが749ドル、Z24sが549ドル。