イベントレポート
GIGABYTE、GeForce GTX 760搭載「BRIX」や4K液晶搭載ノートを公開
~GPU×2、SSD×3のハイエンドゲーミングノートも
(2014/6/6 07:49)
- 会期:6月3日~7日(現地時間)
- 会場:Taipei World Trade Center Hall 1,3, NANGANG Exhibition Hall
- Taipei International Convention Center
GIGABYTEは、超小型PC「BRIX」シリーズの新モデルや、4K液晶搭載の薄型ノートPC、ゲーミングPCブランド「AORUS」シリーズの最新ノートPCなどを公開した。
BRIX新モデル
超小型PCシリーズとして人気の「BRIX」新モデルを2機種公開。まず1つ目は、高性能GPUを搭載するゲーミングモデル「BRIX Gaming」の新機種だ。
BRIXの高性能モデルとしては、Iris Pro Graphics 5200を内蔵した第4世代Coreプロセッサを採用する「BRIX Pro」シリーズが登場済みで、さらにAMD製APU「A8-5557M」を搭載する「BRIX Gaming」も発表済みとなっているが、今回新たに公開されたのはBRIX Gamingの新モデル。CPUにCore i7-4710HQ(2.5/3.5GHz)またはCore i5-4200H(2.8/3.4GHz)を搭載するとともに、新たにディスクリートGPUを標準搭載。それも、双方ともGeForce GTX 760とデスクトップ向けGPUを採用する点が大きな特徴となる。また、映像出力端子としてMini HDMI×2とMini DisplayPort×1を備えており、3画面出力をサポートするとともに4K出力も可能とのこと。
高性能CPUと外部GPUを搭載するために、左側面には吸気用のファンを2基搭載し、従来よりも強力な冷却機構を採用。それに伴い、本体サイズは128×115.4×59.6mm(幅×奥行き×高さ)とBRIX Proシリーズよりやや大きくなっている。また、ACアダプタもかなり巨大となった。それでも本体は手のひらに乗るほどしかなく、十分にコンパクトだ。
メモリスロットはSO-DIMMスロットを2本備え、BRIX Pro同様DDR3Lメモリに対応。ストレージは9.5mm厚の2.5インチドライブを搭載可能。また、IEEE 802.11ac/a/b/g/n/ac準拠の無線LANとBluetooh 4.0も標準搭載する。本体カラーは、Core i7-4710HQ搭載モデルがブラック、Core i5-4200H搭載モデルがグリーンになるとのこと。発売時期は、Core i5-4200H搭載モデルが7月下旬から8月頃で、その後Core i7-4710HQ搭載モデルが登場する予定で、日本でも発売になるとのこと。価格は未定だ。
もう1機種が、「BRIX Nas」という新モデルだ。製品名からも分かるように、NASやホームサーバー用途をターゲットとした製品とのことだ。
本体を見ると、これまでのBRIXシリーズより圧倒的に高さがあることが分かる。本体サイズは112×120×90mm(幅×奥行き×高さ)となっており、初代BRIX(高さ29mm)と比べると3倍以上も高くなっている。これは、本体内に9.5mm厚の2.5インチドライブを4台内蔵できるため。これにより、従来モデルや競合製品には不可能な、圧倒的な内蔵ストレージ容量を実現でき、NASやホームサーバ用途にも柔軟に対応できるとのことだ。
なお、NASという名称が付いてはいるが、内部の仕様は他のBRIXシリーズと同じ通常のPCだ。CPUはCore i5-4250Uを採用しており、Windows 8.1が全く問題なく動作する。そのため、使い方はユーザー次第と言っていいだろう。メインメモリスロットはSO-DIMMスロット×2でDDR3Lに対応し、IEEE 802.11b/g/nおよびBluetooth 4.0対応のMini PCI-eカードも標準搭載する。こちらは、サンプルとして公開されたもので、2014年第3四半期に発表を行ない、2014年第4四半期に発売、というスケジュールを予定しているとのことだ。
また、海外では発表済みとなっている、Bay Trail-MことCeleron N2807(1.58/2.16GHz)搭載のBRIX新モデル「GB-BXBT-2807」も展示されていた。こちらはファンレス仕様で、2.5インチドライブを搭載でき、SSDを利用することで無音PCを簡単に作成可能となる。メインメモリスロットはSO-DIMM×1でDDR3Lに対応し、IEEE 802.11b/g/nおよびBluetooth 4.0対応のMini PCI-eカードも標準搭載。本体サイズは107.6×114.4×56.1mm(幅×奥行き×高さ)。アナログRGB出力を備える点も、他の製品にはない特徴だ。日本では6月末から7月頃に発売を予定しており、価格は16,000円前後になるとのこと。
4K液晶搭載薄型ノートPC
ノートPCも多数展示していたが、その中で最も注目となる製品が「P35W v2」という製品。こちらは薄型の高性能ノートで、最大の特徴となるのが4K(3,840×2,160ドット)表示に対応する15.6型液晶を搭載する点だ。今年のCOMPUTEXでは、4K表示液晶搭載ノートがいくつか発表されているが、この製品もその中の1つとなる。液晶パネルの方式は非公開だが、視野角は170度と広く、NTSC比72%の表示色域をサポート、輝度は300nitsになるとのことだ。
性能面も充実しており、CPUは第4世代Core i7を採用し、標準で外部GPUとしてGeForce GTX 870Mも搭載される。また、内蔵ストレージはmSATA SSDを最大2台搭載するとともに、2.5インチドライブも搭載できるという。加えて、前方の光学式ドライブはリムーバブルとなっており、2.5インチドライブ用アタッチメントを利用して2.5インチドライブをもう1台搭載可能とのこと。しかも、こういった仕様ながら高さは20.9mmとかなり薄い点も大きな特徴となっている。なお、現時点では細かい仕様は未公開。2014年第3四半期から第4四半期に発売予定とのことで、日本市場への投入も計画中とのことだ。
ゲーミングブランド「AORUS」シリーズの高性能ノートPC
GIGABYTEが展開するゲーミングブランド「AORUS」シリーズの最新ゲーミングノートも3機種を公開。まず1つ目は、17.3型液晶搭載の「AORUS X7」シリーズの新モデルだ。
最大の特徴となるのがスペックの高さで、標準で外部GPUにGeForce GTX 860Mを2個搭載するデュアルグラフィックス構成を実現。内蔵ストレージは、mSATA SSDを3枚搭載してRAID 0動作させることで、1,500MB/Secの高速ディスクアクセスを実現するという。また、メモリスロットも4本用意し、最大32GBのメモリを搭載可能となっている。
しかも、このような強力な仕様でありながら22.9mmの薄形ボディ、約3kgの軽量ボディで、携帯性にも優れるとしている。CPUは第4世代Core i7を搭載。液晶は17.3型フルHD(1,920×1,080ドット)で、タッチは非対応、液晶表面はノングレア。発売時期は2014年第3四半期で、価格は北米市場で2,800ドルからを予定しているとのこと。
もう2機種は、13.3型液晶搭載の「AORUS X3」と13.9型液晶搭載の「AORUS X3 PLUS」。こちらはベースとなるボディ形状は同じで、液晶のサイズと表示解像度が異なるモデルで、13.9型液晶搭載のAORUS X3 PLUSのみを展示していた。
こちらもAORUS X7同様に高性能が特徴で、外部GPUにGeForce GTX 870Mを採用。また、M.2 SATA SSDを2枚搭載してRAID 0構成にすることで、ストレージの速度も高めている。CPUは第4世代Core i7が搭載される。液晶の表示解像度はQHD(2,560×1,440ドット)またはQHD+(3,200×1,800ドット)。タッチは非対応で、表面はノングレア。そして、こちらも薄型軽量ボディとなっており、高さは22.9mm、重量は1.87kgと2kgを切る軽さを実現している。なお、13.3型液晶搭載のAORUS X3は表示解像度がQHDのみとなる。
こちらも2014年第3四半期に発売を予定しており、北米での価格はAORUS X3 PLUSが2,400ドル前後、AORUS X3が2,300ドル前後。なお、これらAORUSシリーズの日本での発売は未定とのことだ。
GeForce GTX 780 Ti×3枚がセットになった超弩級水冷ビデオカードキット
最後にビデオカードの新モデルを紹介する。これは通常のビデオカードとは全く異なるもので、今回参考展示されたプロトタイプとなる製品。水冷方式の冷却ユニットを搭載するGeForce GTX 780Tiを3枚セットにするとともに、3台の水冷用120×120mmラジエータを格納する外付けの大型ユニットが付属するという、これまでにない仕様のビデオカード拡張キットだ。
水冷ユニットはポンプレス仕様で、ラジエータとビデオカード上の水冷ヘッドは出荷時に接続済みとなっており、クーラントも封入済みとなる。つまり、購入後はPCケースにマザーボードを取り付け、ラジエータユニットをケース外に設置して電源を接続するだけですぐに利用可能となる。また、ラジエータユニット前方には、GPUの温度やファンの回転数などを表示する液晶が備わり、GPUの温度に応じてファンの回転数などを制御する機能も備わっている。水冷方式の採用により、空冷方式のGeForce GTX 780 Tiを3枚装着した場合と比べて、温度は42.9%低くなり、動作音も13.1dB静かになるという。
ラジエータユニットのサイズなどは未公開だが、120×120mmのラジエータを3基内蔵するため、奥行きは400mmを超える大きさとなる。もちろんビデオカード3枚がパイプでつながっているため、製品化された場合のパッケージはとてつもなく大きくなることが予想される。
展示されていたのはプロトタイプだが、発売はほぼ確定しているそうで、9月頃までには発売したいという。ただし、価格はかなり高く、できれば3,000ドルを切りたいとのことだ。日本での発売は未定だそうだが、前向きに検討中のようだ。