イベントレポート

GIGABYTE、超小型PC「BRIX」のBroadwell搭載モデルを展示

~極冷オーバークロック向けのX99マザーも

 GIGABYTEは、2015 International CESに合わせて、第5世代Coreプロセッサ搭載の超小型PC「BRIX」シリーズ最新モデルを発表し、CES会場付近のホテルで展示を行なった。

第5世代Coreプロセッサ搭載の「BRIX s」

 発表された製品は、最もサイズがコンパクトな「BRIX」シリーズと、2.5インチストレージを搭載できる「BRIX s」シリーズの2製品。このうち、実際に展示されていたのはBRIX sのみであった。

 第5世代Coreプロセッサ搭載のBRIX sは、筐体形状は第4世代Coreプロセッサ搭載モデルと同じだ。本体サイズは107.6×114.4×46.8mm(幅×奥行き×高さ)で、最もコンパクトなBRIXシリーズに比べて高さがある。それでも、手のひらに十分乗るサイズで、省スペース性は高い。

 搭載CPUは、Core i3-5010U、Core i5-5200U、Core i7-5500Uの3種類をラインナップ。搭載CPU以外の内部基板の構造も、従来モデルと同等とのことで、メインメモリ用のSO-DIMMスロットが2本、SSD用のeSATAスロット、2.5インチストレージ用のSATA 6Gbpsポートが1個などとなる。

 外部接続ポートは、背面側にHDMI、Mini DisplayPort、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2ポートが、前面側にUSB 3.0×2ポートとヘッドホン/マイク共用ジャックがそれぞれ用意される。また、M.2無線モジュールが標準で取り付けられており、IEEE 802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LANおよびBluetooth 4.0も標準で利用可能だ。なお、Core i7-5500U搭載モデルでは、天板部分にNFCが搭載される。NFC機能搭載のBRIXシリーズは、これが初となる。

 今回は展示されていなかった、第5世代Coreプロセッサ搭載BRIXともども、発売時期や価格は現時点では未定。ただ、日本でも発売を予定しているとのことだ。

本体形状は従来のBRIX sと同じで、2.5インチストレージデバイスを搭載可能
本体サイズは107.6×114.4×46.8mm(幅×奥行き×高さ)で、手のひらにも余裕で乗るほど
正面にはUSB 3.0×2ポートとヘッドホン/マイク共用ジャックを配置
左側面
背面には、HDMI、Mini DisplayPort、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2ポートを配置
右側面
Core i7搭載モデルでは、天板にNFCが搭載される

 ところで、IntelブースではGIGABYTE未発表の第5世代Coreプロセッサ搭載BRIXが展示されていた。そちらは、「BRIX Pro」同等のケースを採用しており、天板には「Iris Graphics」のロゴシールが貼られていたことから、Iris Graphics内蔵の第5世代Coreプロセッサを搭載するBRIX Proシリーズ最新モデルと思われる。ただし、この製品に関しての情報はなく、Intelブースの係員やGIGABYTEの説明員に聞いても詳細は教えてもらえなかった。おそらく、近い将来に発表になるものと思われる。

こちらは、Intelブースに展示されていた第5世代Coreプロセッサ搭載BRIXの未発表モデル
天板に「Iris Graphics」ロゴシールが貼られていた。Iris Graphics内蔵の第5世代Coreプロセッサを搭載する「BRIX Pro」シリーズ最新モデルと思われる
正面には、USB 3.0×2ポートとヘッドホン/マイク共用ジャックがあり、大きな吸気口も見える
左側面
背面には、HDMI、Mini DisplayPort、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2ポートを配置。メッシュ部分は排気口だ
右側面

 マザーボードの新製品としては、Intel X99 Express搭載マザーボード「X99-SOC Champion」を発表し、こちらも展示が行なわれていた。このマザーボードは、オーバークロック世界記録を目指すハイエンドオーバークロッカーをターゲットとした製品で、液体窒素を利用した極冷オーバークロックに特化した仕様が特徴となっている。

 メインメモリ用DIMMスロットは、CPUソケットにかなり近づけて配置されている。これによりCPUとDIMMスロットとの配線距離が短くなり、信号劣化が低減して安定したメモリの高クロック動作を可能にするという。電源回路は第4世代デジタルPWMコントローラと第3世代PowIRstageコントローラによる100%デジタルコントロール電源となっており、電力の安定供給を実現。また、CPUソケット、DIMMスロット、PCI Expressスロットの各ピンは全て金メッキが施されている。

 その他、20Gbps対応のTurbo M.2ソケットやSATA Expressポートの用意、3Way/4Wayグラフィックス環境時にCPU搭載の40レーンのPCI Expressを全て活用できる独自のPCI Express設計を採用するなど、極限までオーバークロックを極めるための仕様を随所に盛り込んでいる。なお、発売時期と価格は現時点では未定だ。

極冷オーバークロックに特化した仕様のX99マザーボード「X99-SOC Champion」
マザーボード全景
極冷オーバークロック時でもメモリエラーを低減させるため、CPUソケットとDIMMスロットの距離を狭め、極力信号線を短くしている
CPUソケットやDIMMスロット、PCI Expressスロットのピンは金メッキが施されているという
20Gbps対応のTurbo M.2ソケットを用意
SATA Expressポートも用意され、高速ストレージの利用も万全
背面ポートは、キーボード・マウス用のPS/2ポート、USB 2.0×4、USB 3.0×4、Gigabit Ethernet、サウンドポートとシンプルだ

(平澤 寿康)