イベントレポート
【ソニー編】870gのタッチ対応フルHD 11.6型ノート「VAIO Pro 11」
~1.3kgの重量そのままで13.3型化した「VAIO Duo 13」は18時間駆動
(2013/6/5 12:00)
- 会期:6月4日~8日(現地時間)
- 会場:
- Taipei World Trade Center NANGANG Exhibition Hall
- Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1
- Taipei World Trade Center Exhibition Hall 3
- Taipei International Convention Center
ソニーは4日(現地時間)、COMPUTEX TAIPEI 2013に合わせ、現地でVAIO新製品発表会を開催。新機軸となる「VAIO Pro」そして、より洗練された「VAIO Duo」を発表した。
ソニーはグローバルでPCを展開しているが、COMPUTEXでの発表会はおそらくこれが初。IntelのHaswellこと第4世代Coreプロセッサの発表と重なったことも大きいが、日本のソニー業務執行役員SVP、VAIO&Mobile事業本部長の赤羽良介氏らも登壇するなど、今回の新製品に対する意気込みは並々ならぬものがある。
発表会で最初に登壇した赤羽氏は、「スマートフォンやタブレットが普及する中、PCが伸び悩んでいるものの、ソニーはモバイル端末同等の薄さや軽さ、そしてバッテリ駆動時間の長さをPCで提供でき、VAIOは便利さと生産性を両立可能な存在である」と述べた。
また、「ソニーはエンターテイメント企業であり、VAIOはそのソニーのPC。VAIOには、ソニーの持つエンターテイメントの技術が結集したものである。今回の新製品は、手書きでメモを取ったり、カメラをスキャナ代わりにもできる。そういった機能はスマートフォンにもあるが、PCならばフルサイズの画面で快適に実行できる」と述べ、新しいVAIO製品がモビリティと、機能性/生産性を兼ね備えたものに昇華させたものだと紹介した。
続いて、VAIO&Mobile事業本部VAIO企画部統括部長の森繁樹氏が、製品の詳細を説明した。
まず森氏は、新製品の方向性を紹介した。特徴の柱となるのは、「Watch」、「Create」、「Listen」、「Connect」の4つ。
Watchについては、液晶TV「ブラビア」で培った技術を投入した「TRILUMINOS Display for mobile」を採用。従来よりも色域が広く、バラの赤や空の青などをよりリアルに表現できるという。また、「X-Reality」技術により、失われた画素を補完し、鮮明にしたり、シーンを検出して色補正をしたりといった高画質化を行なう。
Createについては、デジタルカメラ「α」の技術や、ソニーのCMOS技術を活かした800万画素の「Exmor RS for PC」イメージセンサーを背面に初搭載(VAIO Duoのみ)。より、鮮明で繊細な写真が撮影できるという。
Listenについては、独自のオーディオ信号処理技術「ClearAudio+」を搭載。今回の製品はモバイル向けであるが、エンターテイメント用途を想定し、オーディオの品質も高めている。
Connectについては、NFCを搭載。「One-Touch」技術により、スマートフォンなどNFC対応のデバイスにワンタッチで音楽を転送できる。
今回の新製品により、VAIOは、Duo、Tap、Pro、Fitという4つのシリーズで構成されることになる。DuoとTapはタッチ前提の新しいフォームファクタで、Duoはキーボードによって快適に入力もできるバランス型という位置付け。ProとFitは、慣れ親しんだクラムシェル型でのタッチ対応モデルで、Proはモバイルで高生産性という位置付けとなる。いずれのVAIOも、仕事と遊び両方におけるパートナーというキャッチコピーがつけられている。
新製品の1つとなるVAIO Duo 13は、既存の「VAIO Duo 11」と同じ、Surf Sliderデザインで、通常はピュアタブレットだが、液晶を引き上げると、キーボードが表われる。ただし、筐体デザインは見直されており、スライダー部分は従来本体と同じくらいの幅があったものが、3分の1程度に狭められながらも、よりスムーズに開閉できるようにした。また、液晶ベゼルも狭額縁化しており、液晶のサイズが1周り大きくなりながら、本体サイズは縦横が10mm程度大きくなった程度で、厚みはほぼ変わらず、重量はVAIO Duo 11とほぼ同じ約1.3kgに留めている。また、大型化に伴い、タッチパッドを搭載した。液晶解像度は1,920×1,080ドット(フルHD)。
プラットフォームは第4世代Coreになっており、VAIO Duo 13はCore搭載機で初めてConnected Standbyに対応。これにより、スリープ時にも定期的に通信を行ない、各種の同期が行なわれる。また、アクティブ駆動時間についても、MobileMark 2007で15時間という、Ultrabookとして最長を実現。森氏は、「バッテリ駆動時間は、各社が異なる計測方法を使っていて比較が難しい」と前置きし、JEITA-BAT1.0、JEITA-BAT1.0(a)、MobileMark 2012の数値も紹介。それぞれ、18時間、11時間、10時間となっており、実利用に近い状況でも半日程度もつことが示された。
使い勝手の面でも、改善が施されている。Duo 13もDuo 11同様、デジタイザが付属するが、側面にペンのクリップを引っかけられるようになっている。そして、そこからペンを取り外すと、システムがそれを検知し、即座にスリープから復帰。さらに、パスワードを設定している場合は、前面カメラで顔認識を行ない、キーボードを開くことなく、システムにログオンできる。また、背面カメラで名刺を撮影し、その遠近を自動補正させつつ、文字認識を行なったり、名刺の画像を編集ソフトに貼り付けて、ペンで見せたくない部分を塗りつぶすといったデモが紹介された。
もう1つの新シリーズとなるVAIO Proは、11.6型の「VAIO Pro 11」と13.3型の「VAIO Pro 13」の2機種を用意。徹底的に軽さを追求したハイエンドモバイル機で、底面には東レの「UDカーボン」を採用し、剛性も確保。前者は870g、後者は1,060gで、それぞれ11.6型、13.3型のタッチ対応Ultrabookとして世界最軽量を謳う。
クラムシェル型としてキーボードにもこだわっており、いずれもフルに近いキーピッチを確保。バックライトも内蔵する。キーボード面の素材はアルミ。本体デザインも、洗練された高級感あるものに仕上がっている。
ヒンジ部分もこれまでにない設計で、液晶を起こすと、若干ヒンジ部分が持ち上がり、打鍵しやすい角度になる。また、ヒンジ部分にスピーカーを内蔵する。いずれも解像度はフルHD。
グローバルでの発売時期は6月後半。日本での発売時期は明確にされていないが、日本でももちろん発売の予定がある。