イベントレポート

Lenovo、日本でのMotorolaブランドの利用とMoto Xの投入を示唆

Lenovoアジア太平洋地域社長のロードリック・ラピン氏

 Lenovo Group(以下Lenovo)は、本社がある中華人民共和国北京市内において、5月28日に「Lenovo Tech World」と題したプライベートイベントを開催する。

 それに先だってLenovoアジア太平洋地域(日本、韓国、台湾、香港、東南アジア、南アジア、オセアニアなど)向けの記者説明会が5月26日に行なわれ、Lenovoアジア太平洋地域社長のロードリック・ラピン氏は「LenovoはMotorola MobilityとLenovoの2つのブランドを展開しているが、短期的にはMotorola Mobilityが適していると思う」と述べ、日本ではMotorola Mobilityのブランドを利用する考えであることを明らかにした。

 また、日本市場に向けた製品としては「Moto Xなどが成熟市場にとって適した製品だと考えている。Moto Makerと呼ばれる仕組みを利用してユーザーがデザインをカスタマイズできる」と述べ、既に米国などで販売されているMoto Xの製品を日本に投入する可能性が高いことを示唆した。

注目されるLenovoの日本でのスマートフォン参入

 Lenovoにとって、日本はスマートフォンビジネスでは空白区。時期に関しては、レノボ・ジャパンの関係者が2015年に入って、かなり前向きな発言を繰り返しており、投入が2015年であることは間違いない状況になっていた。このため、業界では既に焦点は「いつ」ではなくて、「どのような形」で参入が発表されるのかに注目が集まりつつある。

 ただ、既にレノボ・ジャパンはスマートフォンビジネスに参入していると言っても過言では無い。と言うのも、Lenovoは、2014年にそれまでGoogleの子会社だったMotorola Mobilityを買収した。そのため、Motorola MobilityとGoogleのダブルブランドで販売されている「Nexus 6」は、Lenovo製品であると言ってもいいからだ。ただし、ラピン氏自身も「Nexus 6は、我々がMotorola Mobilityを買収する前から走っていたプロジェクト」としており、Nexus 6はどちらかと言えばGoogle傘下時代のMotorola Mobilityの最後の製品という趣が強い製品となっている。

 日本のユーザーにはほとんど知られていないが、現在Lenovoはグローバル市場において、Apple、Samsungに次いでシェア第3位となっており、今後両メーカーを追い上げるポジションにある。特に世界最大の市場である中国で強く、それ以外にも低価格のスマートフォンが好まれる低価格市場で、大きな市場シェアを持っている。

 逆に言えばハイエンド製品が好まれる成熟市場では知名度も市場シェアもなく、そこをどのように攻めていくのかがLenovoにとっての課題となっていた。そこで、成熟市場で強いブランドネームを持つMotorola MobilityをGoogleから買収し、米国や欧州などではMotorola Mobilityのブランドを利用し、それ以外の成長市場ではLenovoブランドを使って販売していく戦略を展開している。

アジアの成熟市場参入には既存のMotorola製品を投入へ

 今回日本の報道関係者を集めたグループインタビューの中でラピン氏は、日本ではLenovoブランドのスマートフォンは適さないのかという質問に対して「PCの世界でもNEC PCとLenovoのブランドが共存しているように、日本でもMotorola MobilityとLenovoブランドの共存は可能だと思う。しかし、日本の市場では60〜70%が6万円を超える製品となっている。Lenovoブランドの製品には低価格な製品があり、それらを日本の残り30%の市場に向けて投入するのは可能だと思う。だが、それは必要が無いと考えている。そう考えれば、近い将来、Motorolaのブランドが日本市場にはより最適だと思う」と述べ、レノボ・ジャパンが日本のスマートフォンビジネスに参入する際、Motorola Mobilityのブランド名を使う可能性が高いことを示唆した。

 さらに、「既にアジアの成熟市場の戦略は策定済みだ。それはMotorolaのブランドの既存製品を投入していくというものだ。Moto X、Moto G、Moto Eなどがあるが、その中でもMoto XはMoto Makerを利用してデザインをユーザーが変えることができる主力製品となる」と、アジアの成熟市場に進出する際には、Motorolaブランドの既存製品となるMoto X/G/Eなどの製品を利用すると表明した。当然アジアの成熟市場の中には、日本も含まれていると考えられるので、日本でもMoto Xのような製品が販売される可能性が高まってきた。

Motorola Mobilityが米国などで販売しているMoto X(左)とMoto G(右)。これらの製品をもってアジアの成熟市場のスマートフォン市場に参入するとラピン氏(3月のMWCにて撮影)

(笠原 一輝)