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レノボ・ジャパンの代表取締役社長に留目真伸氏が就任

~スマートフォン参入を発表、国内向けサーバー製品は米沢工場生産に

4月1日よりレノボ・ジャパン代表取締役社長に就任する留目真伸氏(左)と、同じくレノボ・ジャパンの現職代表取締役社長でアジアパシフィック地域担当プレジデントに就任するロードリック・ラピン氏(右)

 レノボ・ジャパン株式会社は26日、同社の代表取締役社長に、4月1日付で留目真伸氏が就任すると発表した。現職のロードリック・ラピン氏はアジアパシフィック地域担当プレジデントに就任する。

 留目氏は、レノボ・ジャパンに2006年入社。当初より戦略、オペレーション、製品マネジメント、営業統括などに携わったほか、NECとのジョイントベンチャープロジェクトを統括。その後は戦略担当部門やNECパーソナルコンピュータのコンシューマ事業責任者やレノボ・ジャパンの執行役員専務を兼任している。現職のラピン氏は2008年より7年間、レノボ・ジャパンの代表取締役社長を務めた。

 レノボ・ジャパンが26日に開催した記者会見では初めにラピン氏が登壇。挨拶の中で「さまざまなグローバル企業で経験を積んでいる点を高く評価している」と留目氏への期待を語った。

 また直近の実績にも触れ、2014年第3四半期の売上が31%、利益が3億4,800万ドルに及んだと報告。業績に占めるPCの割合を減らし、収益源の多様化に務めたとしており、好調な業績をアピールした。

ロードリック・ラピン氏
業績に占めるPCの割合を徐々に減らし、収益源の多様化を進めている
今回の人事を含むレノボの役員人事も紹介された

 続いて登壇した留目氏は社長就任にあたって、同社で歴任してきた多くの分野の経験を活かしていきたいとする。「レノボは単に外資系の販社というわけではなく、商品企画から製造、物流までしっかり揃えて、ものを作ることを大事にしている会社。今後もその点は大切にしていきたい」と決意を表明した。

留目真伸氏
コンシューマと法人のそれぞれでコンピューティングの活用が不十分との認識を示した
組織の課題とワークスタイル

 今後については「2020年までに、コンシューマ、法人の両方で、日本のIT活用力を世界最高水準まで引き上げたい」との目標を掲げた。

 「コンシューマに関しては、PCが普及したとしても、まだまだ生活の中にコンピューティングの力を落とし込むところまでは辿り着いていないし、タブレットやスマートフォンも、持ち運べるPCという以上のものにはなっていない。PCベンダーとしてはこの点に向き合って、デジタルライフをお客様の生活の中に浸透させるための取り組みを考え、実行したいと考えている」。

 「法人に対しても同じようなことが言える。現在はコンピューティング技術の進歩に伴って、多種多様な提案が可能になっている。顧客が抱える問題、例えば生産性が上がらない、国際競争力がついてこないといった諸々の問題解決のために、本当に必要なITシステムの提案をしていきたい」。

サーバー製品を米沢工場で生産開始、スマートフォン市場にも参入
生活の質と企業の生産性・国際競争力の向上に必要なICTの提供を目指す
本日のサマリ

 また、留目氏は記者会見の中で、レノボのサーバー製品「System x」の生産を、NECパーソナルコンピュータ株式会社の米沢工場で2015年後半より開始すると発表した。国内で生産を行なうことで、従来2~3週間ほどだった納期が最短5営業日に短縮できる。なお、同じ米沢工場ではThinkPadの生産も行なわれている。

 さらに、スマートフォン市場への参入も表明した。製品の投入時期、仕様、価格など詳細は未定。

 「これまで、コンピューティングデバイスのハードウェアメーカーとしてPC、タブレット、サーバーでビジネスを展開してきたが、これにスマートフォンを加えて、日本市場で最適な商品を提供していきたいと考えている。参入時期はおそらく2015年中盤か後半くらいになるだろう。戦略など詳しくは後日、しかるべきタイミングでお話ししたい」。

(関根 慎一)