イベントレポート

【CES Unveiled編】
続々登場するスマートフォン連携機器とデジタルヘルスの新製品

開催日:2013年1月6日(現地時間)

会場:Mandalay Bay

 1月6日(米国時間)、International CES 2013開幕を翌々日に控えて、恒例の事前展示会「CES Unveiled」が開催された。今年はこれまでのThe Venetianから久しぶりに会場を移すことになり、Mandalay Bayで初めて開催された。

 International CESの一般展示は、企業規模ごとに展示ブースの大きさはさまざまだが、CES Unveiledでは、基本的に出展スペースとなるテーブルの大きさは共通。人気のブースは、開場直後から報道関係者で人だかりになるほどだ。そうした人気の中心は、昨年に引き続いてデジタルヘルス関連と、iOSやAndroidなどのスマートフォンに接続して利用するコンパニオンデバイスで、この傾向はしばらく続きそうだ。特にデジタルヘルスは、各種サービスがクラウドで連携することで、きっかけ次第では市場が急激に拡大する可能性も見込まれる。

 これから1月7日(同)のPress Dayと、同日の夜に併催されるDigital Experienceイベント、そして本会期のスタートによってさらに同一ジャンルの製品の発表が続くものと想像されるが、本稿は写真を中心にCES Unveiledの会場で展示されていた製品の概要を速報する。

 2012年の9月に発表されたAppleのiPhone 5以降に同社のiOSデバイスで採用されているLightningコネクタだが、ようやくサードパーティ側の対応が追いついた形で関連機器が増え始めた。もちろんケースに代表されるアクセサリ類は早々に登場していたが、Lightningコネクタを利用する機能的な機器については、Made for iPhone、Made for iPadなど、Appleによる「MFiライセンスプログラム」を通過した機器が続々と登場してくるタイミングが、2013年のInternational CESと言える。例えば、定番とも言えるバッテリ内蔵のパワージャケットなども、2012年末から少しずつ発表が増え始めている。

米Canopyの「SENSUS」。iOS機器に背面のタッチパネル機能を付加する

 ジャケットタイプで面白いのは米Conopyによる「SENSUS」。バックパネルにあたる部分がタッチセンサーになっており、iPhone5の表面パネルではなく、裏面からさまざまな操作を行なえる。PS Vitaにも搭載されているインターフェイスの1つと言うと、ピンと来る人もいるだろう。

 iPhoneとの接続は30ピンコネクタ、あるいはLightningコネクタを使っており、前述のMFiラインセンスを取得している。Bluetoothなどの無線規格ではなく30ピンやLightningで接続しているのはバッテリ効率面で有利なのだという。実際にどのように利用するかは動画を見てもらった方が早い。

Conopy「SENSUS」のデモンストレーション

 動画後半にあるのは、スマートフォンにおける難点の1つとも言える操作する指先などで一部の画面が隠れてしまうというネックを解消するための提案。シューティングゲームにおける自機の操作を背面から行なうことで、画面を全て見渡せる。タッチ操作に対応するのは、背面と一方の側面。側面部分はメニュー操作などに利用する。

 もちろん、こうしたバックパネル側からの操作を行なうためにはアプリ側での対応も必要になるため、同社ではSDKを提供する形でほかのアプリ開発者にも既存アプリへの対応と、このインターフェイスを有効に活用できるアプリの新規開発を呼びかけていく。すでにサンプルアプリのほかに、いくつか開発の進んでいるアプリもあるとのことだ。こうした準備を進め、最終的な製品の販売は今夏を予定している。

 先行するのは開発が先に進んでいたiPhone 4/4Sに対応する30ピンコネクタのもので、今回のデモはこちらの仕様をもとに行なわれている。LightningコネクタのiPhone 5向けは2013年内を予定しているとのこと。価格は予価で59ドル。現在は米国内に限って事前予約を受け付けている。

 数々の周辺機器を発売するdeximも「PowerSkin for iPhone 5」を発表、展示した。従来モデルより薄くなっているiPhone 5にあわせてか、パワージャケットとしても薄さを強調している。容量は2000mAhで、2013年3月に出荷を見込んでいる。価格は59.99ドル。同社のブースではほかにも、MFiライセンスを取得したLightning対応のユニバーサルドック、スタイラスにもなるハンドセットなどが展示されている。

3月に発売を予定している「PowerSkin for iPhone 5」。容量は2000mAh
Lightnigコネクタに対応するユニバーサルドック。充電と同期が行なえる

 スマートフォンを意識したポータブルな燃料電池「nector」。カートリッジ式の燃料はエタノールを使っており、容量30mlで10~14回程度の充電ができ、約2週間分のスマートフォン充電にあたるとのこと。価格は1個のカートリッジが付いて299ドル。追加のカートリッジは9.99ドルで販売される。安全性の1つの指標としては、旅客機内の手荷物として持ち込みが可能になっているとのこと。

USBによる電力供給で、スマートフォンを主なターゲットにした燃料電池「nector」。手にしているのが、燃料となるエタノールのカートリッジ

 2012年のMobile World Congressでも紹介されていた非常用の電話機「SpareOne」。通電しない場合は最大15年間の保存が可能。使用した場合、リチウム単3形電池1本で最大10時間の通話ができる。SIMなしでも緊急番号には発信ができるほか、任意のSIMを挿入することで、携帯電話としても利用可能。いわゆるサバイバルキットの1つ。

 残念ながら対応している周波数はGSMになるので、日本国内では利用できない。展示されているのは「SpareOne plus」という改良版で、ジオロケーションと通話履歴、メッセージに対応するスマートフォンアプリ、micro SIM/nano SIMのアダプターが付属する。

「SpareOne plus」。ジオロケーションによる情報と、通話履歴、メッセージなどが確認できる

 個人向けの気象観測機「netatomo」。センサーが内蔵された2つのユニットを使って、屋内、屋外の気象状況を判断する。計測するのは空気の汚染度/室温/外気温/気圧/天候/騒音/湿度/二酸化炭素濃度/天候。収集されたデータは、iOS/Android端末を使って屋内、屋外をそれぞれモニターできる。クラウド連携も可能で、設置点を公開している場合はほかのエリアの設置点の状況もピンポイントでわかる仕組み。広域情報ではわからない気象情報を手に入れることができる。

「netatomo」は個人向けの気象観測機。気象台発表のある程度広いエリアの情報ではなく、自宅を設置点としてさまざまな気象条件をモニターすることができる

 2012年に日本国内でも出荷された「AR.Drone2.0」の追加パーツ。元々、USBメモリを装着することで、Ar.Drone視点の映像記録をサポートしていたが、GPSを搭載する純正品のUSBドングルを発表。4GBのメモリもあわせて内蔵されており、映像と同時に位置情報の記録ができる。また、容量の増えた交換バッテリも登場して、連続飛行時間が増加する。

AR.Drone2.0用の追加ユニット。映像と一緒に位置情報の記録もできるGPS搭載のUSBドングルと、容量がアップした交換バッテリ

そのほかのスマートフォン/デジタルヘルス関連機器

uNu ElectronicsのiPhone5用パワージャケット。Lightningコネクタに対応するほか、背面側にLEDでさまざまな情報を表示させることができるアプリと連携する
Bluetooth2.1対応のハンドセット。「Music Talking Stylus」
Griffin TechnologyのPowerDock 5。5台の機器を同時充電できる充電台。同社のSurvivor caseを使った場合でもそのまま利用できる幅で設計されている
「Crayola Light Marker for iPad」。非接触の光るポインタでお絵かきができる児童向けのスタイラス
ヘビーデューティな使用に耐えるSurvivorシリーズに対応する3.5mm径のケーブルも加わった
IONのDJコントローラ「iDJ2GO」。Lightningコネクタに対応する
電気を使わずに、いわゆるホーン式でiPhone、iPadなどの音量を増幅するkubxlab社の「Ampjacket」。iPad向けは中央のホールが指をかけるグリップの役割も果たす
Wi-Fiボディスケールや血圧計などさまざまなデジタルヘルス製品を出しているWithingsの活動量計「Smart Activity Tracker」。歩数はもちろん、階段の上り下りや移動距離などから消費カロリーを計算したり、心拍モニター、睡眠時間や睡眠品質もモニターできる。Bluetoothでスマートフォンへ自動的にデータを記録するほか、同社製品やほかのデジタルヘルス製品ともクラウド連携ができる
指先で心拍、動脈の酸素飽和度を測るパルスオキシメーター「iSpO2」はMasimo社の製品。医療機関などでも利用されているセンサー部分のインターフェイスにiOSの30ピンコネクタを利用して、個人向けにモニターと記録ができるようになっている
航空機の利用ではありがちなロストバゲッジを防ぐユニット「Trackdot Luggage」はGlobatrac社の製品。預け入れ荷物のなかに入れて使用する。荷物の位置情報はユーザーのスマートフォンなどで把握できるが、このユニットと端末が直接接続しているわけではなく、運航記録をもとにサーバー上で管理される仕組み。そのためユニット売りきりではなく、使用料が必要になる

(矢作 晃)