イベントレポート
【CES Unveiled編】
続々登場するスマートフォン連携機器とデジタルヘルスの新製品
(2013/1/8 00:00)
1月6日(米国時間)、International CES 2013開幕を翌々日に控えて、恒例の事前展示会「CES Unveiled」が開催された。今年はこれまでのThe Venetianから久しぶりに会場を移すことになり、Mandalay Bayで初めて開催された。
International CESの一般展示は、企業規模ごとに展示ブースの大きさはさまざまだが、CES Unveiledでは、基本的に出展スペースとなるテーブルの大きさは共通。人気のブースは、開場直後から報道関係者で人だかりになるほどだ。そうした人気の中心は、昨年に引き続いてデジタルヘルス関連と、iOSやAndroidなどのスマートフォンに接続して利用するコンパニオンデバイスで、この傾向はしばらく続きそうだ。特にデジタルヘルスは、各種サービスがクラウドで連携することで、きっかけ次第では市場が急激に拡大する可能性も見込まれる。
これから1月7日(同)のPress Dayと、同日の夜に併催されるDigital Experienceイベント、そして本会期のスタートによってさらに同一ジャンルの製品の発表が続くものと想像されるが、本稿は写真を中心にCES Unveiledの会場で展示されていた製品の概要を速報する。
2012年の9月に発表されたAppleのiPhone 5以降に同社のiOSデバイスで採用されているLightningコネクタだが、ようやくサードパーティ側の対応が追いついた形で関連機器が増え始めた。もちろんケースに代表されるアクセサリ類は早々に登場していたが、Lightningコネクタを利用する機能的な機器については、Made for iPhone、Made for iPadなど、Appleによる「MFiライセンスプログラム」を通過した機器が続々と登場してくるタイミングが、2013年のInternational CESと言える。例えば、定番とも言えるバッテリ内蔵のパワージャケットなども、2012年末から少しずつ発表が増え始めている。
ジャケットタイプで面白いのは米Conopyによる「SENSUS」。バックパネルにあたる部分がタッチセンサーになっており、iPhone5の表面パネルではなく、裏面からさまざまな操作を行なえる。PS Vitaにも搭載されているインターフェイスの1つと言うと、ピンと来る人もいるだろう。
iPhoneとの接続は30ピンコネクタ、あるいはLightningコネクタを使っており、前述のMFiラインセンスを取得している。Bluetoothなどの無線規格ではなく30ピンやLightningで接続しているのはバッテリ効率面で有利なのだという。実際にどのように利用するかは動画を見てもらった方が早い。
動画後半にあるのは、スマートフォンにおける難点の1つとも言える操作する指先などで一部の画面が隠れてしまうというネックを解消するための提案。シューティングゲームにおける自機の操作を背面から行なうことで、画面を全て見渡せる。タッチ操作に対応するのは、背面と一方の側面。側面部分はメニュー操作などに利用する。
もちろん、こうしたバックパネル側からの操作を行なうためにはアプリ側での対応も必要になるため、同社ではSDKを提供する形でほかのアプリ開発者にも既存アプリへの対応と、このインターフェイスを有効に活用できるアプリの新規開発を呼びかけていく。すでにサンプルアプリのほかに、いくつか開発の進んでいるアプリもあるとのことだ。こうした準備を進め、最終的な製品の販売は今夏を予定している。
先行するのは開発が先に進んでいたiPhone 4/4Sに対応する30ピンコネクタのもので、今回のデモはこちらの仕様をもとに行なわれている。LightningコネクタのiPhone 5向けは2013年内を予定しているとのこと。価格は予価で59ドル。現在は米国内に限って事前予約を受け付けている。
数々の周辺機器を発売するdeximも「PowerSkin for iPhone 5」を発表、展示した。従来モデルより薄くなっているiPhone 5にあわせてか、パワージャケットとしても薄さを強調している。容量は2000mAhで、2013年3月に出荷を見込んでいる。価格は59.99ドル。同社のブースではほかにも、MFiライセンスを取得したLightning対応のユニバーサルドック、スタイラスにもなるハンドセットなどが展示されている。
スマートフォンを意識したポータブルな燃料電池「nector」。カートリッジ式の燃料はエタノールを使っており、容量30mlで10~14回程度の充電ができ、約2週間分のスマートフォン充電にあたるとのこと。価格は1個のカートリッジが付いて299ドル。追加のカートリッジは9.99ドルで販売される。安全性の1つの指標としては、旅客機内の手荷物として持ち込みが可能になっているとのこと。
2012年のMobile World Congressでも紹介されていた非常用の電話機「SpareOne」。通電しない場合は最大15年間の保存が可能。使用した場合、リチウム単3形電池1本で最大10時間の通話ができる。SIMなしでも緊急番号には発信ができるほか、任意のSIMを挿入することで、携帯電話としても利用可能。いわゆるサバイバルキットの1つ。
残念ながら対応している周波数はGSMになるので、日本国内では利用できない。展示されているのは「SpareOne plus」という改良版で、ジオロケーションと通話履歴、メッセージに対応するスマートフォンアプリ、micro SIM/nano SIMのアダプターが付属する。
個人向けの気象観測機「netatomo」。センサーが内蔵された2つのユニットを使って、屋内、屋外の気象状況を判断する。計測するのは空気の汚染度/室温/外気温/気圧/天候/騒音/湿度/二酸化炭素濃度/天候。収集されたデータは、iOS/Android端末を使って屋内、屋外をそれぞれモニターできる。クラウド連携も可能で、設置点を公開している場合はほかのエリアの設置点の状況もピンポイントでわかる仕組み。広域情報ではわからない気象情報を手に入れることができる。
2012年に日本国内でも出荷された「AR.Drone2.0」の追加パーツ。元々、USBメモリを装着することで、Ar.Drone視点の映像記録をサポートしていたが、GPSを搭載する純正品のUSBドングルを発表。4GBのメモリもあわせて内蔵されており、映像と同時に位置情報の記録ができる。また、容量の増えた交換バッテリも登場して、連続飛行時間が増加する。