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マウス、飯山工場で第6回目の「親子パソコン組み立て教室」を開催

マウスコンピューターの飯山工場は、北陸新幹線の飯山駅開業で首都圏との距離が一気に縮まった

 マウスコンピューターは、7月25日、「2015年度 親子パソコン組み立て教室」を、長野県飯山市の同社飯山工場で開催した。

 今年で6回目となる同組み立て教室は、小学校6年生の親子を対象に実施しているもので、当初は20組40人を定員としていたが、応募が殺到したため、急遽定員を30組60人に拡大。午前と午後の2回に分けて開催した。今年3月に、飯山工場の最寄りに北陸新幹線飯山駅ができたこともあり、鉄道を使って参加する親子もいた。

 挨拶したマウスコンピューターの小松永門社長は、「スマートフォンやタブレットでよく見ている動画などは、PCで編集していることが多い。大人になって、社会に出ると、必ず仕事でPCを使うことになる。今日は、PCはこういう風にできているんだということを学んで欲しい。そしてPCを好きになって欲しい。また、ものづくりの楽しさも体験して欲しい」と挨拶した。

 飯山市の足立正則市長は、「PCに触る機会はあっても、組み立てる機会はなかなかない。マウスコンピューターの組み立て教室は、夏休みに親子でPCを組み立てる場として、既に何回も開催している。自分のPCをがんばって組み立てて欲しい。飯山市は自然が豊かだが、こうしたハイテクの企業もある。今後も飯山市をよろしくお願いしたい」などとした。

 また、午後の部で挨拶した飯山市役所経済部・山崎美典部長は、「これからの時代はPCやネットワークが必要になる。今日の経験を活かして欲しい。また、北陸新幹線が開通して便利になったので、これを機にまた飯山市に足を運んで欲しい。新幹線も便利だが、車も渋滞しない」などと語り、会場からは笑いが漏れた。

 組み立て教室には、30組60人の親子のうち、男子24組、女子6組。飯山市内からの参加が6組。東京、埼玉、神奈川といった首都圏や、愛知、三重、岐阜といった中部圏、群馬、静岡、石川県からも参加があったという。

親子パソコン組み立て教室が行なわれた長野県飯山市の飯山工場
なぜか取材陣も気合を入れる。ASCII.jp、マイナビニュース、ITmediaの取材チームと小松社長
挨拶するマウスコンピューターの小松永門社長
飯山市の足立正則市長も駆け付けた
午後の部で挨拶した飯山市役所経済部・山崎美典部長

 午前9時から開始した第1組目の組立教室では、全員が集合し、主催者の挨拶の後、9時15分から工場見学を行ない、同時に、部品エリアにおいて、この日組み立てるPC用のパーツをピックアップ。同工場で、実際に使用しているデジタルピッキング方式を活用しながら、バーコードで製造指示書を読み取り、ランプが点灯した棚から必要な部品を取り出して、教室に持ち帰った。

 工場見学では、1台ずつ異なる仕様のPCを組み立てていることや、機能検査や負荷試験など、数多くの検査工程によって高い品質を実現していることが、生産ラインを前にして説明された。

工場見学の様子。同社の品質管理の徹底ぶりと効率性の高さに高い関心が集まった
工場内に置かれている本体ケースの在庫
組み立て教室当日は土曜日で生産ラインはお休み。1人で組み立てるセル方式を採用
エージングゾーンでは全量が試験される
試験を行なっている様子
出荷を待つ完成品
工場見学の際には、Windows PhoneのMADOSMAの荷姿を発見

 工場見学の後、実際の組み立てを開始した。組み立てるのは、それぞれに参加者自らが欲しい仕様とした製品。PCメーカーが主催するパソコン組み立て教室の場合、基本的には全員で1つのモデルを組み立てるという仕組みだが、マウスコンピューターでは、参加者それぞれに異なるPCを組み立てる仕組みを採用。これも個別仕様に対応できるマウスコンピューターの強みだ。

 30組の親子が組み立てたPCのうち、ノートPCが22組、デスクトップPCが8組となった。また、デスクトップPCでは、全員がSSDとHDDのハイブリッドモデルを選んでおり、「当社が提案しているハイブリッドハードディスクの考え方が浸透していることの証と捉えている」(同社)などとした。

 今回の組み立て教室では、製品代金の3割引きの価格で組み立てることができた。

 組み立ての様子を写真で見てみよう。

組み立て教室の校長は、マウスコンピューターの橋立氏が務めた
マウスコンピューターの社員が2組に1人ついて組み立てをサポート
サポーターが参加者に挨拶して、いよいよ組み立て教室をスタート
15組が参加した午前中の組み立て教室の様子
作業に使用する工具など
ロゴマークを正確な位置に貼るための治具
製造指示書にはそれぞれ個別の情報が記載されている
製造指示書をバーコードで読み取る
デジタルピッキングにより、必要な部品を集める
参加者によって集められた部品
デスクトップPCのケース
こちらはノートPCを組み立てる参加者の部品
それぞれに組み立てるPCが異なるため、マニュアルの表紙は同じでも、中身はそれぞれに異なる
まずは手袋と静電気防止のバンドを装着
いきなりCPUの取り付けという難関からスタートする参加者も
ノートPCはファンの取り付けからスタート。細かい配線が続く
デスクトップPCのCPUファンはノートPCとはサイズが違う
ファンを装着する前にはCPUグリスを塗る作業も行なう
デスクトップPCのマザーボードに各種部品を組み込む
最初は慣れなかったドライバーも、組み立てが進むにつれて手慣れていく
兄弟2人がかりで取り組む参加者も
本体にマザーボードを組み込む
デスクトップPCは大型部品の組み込みが続く
一方でノートPCは細かい部品が多い。無線LANモジュールの組み込み
デスクトップPCへの光学ドライブユニットの組み込み
ノートPCの光学ドライブユニットはスリム化したもの
こちらはノートPCへのハードディスクの組み込み
デスクトップPCでは、ノートPCとは違った意味で配線がたいへん
デスクトップPC本体にGPUを搭載する
ノートPCにメモリを装着する
部品の組み込みがほぼ完了したノートPC
デスクトップPCも組み込みが完了
ノートPCは、ケースをパチンというまではめ込んで完成へ
デスクトップPCも前面カバーをパチンというまで押し込む
最後にカバーを取り付けて完成だ
今回は新たにネームプレートを用意。自由な名前を入れることができた
ピンセットを使用してシールを貼る
mouse computerのロゴは治具を使って曲がらないように正しい位置に配置
転写させる形で本体に貼り付けることができる
組み立てが完成した人から電源を入れて、全員が無事に起動した
完成後にはテストプログラムを実行し、動画DVDの再生などの試験を行なった
組み立ての最中には小松社長が各テーブルを回って作業の様子を見つめていた
参加者全員に組み立て教室修了証書が手渡された
最後に梱包をして全員が持ち帰ることができた
全員での記念撮影

 一方、同時開催された「飯山工場・訳ありセール」には、23日夜から並んだ人を先頭に、午前6時30分の時点で130人が列を作るという状況。午前7時30分には250人に達したこともあり、当初予定の午前8時のオープン時間を10分前倒しとし、午前7時50分にセールを開始。先頭に並んだ人は、この日最大の目玉と言われたCore i7-4770Kプロセッサ、32GBメモリ、RAID 0 1TB SSD×2、2TB HDD、GeForce GTX 780 Ti、22倍DVDスーパーマルチドライブ搭載のハイエンドゲーミングPCを、76%引きの13万円で購入していった。

 午前8時過ぎには、当初予定していた300枚の入場整理券の配布が完了。午前9時30分頃には、ほとんどの製品が売り切れの状況となった。

毎年夏の恒例となっている「訳ありセ―ル」。今年で8回目だ
「訳ありセール」の入場整理券の配布
配布された入場整理券
いよいよ「訳ありセール」がスタート。既に250人が列を作っていた
炎天下のなか早朝から多くの人が並んだ
オープン直前の「訳ありセール」会場の様子
これが限定1台のハイエンドゲーミングPC。76%引きで販売した目玉製品
タブレットPCも数多く用意された
ノートPCも数多く目玉品を用意
デスクトップPCの展示品コーナー
訳ありセールの会場はあっという間に人で一杯になった
多くの目玉商品を手に入れる人の姿も
次々と売れていく目玉商品の数々
セール開始から1時間半でノートPCは完売となった
今回新たに用意されたドリンクコーナー。暑さ対策にもうれしいサービス

 組立教室および訳ありセール終了後、本誌の取材に応じたマウスコンピューターの小松社長は、「今年もたくさんの方々に来ていただき感謝している。北陸新幹線が開通し、飯山工場にも訪れやすくなったことも影響しているのではないだろうか。子供が熱中して、真剣に組み立てている姿に感激した。来年も引き続き開催したい。

 また、このノウハウを活かして、注文したPCを自分で組み立てることができる組立ワークショップというサービスも開始している。これによって、一般の方々にも、飯山工場で組み立てていただけるようになっている。組立教室や訳ありセールは、地元への貢献であり、地元のコミュニティの一員としての役割とも考えている」とする一方、「訳ありセールは、毎年多くの方々にご参加いただいており、今年は入場整理券を配布する格好を取った。朝早くから並んでいただくことはありがたいが、これが過熱しすぎるといろいろと問題も起こり、長い時間並んでいただくという点で心苦しくもある。来年は抽選方式による開催も検討したい」などとした。

組み立て教室終了後、本誌の取材に応じてくれた小松社長

(大河原 克行)