ニュース

レノボ、「ThinkPad Helix」の技術などを紹介

ThinkPad Helix
4月9日 開催

 レノボ・ジャパン株式会社は9日、着脱式Ultrabook「ThinkPad Helix」の発表会を都内で開催した。

 冒頭、レノボ・ジャパン 製品事業部 部長の仲西和彦氏がコンセプトと戦略を紹介。同社のコンセプトとして「PC+」を掲げ、インフラの発展やクラウドコンピューティング、仮想化、ペーパーレスなどPCを取り巻く環境が大きく変わってきた中で、「明日を見据えて変わっていく世の中に応じたPCを開発してきた」と説明。「現在はPCだけでなくタブレットやスマートフォンなど情報端末が増え、1人のユーザーが複数のデバイスを使い分けており、状況に応じたデバイスを提供していくのが重要」だとした。レノボとしてそれに応えるため、パーソナルデバイスに必要なものは何かを考え注力してきたこと、さまざまな製品でイノベーションを追求してきたことが2つの柱で、Helixはその象徴になる製品だという。

レノボ・ジャパン 製品事業部 部長 仲西和彦
「PC+」をコンセプトに変化を先取りしてきたという
レノボが開発してきたユニークな製品群

 続いて、レノボ・ジャパン ThinkClient ブランドマネージャーの土居憲太郎氏が製品説明を行なった。製品の詳細は関連記事に詳しいのでそちらを参照していただきたい。

レノボ・ジャパン ThinkClient ブランドマネージャー 土居憲太郎氏
ThinkPad HelixはタブレットとUltrabookのいいとこ取り
タブレットのスペック
Ultrabookでのスペック
新しい「5ボタンクリックパッド」
オプション類。デジタイザーペン、ACアダプタ、トラックポイント用キャップ、保護フィルムは専用

 最後に、ThinkPad Helix開発責任者のレノボ・ジャパン PMP製品開発統括担当 ノートブック製品開発 伊藤貴志子氏が技術説明を行なった。

 Helixはクラムシェル、タブレットの2つのユースケースを想定して開発されたという。その中で着脱式を採用し、液晶側を表裏逆に取り付け「タブレット+」モードと「スタンド」モードを合わせて4つのフォームファクタで運用できる。これらの形状に合わせた最適な性能にするため、「Configurable TDP」(cTDP)を採用。Ultrabook向けの超低電圧版第3世代Coreプロセッサは、通常17Wだが、特定のレジスタを設定することでTDPを変化させている。Helixでは、タブレットが10W、タブレット+モードとスタンドモードが13W、クラムシェルが17Wに設定されている。

 充電の順番もユーザーの行動をもとに配慮した機構を採用。タブレット単体での充電、キーボード単体での充電に対応。合体時にはAC接続なしでもキーボード側からタブレット側へ充電し、使用するのはキーボード側から、キーボード側がバッテリ切れの場合はタブレット側から給電してキーボードを利用できる。AC接続の際にはタブレット側を優先して充電する。

レノボ・ジャパン PMP製品開発統括担当 ノートブック製品開発 伊藤貴志子氏
cTDPによって形状に合わせて性能を調整
ユーザーの行動に合わせた充電動作

 次に内部構造5つのポイントを紹介した。ドッキングと制御技術は、タブレット側、キーボード側それぞれにエンベデッドコントローラを内蔵。バッテリ駆動や充電などを含む電源管理、ファンやデバイス系の管理を行なう。I2C BUSはエンベデッドコントローラ同士のコマンド制御、キーボード制御を行ない、接続用のドックコネクタがI2C BUSおよびUSB、DisplayPort、PS/2、SMBusなどの通信を行なう。タブレット側がキーボードとポインティングデバイスを持たず、キーボード側がPnPデバイス扱いとなるため、このような構造をとっているという。

 冷却技術については、11.6型の筐体にIvy Bridgeを載せたので冷却が大切だとし、タブレット内にメインのファン1つ、キーボード側に2つの補助用ファンを搭載。タブレット状態では1つのファンによる排気だけだが、合体時はキーボードの繋がる位置の中央に補助ファンがあり、冷気を送り込む。これによりクラムシェルでTDP 17Wで動作可能にした。

 液晶が表裏逆のモードでTDPが13Wと低く設定されているのは、タブレット側の背面全体がヒートシンクのようになっており、タブレット+モードではそれがキーボードでふさがれ空気に触れる面積が小さくなってしまうため。ファンの形状やアルゴリズムの最適化により、静音性は従来のThinkPadシリーズと同等だという。

エンベデッドコントローラをタブレット、キーボードそれぞれに搭載
冷却機構はタブレット本体、キーボードにそれぞれファンを内蔵
ファンとヒートパイプの詳細

 3つ目がユーザビリティ重視の機構について。今回のHelixは液晶側にメインコンポーネントを搭載しているため、どちらかというと“頭でっかち”の構造になっている。後側にヒンジを持ってくると倒れやすくなるため、少し手前側にしている。そのさらに後側にカバー部分を実装。液晶を開いた状態で補助ファンが空気を取り込みやすいように、カバーと液晶側が連動して動くように設計したという。

 タブレット側を取り外す際には、左側のボタンを押して取り外すようになっているが、左右どちらでも持ち上がるようなロック機構になっているほか、左右で支えるツメのようなドッキングガイドも取り外しやすい円弧の形になっている。

倒れないように設計したヒンジとファンカバー
着脱も簡単にできるよう設計

 新たに採用した5ボタンクリックパッドは、トラックポイントとタッチパッドの組み合わせの利点を継承しつつ、操作できる面積(高さ方向)を拡大した。従来の3ボタン+タッチパッド+左右クリックからタッチ操作できる範囲が25mm広がっている。ボタンの機構としては、中央にドーム型スイッチがあり、ボタンを傾けられるよう押せる位置があいたメタルブラケットを入れ、クリック感はバネによって実現した。

縦方向に広がった5ボタンクリックパッド
5ボタンクリックパッドの構造

 4つ目はセキュリティ機構。液晶側が取り外せなくなるケンジントンロック対応のセキュリティスロットは、引っ張り出した際にストッパーが下り、イジェクトレバーが押せない仕掛けになっている。

 5つ目は堅牢性。タブレット本体カバー、キーボード側のカバーにマグネシウム合金とプラスチックのハイブリッド機構を採用。アンテナ類やNFCの部分はプラスチックになっている。キーボードのフレームも薄さを補強するためマグネシウム合金を使っている。ヒンジ左右のツメのようなドッキングガイドは亜鉛合金でヒンジと一体化されている。後側のカバーの素材はPC ABS。背後にペラペラとついているものなので、しなりがあり、割れないものを採用。無理な力がかかった場合は取れやすい構造になっており、ユーザーが簡単に元に戻せる、壊れにくい素材にした。

 信頼性試験は、タブレット、Ultrabook、ドッキングそれぞれレノボの基準が設けてあり、Helixではすべてを実施。タッチパネルに金属ボールを落とす耐久試験では、他社製品と比べて遙かに頑丈であったという。

 今回の製品はこれらの技術に支えられ、ThinkPad基準を満たしつつ、まったく新しい製品に仕上がっている。

タブレット側が外せなくなるセキュリティスロット
筐体はマグネシウム合金を多用。電波用はプラスチック、一部でしなる素材を採用
タブレット、Ultrabookなどそれぞれの試験を実施
タッチパネルの試験結果

Ultrabook形状
タブレット状態
液晶を表裏逆に装着した状態
そのままスタンドモード
閉じるとタブレット+モード
さまざまなオプション。ACアダプタ、トラックポイント用キャップなどは専用
タブレット本体の内部。左側のスペースにバッテリが入る
こちらは液晶とタッチパネル側
キーボード側のボトムケース
分解モデルのキーボード側の補助ファンとドッキングコネクタ周辺
タブレット底面のインターフェイスとドックコネクタ類
右側面に音声入出力、ボリュームなど
ドッキングコネクタとヒンジ全景
キーボード側は背面にインターフェイスを装備
日本語キーボード全景

(山田 幸治)