【フォトレポート】Acer北京発表会で展示された電子書籍端末やDMAなど

LumiRead

5月27日(中国時間)発表



 本レポートでは先日北京でAcerが開催した製品発表会で、展示やデモされた製品を写真を中心に紹介していく。なお、多くの製品が参考展示であり、詳細なスペックが公開されていないほか、日本での発売はいずれも現時点では未定となる。

●電子書籍端末「LumiRead」

 LumiReadは6型の電子ペーパーを採用した電子書籍端末。現時点では第3四半期より順次、米国、ドイツ、中国において出荷開始される。書籍については、米国では100万冊を取りそろえるBarnes & Nobles、ドイツでは400万冊を取りそろえるLibri.de、中国ではFounderと提携しており、内蔵の無線LANあるいは3Gを使い、オンラインで購入、ダウンロードができる。フォーマットはEPUBのほか、PDFやJPEG、HTMLなどにも対応する。

 この製品も、PC版などと全く同じわけではないようだが、ユーザーインターフェイスには同社独自のclear.fiを採用しており、直感的に操作、アクセスできるようになっているという。さらにDLNAにも対応しており、他のclear.fiデバイスに保存された電子書籍を読むこともできる。

 ストレージは2GBのフラッシュメモリで、最大約1,500の書籍を保存可能。ブラウザも内蔵しており、一般のWebページにアクセスし、その情報も保存できる。また、microSDカードスロットを搭載し、カード内のコンテンツも表示できる。

 非常にユニークな点として、本体背面に小型のカメラを内蔵しており、これにより紙の書籍のISBNコードをスキャンし、Web上でその書籍の情報を調べることができる。

 本体サイズは実測値で118×208×10.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量は270g。バッテリ駆動時間は待機時間が約3週間、閲覧時は約8,000ページのリフレッシュができる。

本体下部にQWERTYキーボードやカーソルキーなどを装備側面にmicroSDカードスロットとSIMスロット。ただし、SIMスロットは封がされる場合もある
背面上部に小さなカメラがあるこれを使って書籍のISBNをスキャンできる。

●家庭向けメディアプレーヤーのRevoファミリー

 同社はメディア再生向けの超小型デスクトップPC「AspireRevo」を2009年に発売したが、このたびマルチメディア向け小型製品のブランドとして「Revo」シリーズが立ち上げられるとともに、TVに繋いで各種メディアファイルを再生するデジタルメディアアダプタ(DMA)がラインナップに追加された。

 「Revo」は、薄型光学ドライブを2段に積んだ程度の非常にスリムなDMA。TVとはHDMIで接続。本製品もclear.fiに対応し、他のデバイスと同様のユーザーインターフェイスを持ち、ネットワーク経由で他のclear.fiデバイスに保存されたコンテンツも再生できる。また、光学ドライブも内蔵する。

 独創的なのが、本体に内蔵されたインターフェイスパッドの「RevoPad」。薄型光学ドライブ程度のサイズをしており、本体から取り出せる。表面はタッチパッドになっており、バックライトをオンにするとQWERTYキーボードが浮かび上がり、Revoに対して文字入力が行なえる。オフの時は、マルチタッチ/ジェスチャーに対応した無線タッチパッドとして機能する。また、本体の横にはボリューム調節用のダイヤルも装備する。RevoPadは、ユーザーを別途キーボードを用意する必要や、一般的なリモコンのカーソルキーだけの操作から解放する、おもしろいアイディアだ。

Revo。光学ドライブを内蔵しながらも薄型のデザインRevoのclear.fiのユーザーインターフェイス(左)はPC版(右)とほぼ同じことが分かる
操作には、本体に内蔵されたRevoPadを取り出して利用無線タッチパッドおよびキーボードとして機能する背面には、Ethernet、HDMI、USB、S/PDIFなどを装備

 「RevoView」はRevoとは異なるタイプのDMA。こちらもEthernet端子を持ち、ネットワーク経由でコンテンツ再生が可能と思われるが、資料によるとUSBに光学ドライブ、HDD、マスストレージデバイスなどを繋ぎ、それらを簡単に再生できるとされている。

 特徴としては、HDDカートリッジを内蔵し、HDDを内蔵できる点。このカートリッジは、今回名称が「Aspire easyStore」から「RevoCenter」に変更されたホームサーバーや、デスクトップPC「Aspire M」シリーズと共通化されており、場所/機器を移してHDD内のコンテンツを再生できる。TVとのインターフェイスはHDMIとコンポーネント、Sビデオ。

RevoView背面にはEthernet、HDMI、コンポーネント、Sビデオ、USB 2.0などを装備
カートリッジを使ってHDDを内蔵可能実用的かは分からないが、カートリッジは同社のNASや一部のデスクトップPCでも使える

●そのほか

 そのほか、天板のロゴが一新された「Aspire one」や、Core i5-520UMを搭載する「Timeline X」なども展示された。

背面のロゴが新しい「Aspire one」このモデルはCPUにAMDの超薄型ノート用「AMD V105」を搭載Core i5-520UM、メモリ4GB、WXGA液晶、320GB HDDを搭載する「Timeline X」
Aspireのピュアタブレット機偏光スクリーン/メガネを使う3Dノート。発表は去年されているスマートフォンも各種展示されたがclear.fiのものは見当たらなかった

(2010年 5月 28日)

[Reported by 若杉 紀彦]