インテル、Core製品でライフスタイルの変革を推進

新2010インテルCoreプロセッサー・ファミリー

1月25日 開催



 インテル株式会社は25日、パートナー向けのプライベートイベント「インテル・フォーラム2010」を開催した。イベントでは、インテルのCPUを利用することで消費者に与えるライフスタイルの変化を紹介するとともに、PCメーカー各社が製品展示を行なった。

●ライフスタイルに変革を
インテル代表取締役社長 吉田和正氏

 イベント冒頭の基調講演では、同社代表取締役社長の吉田和正氏が、半導体の進化に伴う消費者のライフスタイルの変化を説明した。

 同氏は、まず急激に変化したインターネット環境を挙げ、「Twitterやmixiなどのコミュニケーションツールの登場、デジタルカメラやフルHDムービーカメラなどの登場による高精細コンテンツの増加、そしてオンラインバンキングの増加により、人々の生活はよりインターネットが必須になってきている」と説明する。

 その中でも例えばYouTubeやニコニコ動画などの動画コンテンツは、「3年前や5年前では考えられないほど普及しており、消費者は生活において、インターネットの価値観を持つようになった」とする。

 インターネットを利用するユーザー数は、2009年で全世界で17億3,400万人になっており、このうちの4分の1がソーシャルネットワークに参加しているという。一方、動画や写真共有サービスの利用率も増え、コンテンツを発信する機会も増えたとした。

 吉田氏は、「これらを可能にしたのは、PCというプラットフォームの革新があったからこそだ。今後もPCというプラットフォームがライフスタイルの中心であり続けたいと思っており、PCを常に革新することで、常に新しい利用形態を提案し、感動的なライフスタイルを実現していきたい」と説明した。

多様化するライフスタイルインターネット人口の増加mixiやTwitterなどの新しいコミュニケーション手段
コンテンツの高品質化利用形態の変化

●新2010インテルCoreプロセッサー・ファミリーのメリット

Coreプロセッサー・ファミリーで25製品を用意、すでに世界で600以上の搭載製品が発売/予定されている

 2010年のPC市場を支えるのは、Coreプロセッサー・ファミリーの3製品であると強調。プロ向けにはCore i7、スタンダード向けにはCore i5、そして廉価な製品としてCore i3という幅広い製品ラインナップを用意するとした。

 ビジネス向けのメリットとしては、TCO削減、高い電力効率と性能、そして強固なセキュリティを提供し、生産性向上につなげていけるとした。

 社会のインフラとしてのメリットとしても、ネットワークルーターやPOS端末、車載機器などにも展開していくことで、インターネットやネットワークの接続性を改善し、消費者の生活における利便性を向上させたいとした。

 環境への配慮といった面においても、「プロセッサの性能向上と消費電力の改善を自動車の燃費に当てはめると、過去40年の進化で、1Lあたり4万km走行できるに相当する効率を実現している」とした。

ビジネスにおけるメリット組込み向けにも展開し、ライフスタイルに結びつく部分でユーザー体験を向上させる低消費電力への貢献

 高い性能と低消費電力を両立させる技術として、負荷時だけ自動的にオーバークロックして性能を向上させるTurbo Boostテクノロジーと、1つのコアで2スレッドを仮想的に実行するHyper-Threadingテクノロジーを挙げ、デモで実際の利用における効果を見せた。

 吉田氏は、「3年前のCore Duoプロセッサー搭載PCと比較して、音楽データの変換で1.9倍、写真編集で2.1倍、ビデオ編集で3.2倍性能が向上している。新しいプロセッサーで、新しいライフスタイルが生まれるだろう」とアピールした。

必要時に自動的にオーバークロックして性能を向上させるTurbo Boostテクノロジー1つのコアで仮想的に2スレッドを同時実行するHyper-Threadingテクノロジー写真処理などにおいてのTurbo Boostの有用性
実利用におけるTurbo Boostの効果をアピール写真処理をする際に自動的にオーバークロックされる3年前のPC、Core Duo搭載製品との性能比較

 ゲストスピーカーとして招かれた慶応義塾大学 大学院 政策・メディア研究科の金子郁容教授は、「PCを利用するのは若者が中心だとされているが、我々の調査によれば、遠隔医療にPCの技術を応用することで、高齢者のライフスタイルにも変化が生まれた。少子化社会の中で、PCを活用することで生産性を上げるのももちろん重要だが、今後は高齢化社会におけるPCの重要性にも着目し、展開していかなくてはならない。そして、日本は既にインフラが進んでいるので、あと一歩、二歩先に進むだけで、ライフスタイルに変革がもたらされるだろう」と語った。

慶応義塾大学 大学院 政策・メディア研究科の金子郁容教授ワイヤレスブロードバンドの重要性

 吉田氏は、「インターネットによってライフスタイルを変化させるためには、ワイヤレスブロードバンドの普及も欠かせないと思っている。UQ WiMAXが本日で、400の市町村においてWiMAXが利用可能になったと発表したが、これをさらに広めなければならないだろう」とした。

 最後に吉田氏は、「今後も最新のテクノロジーを世の中に広めていき、消費者のライフスタイルに変革を与えていきたい」とし、講演を締めくくった。

 講演後、パートナー各社が登壇し、Coreファミリーの成功と普及を祈って記念撮影を行なった。また、展示ブースでPCメーカー各社の製品を一斉に展示し、Coreファミリー搭載PCの幅広いラインナップをアピールした。

登壇したパートナー各社の代表CPUとGPUを1パッケージに収めたCore i5/i3プロセッサー32nmプロセスで製造されたダイ
ASUSTeKの「K52F」。参考展示。タッチパッドはマルチタッチ対応だが、手のひらなど広い面積には反応しないタイプ日本ヒューレット・パッカードは未発表のノートPCを参考展示た。ポインティングデバイスとしてスティックタイプのものを搭載している日本ヒューレット・パッカードのCore i5搭載デスクトップとノート
パナソニックのLet'snote F/R/Sシリーズ。本日発表されたものアプライドのブースNECのブース。左から「LaVie L」、「VALUESTER N」、「同W」
エプソンの「Endeavor MR4000」オンキヨーのCore i7搭載ノート「R511A7」オンキヨーのデスクトップPCも展示
KOUZIROのCore i5搭載デスクトップ「FRS706/23A」ソニーのCore i5搭載「VAIO F」こちらは上位のVAIO FでCore i7搭載。キャリブレーション対応液晶も備える
デルのCore i5搭載ノート。左から「Inspiron 15」、「Studio 15」、「Alienware M15x」ドスパラブランドのCore i5搭載デスクトップドスパラのCore i5搭載ノートPC
東芝のCore i5搭載「Qosmio」シリーズ日本エイサーのCore i5搭載デスクトップとノート富士通のブース。左から「BIBLO NF」、「同MG」、「DESKPOWER F」シリーズ
ツクモのCore i5搭載プライベートブランドPC「AeroStream」マウスコンピューターのブース。左から「m-Book T900B」、「Lm-i720B」、「MDV-ADS7200X」ユニットコムも各ショップブランドのCore i5搭載PCを展示
レノボのCore i5搭載「ThinkPad T410」と、Core i7搭載「ThinkPad W510」

(2010年 1月 25日)

[Reported by 劉 尭]