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シャープ、持ち運び可能なロボット型電話「RoBoHoN」

RoBoHoN

 シャープ株式会社は、持ち運び可能なロボット型の電話「RoBoHoN」を開発し、2016年前半に発売開始する。価格は未定。

 ロボットクリエイターの高橋智隆氏(株式会社ロボ・ガレージ代表取締役)と共同開発による、電話と一体化した二足歩行が可能なヒューマノイドロボット。高さは195mm、重量は約390gと、持ち運び可能な大きさと重量に抑えた。

 背後にタッチパネルを搭載しており、それによる操作も可能だが、メインは音声認識と音声読み上げで行なう。「RoBoHoN、写真を撮って」、「RoBoHoN、自己紹介して」と言った自然な言語を認識し、さまざまな動作や声による反応をする。

 例えばメール着信時も「○○さんからメールだよ」と自然な言葉で通知を行なう。それに対し、「読み上げて」と言うと、メールを読み上げる。その後の返信も音声によって入力できる。また、「タクシーを呼んで」と言うと、自動的にタクシー配車アプリを使いタクシーを呼ぶと言った応用も可能だ。

 カメラを内蔵しており、写真の撮影が可能。カメラはユーザーの顔認識にも使われ、目の前にいるユーザーを認識して、その嗜好に合った反応を行なう。頭部の上部にフォーカスフリーのプロジェクタを内蔵しており、写真や動画などを机や壁に映し出すことができる。

 当然のことながら、ロボットとしての起き上がり動作や二足歩行、手足や頭を動かしてダンスを行なうといったことも可能。電話としての機能も備えており、耳にかざして利用する。通信はLTEおよび3Gに対応する。

 詳細なスペックに関しては、発売日などが決定次第改めて案内を行なうとしている。

RoBoHoN
背面にタッチディスプレイを搭載し、タッチによる操作も可能
スピーカーフォンとして使える
頭部のプロジェクタで写真や動画などを映し出せる
頭部にカメラも内蔵しているため、写真撮影に使える

 6日にCEATEC JAPAN 2015の会場で開かれた記者会見で、高橋智隆氏は、「スマートフォンの音声認識の精度はかなり高まっている一方で、人が四角い箱(つまり一般的なスマートフォン)に対して声をかけるというのには抵抗がある。一方で、犬や金魚などのペットには、本当に人間の言葉を理解していなくても、声をかけてしまう。つまり声を積極的にかけてもらう(=音声認識を積極的に活用してもらう)ためには、人型(生物型)であることが最適だと考え、この形を採用した」と語った。

シャープは現在、音声対応で人工知能を備えた家電プロジェクト「ココロプロジェクト」を展開しているが、RoBoHoNはその象徴的な存在だ
使う人の気持ちに応える電話を形にしたのがRoBoHoNだという
自立して二足歩行が可能となっている
開発に携わった高橋智隆氏
音声認識を備えたスマートフォンには声をかけないのに、金魚やペット、ぬいぐるみなどには声をかけてしまう人間の心理を利用した
かつて電話とPCを集約したのがスマートフォンであるのと同様、ロボットとスマートフォンを集約したのがRoBoHoNだという
話しかけやすくすることで、さまざまなサービスをもっと気軽に利用できるようにした
【動画】RoBoHoN動作の様子

(劉 尭)