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AMD、FreeSync対応のベータドライバ

FreeSyncをオンにした時の性能改善

 米AMDは20日(現地時間)、GPU描画とディスプレイのリフレッシュレートを同期させるオープン規格「FreeSync」に対応したベータドライバ「Catalyst 15.3 Beta」を公開した。

 一般的なディスプレイのリフレッシュレートは60Hzだが、ゲームによっては描画負荷が低いため、GPUはそれ以上のフレームレートで描画する。このタイミングと実際のリフレッシュレートにズレが生じた場合、「ティアリング」と呼ばれる画像のズレが生じ、画面表示が崩れる。

 このティアリングは、ゲームやドライバの設定で「垂直同期を待つ」機能をオンにすることで回避できるが、するとGPUの性能をフルに発揮できないことになる上、近年当たり前となりつつあるゲーミングマウスの高いポーリングレート(500Hz~1,000Hz)の性能を発揮できない。

 AMDのFreeSyncでは、ディスプレイがGPUのフレームレートに合わせてリフレッシュレートを変更するため、このティアリングを回避できる。同様の機能はNVIDIAの「G-SYNC」が挙げられるが、G-SYNCは専用ハードウェアが必要なのに対し、FreeSyncはDisplayPortに標準で組み込まれているオープン規格のため、ディスプレイメーカーは追加ロイヤリティなしで実装できる。

 加えてAnandTechによるレポートでは、G-SYNCは平均3~5%の性能低下と1msの遅延が発生するのに対し、AMDによるとFreeSyncの有効化で若干の性能向上が見られるとしている。

 なおFreeSync対応ディスプレイはAcerやBenQ、Samsung、LGなど数社からリリースされており、年内には20種類の対応モデルが登場するとしている。

(劉 尭)