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NVIDIA、“超速最強”のゲームタブレット「SHIELD」を国内発売
~単体でのゲーム生配信やPCゲームのストリームプレイも可
(2014/10/2 14:01)
米NVIDIAは、Tegra K1搭載ゲーミングタブレット「SHIELDタブレット」を10月10日より国内で発売する。価格はオープンプライス。税別店頭予想価格は、本体が40,000~45,000円前後、コントローラが8,000~9,000円前後、カバーが4,500~5,000円前後。
既報の通り、第1世代のSHIELDは、ゲームコントローラと一体化した独特のフォームファクタだったが、第2世代のSHIELDは、純粋なタブレットフォームファクタになった。SoCは最大2.2GHzクアッドCPUコアと192基のCUDA対応GPUコアを搭載する、同社最新のTegra K1で、このほかメモリ2GB、ストレージ16GB、1,920×1,200ドット(WUXGA)表示対応8型IPS液晶、Android 4.4を搭載。
インターフェイスは、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN(2x2 MIMO対応)、Bluetooth 4.0+LE、Micro USB、Mini HDMI 1.4aなどを装備。カメラは前面背面とも500万画素。センサーは、ジャイロ、加速度、地磁気、環境光、GPS(GLONAS対応)を内蔵する。
本体サイズは約221×126×9.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約370g。バッテリ容量は19.75Whで、HDビデオ再生時の駆動時間は約10時間。
このほか特色として、高精細性を謳う独自のスタイラス技術「DirectStylus 2」によるスタイラスを標準搭載し、Wi-Fi接続でレイテンシの低い独自のゲームコントローラがオプションで用意される。
ゲームを極めた、超速最強タブレット
10日に行なわれた、製品発表会では、まずNVIDIA Japan日本代表兼米国副社長の大崎真孝氏が登壇。同氏は、2013年第1四半期からの12カ月で、Google Playでのゲームアプリの売り上げが2.5倍にまで急成長していると説明。また、自動車にバンやトラック、スポーツカーが登場したり、PCからワークステーションやノートなどが派生していったように、成熟している市場にこそ差別化の機会があると指摘。タブレットも、一見すると画一的だが、それは製品が成熟してきている証拠であり、そういった中、ゲーム用途を中心に据えたことで、SHIELDは競合製品と差別化できる「ゲームを極めた、超速最強タブレット」だとした。
続いて同社Tegraソリューション部SHIELDビジネスマネージャーの山田泰永氏が、新製品の性能や特徴を紹介した。
同氏によると、SHIELDは、iPad Air、GALAXY Tab PRO 8.4と比べ、3DMark、Basemark、GFXBenchなどにおいて2~4倍という高いグラフィック性能を持つという。また、TegraのGPUコアはデスクトップと同じKeplerアーキテクチャを採用しており、OpenGL 4.4や今後投入されるDirectX 12などの最新APIにも対応。その一方で、長時間ゲームをプレイしても、本体が過熱したり、スロットリングにより性能が落ちないよう、筐体の放熱容量を2倍に引き上げることで、過熱を防いでいる。
また、その性能でどのような表現が可能となるのかを示すため、Unreal Engine 4(UE4)を開発するエピック・ゲームズ・ジャパン代表の川﨑高之氏がゲストに招かれ、UE4を使ったテックデモ「Rivals」が紹介された。写真、動画を見て分かる通り、デスクトップPCに比肩する高い品質を実現している。河﨑氏は、「ゲーム専用機で長時間ゲームをプレイする人は減ったが、本格的なゲームへの欲求がなくなることはない。SHIELDは、そんなゲームを、いつでもどこでもプレイできる、ゲーマーにとっての救世主のような存在」だと語った。
次にマーケティング本部テクニカルマーケティングエンジニアの矢戸知得氏は、「どこでもプレイ」、「据置ゲームスタイル」、「ゲームプレイをシェア」、「PCゲームをどこでもプレイ」という、SHIELDタブレットで実現可能な4つのゲームプレイスタイルを実演を交えながら紹介した。
どこでもプレイというのは、タブレット本体をスタンドなどにおいた上で、専用のコントローラを使うことで、自分はソファなどに腰掛けてゆったりしながらプレイできるという意味。同コントローラは、SHIELDタブレットっとWi-Fiで接続されるため、遅延がBluetoothの半分になり、アクションゲームなどにも対応できる。
据置ゲームスタイルというのは、HDMIで大型TVに出力することで、据え置きのゲームコンソールのようにプレイできることを指す。この場合も、コントローラがあれば、タブレットはTVの脇に置いたままプレイできる。なお、4K出力もできるが、この場合リフレッシュレートは30Hzとなる。
また、ゲームが対応していれば、コントローラは最大4台まで接続可能で、タブレットは置いたまま、複数人で対戦したり強力プレイができるのも本製品ならではと言える。なお、コントローラ-本体間は、音声信号もWi-Fiで流れており、コントローラのジャックにヘッドセットを装着することも可能。さらに、タッチパッドや、マイクも内蔵しており、ゲーム以外においても、スティックやタッチパッドでAndroidのUIを操作したり、ホームボタンを長押しして、Google Nowを呼び出し、音声コマンドで検索などを行なうことができる。
ゲームプレイをシェアもユニークな機能で、本製品は画面に表示しているものを、リアルタイムでTwitchに配信する機能を持つ。また、前面にもある500万画素カメラを活かし、プレイしている配信者の顔を小窓に出しながら配信と言うことも可能になっている。自分のプレイや、その姿までも友人/知人に見てもらいつつ、画面上には視聴者のコメントを表示させながらゲームをプレイするという、新しいプレイスタイルをこれ1台でこなすことができる。生配信は行なわず、録画をすることもできるので、満足のいくカットを録り、編集も加えた上で、YouTubeにアップと言うこともできる。
初代同様、PCのゲームをストリーミングを使ってプレイするGameStreamにも対応。GeForce GTX搭載のPCがあれば、そちらのリソースを使って演算/描画を行ない、映像と操作の入力だけをWi-Fiで転送することで、PC用の非常にハイエンドなゲームも低遅延でプレイ可能としている。
GPUの機能を利用して、スタイラスの精度を上げるDirectStylus 2技術により、静電容量式でありながら精細なスタイラス操作も訴求されており、ゲストとして招かれた女優・タレントの八木のぞみさんが、自らSHIELDを使って描いたイラストを披露した。
また、Tegra K1の性能を最大限活用する独自のお絵かきアプリ「ダブラー」も紹介。一見すると普通のお絵かきアプリだが、水彩絵の具で描くと、絵の具の微妙な濡れ具合が表現され、タブレットが傾いていると、乾くまではその絵の具が徐々に垂れていくという、必要以上(?)に凝ったアプリとなっている。Tegra K1専用に開発され、プリインストールされる。このほか、ゲーム「Trine 2」も同梱。現時点で14のタイトルがTegra K1に最適化されているという。
なお、米国ではストレージ32GB+LTE対応モデルも用意されているが、これについては検討中だという。