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レノボ、複数人で取り囲んで使えるPC「HORIZON 2」

~初回1,000台はTVチューナも搭載

「HORIZON 2」

 レノボ・ジャパン株式会社は、卓上で水平にセッティングすることで、複数人が取り囲んで使える「HORIZON 2」シリーズ2機種を10月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は27型の「HORIZON 2」が20万円前後、21.5型の「HORIZON 2e」が13万円前後。

 「HORIZON」シリーズは、CESなどの海外イベントで発表されていたが、日本では本製品が初の投入。大型のフォトスタンドのような見た目をした液晶一体型PCで、立てた状態で使う以外に、水平に倒した状態での利用も想定。液晶上に独自のジョイスティックをおいて対戦ゲームをプレイしたり、独自UI「Aura」によって複数人が同時利用して各種コンテンツを楽しんだりできる。

 上位モデルのHORIZON 2は、Core i5-4210U(1.7GHz)、メモリ8GB、HDD 1TB、GeForce GT 840A、1,920×1,080ドット表示/10点タッチ対応27型液晶、Windows 8.1、Office Home and Business 2013などを搭載。なお、初回1,000台はピクセラ製TVチューナが付属するほか、台車が付き、角度/高さ調節ができるマルチモードテーブルがオプションで用意される。マルチモードテーブルは直販のみで、価格は未定だが3万円中盤程度を見込む。

 下位モデルのHORIZON 2eは、Core i3-4030U(1.9GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、HDD 1TB、1,920×1,080ドット表示/10点タッチ対応21.5型液晶、Windows 8.1、Office Home and Business 2013などを搭載。

 いずれもリチウムイオンバッテリを内蔵し、完全に無線状態でも利用できるのも特徴としている。

「HORIZON 2e」
HORIZON 2をテーブルに寝かせたところ
左側面に各端子類
右側面は電源・音量ボタン
背面。スタンドで自立する
HORIZON 2e
その背面
マルチモードテーブルにHORIZON 2をセットしたところ
この状態でも水平にできる
高さも調節でき、一番低い位置だと、椅子や机、ベッドの横などに置いて使うのにちょうど良い高さになる

 17日に、東京・丸の内のハーマン・ミラーの店舗で行なわれた製品発表会で、レノボ・ジャパンコンシューマデスクトップ製品担当の藤井宏明氏は、HORIZONシリーズについて「先進的なデスクトップ系PCは、スペックがいかに高いかということや、デザインの奇抜さなどハードウェアにこだわりすぎるきらいがあるが、HORIZONでは、それとは一線を画し、誰でもどこでも使える新しいカテゴリを作ろうと開発した」と、同製品が数字的な仕様などではなく、新たな用途や使い方を提案するものであると紹介した。

発表会はハーマン・ミラーの店舗で行なわれた

 実際、発表会では中身のスペックについてはほとんど触れられることがなく、独自UIのAuraの解説に終始した。

 前述の通り、HORIZONは、卓上、あるいはマルチモードテーブルにセットして、水平状態で複数人が同時に使うことを想定している。Auraのアイコンをタップするか、本体を水平に傾けると自動的にAuraが起動、中心にCDサイズの円盤のメニューが表示される。この円盤メニューは360度、指で回して回転できるので、ユーザーが本体周辺のどの位置にいても、手元に引き寄せたり、回転させて文字の向きを自分に合わせられる。

 円盤には、写真、動画、音楽、教育、ゲーム、アプリ、App Shopの7つのメニューがあり、タップすると、本体内のコンテンツのサムネールが、弧を描くように表示され、スワイプするとほかのファイルのサムネールを次々表示できる。

 写真や動画をタップすると、小さなウインドウで表示され、これもタッチ操作で、場所や角度、大きさを自由に変えられる。本体に対して2人が対峙している場合、1人がウインドウを相手にトスするようにスワイプすると、相手側の画面端にすっと移動するほか、たくさんのウインドウを開いた際に、5本指でタッチして、指を広げる動作をすると、全てのウインドウが画面周辺に追いやられ、指を閉じる動作をすると、また元に戻るというギミックもある。写真については、編集機能もあり、写真に写り込んだ不要な部分を、違和感なく消す機能や、肌色の調整機能なども搭載する。

 Android端末との連携機能も搭載。Androidに「Aura app」をインストールし、起動すると、Wi-Fi Directによって、HORIZONと接続され、Aura UI上に表示されるそのAndroid端末の円盤メニューから、Android端末側の写真や動画などをHORIZONから視聴できるようになる。HDAndroid端末を振ると、新しいものから1枚ずつ、HORIZONに転送・表示される機能もある。端末は4台まで同時接続可能。動画は複数の同時再生はできないが、フルHD解像度まで対応する。有線での接続がいらず、直感的な操作であるため、家庭内などで今撮った写真を、さっとみんなでみたい場合などに使いやすいとしている。次のバージョンでiOSやWindowsにも対応させる予定という。

レノボ・ジャパン藤井宏明氏
AuraのUI。シンプルでスムーズな反応が印象的
写真をタップすると、サムネールが10枚程度表示。スワイプするとどんどんほかのサムネールが表示
サムネールをタップすると、写真は小さなウインドウで表示される
画面に5本指でタッチして、指を広げる動作をすると、ウインドウが周辺にさっと散らばる
写真編集機能で、消したい分をなぞって、OKを押すと……
その部分がきれいに消える
Android端末にアプリを入れると、その端末のメニューが追加表示
こちらもインターフェイスはHORIZON用と同じ
写真は、長押しから周囲をくくるとグループ化できるので、そのままドラッグするとPCにコピーできる
もちろん通常のWindowsマシンとしてOfficeなども利用できる

 ゲーム専用の、「ジョイスティック」と「ストライカー」という小さなスティックが付属するのも特徴。ストライカーは、ほぼエアホッケーゲーム専用で、液晶上において、滑らせると、画面に表示されるホッケーのパックを打つことができる。一方のジョイスティックは、底面が吸盤になっており、液晶上に固定させてレバーを倒して操作する。ゲームは60種類ほどがプリインストールされている。

ストライカーでエアホッケーゲームをしているところ
ジョイスティック
初回1,000台にはUSB TVチューナが付属。同軸アンテナも接続できるが、電波環境が良いところなら、チューナ内蔵のアンテナだけで受信できる

 このほか、HORIZONに適したゲームやアプリをダウンロードできる、App Shopも用意され、アプリを追加できる。ほとんどは無償だが、現時点では9割程度が英語版のアプリになっている。

発表会スライドギャラリー

(若杉 紀彦)