TOP500でXeon Phiを搭載した中国のスパコン「Tianhe-2(天河二号)」が世界一に

　半年に1度更新されるスーパーコンピュータの性能ランキング「TOP500」の2013年6月版が、ドイツで開催されるスーパーコンピュータの国際会議「ISC 2013」に合わせ、17日(ドイツ時間)に発表された。前期(2012年11月版)に1位を獲得した米オークリッジ国立研究所の「Titan」に代わり、中国国防科学技術大学の「Tianhe-2」(天河二号、Milky Way-2とも)がトップになった。

　天河二号は、2010年11月版のTOP500で2.331PFLOPSの性能でトップに立った「Tianhe-1(天河一号)」に続く中国のスーパーコンピュータ。中国にとっては、2年半ぶりのトップ奪還ということになる。

　天河一号ではXeonとGPU(初期はRadeon、後にTesla)のシステムだったが、天河二号では、Intelが2012年11月に発表したスーパーコンピュータ向けのコプロセッサ「Xeon Phi」を採用。

　Ivy BridgeアーキテクチャのXeon E5-2692(2.2GHz、12コア)を2基と、Xeon Phi 31S1Pを3基を組み合わせたノードを、16,000ノード搭載。演算コアは合計で312万コアとなる。

　Linpack benchmarkの結果は33.8627PFLOPSとなっており、前回トップだったTitanの17.59PFLOPSを大幅に上回る。一方で消費電力は17,808kWとなっており、Titanの8,209kWの2倍以上となっている。

　また、米テキサス大学Texus Advaned Computing Centerの「Stampede」も、同様にXeon Phiを用いたシステムを採用。2.6PFLOPSから、5.17PFLOPSへ性能を引き上げ、前回の7位から6位へランクを上げた。

　そのほか、2位はTitan、3位は前回2位の米エネルギー省ローレンス・リバモア国立研究所の「Sequoia」、4位は日本・理化学研究所の「京」、5位は米アルゴンヌ国立研究所の「Mira」と、前回から1つずつ順位を下げた格好となっている。