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Intel、Xeon Phiシリーズに新フォームファクタ採用製品を含む5モデルを追加

~第2世代Xeon Phi「Knights Landing」の概要も発表

Xeon Phi(パッシブクーラーモデル)
6月17日(ドイツ時間) 発表

Xeon Phi(ファン付きクーラーモデル)

 米Intelは17日(ドイツ時間)、Xeon Phiシリーズに、コア/スレッド数を増強した高性能版や低価格版、新フォームファクタを採用した新ラインナップを発表。同日付で価格表にも追加された。

 Xeon Phiシリーズは、Many Integrated Core(MIC)アーキテクチャによるHPC専用のコプロセッサで、現行では「Xeon Phi 5110P」が市場に投入されている。

 今回発表されたのは、低価格版の「Xeon Phi 3100」シリーズの2モデルと、高性能版となる「Xeon Phi 7100」シリーズの2モデル。また、同5100シリーズにも新しいフォームファクタを採用した1モデルが追加され、計5モデルが新たに発売される。いずれも既存モデルと同様に、22nmプロセスで製造される「Knights Corner」の開発コード名を持つアーキテクチャを採用する。

Xeon Phiシリーズの新製品

 Xeon Phi 7100シリーズには「Xeon Phi 7120X」、「Xeon Phi 7120P」の2モデルをラインナップ。違いはクーラーで、前者がファン付きクーラー、後者がパッシブクーラーを採用する。仕様はいずれも61コア/244スレッドで、定格動作クロックは1.238GHz。ターボブーストにも対応しており、動作時クロックは1.333GHz。倍精度演算速度は1.2TFLOPSになる。キャッシュ容量は30.5MB。最大メモリ容量は16GB。最大TDPは300W。価格は両製品とも4,129ドル。

 Xeon Phi 3100シリーズは「Xeon Phi 3120A」、「Xeon Phi 3120P」の2モデル。やはり違いはクーラーで、前者がファン付き、後者がパッシブタイプとなる。仕様は57コア/228スレッド、動作クロックは1.1GHz。倍精度演算速度は1TFLOPS。キャッシュは28.5MB。最大メモリ容量は6GB。最大TDPは300W。価格は1,695ドル。

 Xeon Phi 5100シリーズに追加された「Xeon Phi 5120D」は、117.35×149.86mmの基板を用いた「Dense Form Factor」と呼ばれる、高密度システム向けのフォームファクタを採用した製品。仕様は既存の「Xeon Phi 5110P」同様に60コア/240スレッド。動作クロックも変わらず1.053GHz、キャッシュ容量は30MB。最大TDPは245W。価格は2,759ドル。

 国内ではテックウインド株式会社が新Xeon Phiの販売を表明しており、6月18日よりXeon Phi 7120P/3120P/3120Aの取り扱いを開始した。また、米Supermicroも、新Xeon Phiに対応するシステムを発表している。

 このほか、「Knights Langing」のコードネームで開発されている第2世代のXeon Phiシリーズについての概要も発表。14nmプロセスの3次元トライゲートトランジスタにより製造される。

 既存製品同様にPCI Express接続のボードとなり、メインのプロセッサからオフロードされた処理を行なうコプロセッサとして動作するほか、ホストプロセッサとしての利用も可能になる。ホストプロセッサのワークロードと、オフロードされたコプロセッサのワークロードを同時に処理することもできるという。

 またメモリはDRAMをオンパッケージ。メモリ帯域幅の大幅な拡大が見込まれている。

第2世代Xeon Phiとなる「Knights Landing」の概要

(多和田 新也)