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日本マイクロソフト、Windows 8 Pro搭載タブレット
「Surface Pro」を国内販売

5月29日 発表

 日本マイクロソフト株式会社は29日、Microsoftブランドを冠するWindows 8 Pro搭載タブレット「Surface Pro」を6月7日より国内販売すると発表した。価格は128GBモデルが99,800円、256GBモデルが119,800円。

 米国で2013年2月より発売された、Windows 8 Pro搭載のタブレット端末。日本向けにはWindows RTを搭載した「Surface RT」が3月より発売されたが、Surface Proもようやく投入される。

 日本向けモデルは海外版とは異なり、すべてOffice Home and Business 2013を搭載し、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlookなどの機能を利用可能。また、256GB SSDモデルを世界で初めて投入する。

 薄さを実現するために、マグネシウム合金を採用した「VaporMg」カバーにより、0.65mmの薄さで剛性を実現。背面にはディスプレイを22度の傾斜で立てて使える「Kickstand」を装備する。また、マルチタッチと「Digital Ink」デジタイザによるペン入力に対応する。

 主な仕様は、CPUにCore i5-3317U(1.7GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、Intel HM77 Expressチップセット、1,920×1,080ドット(フルHD)表示対応10.6型ワイド液晶ディスプレイ(Corning Gorilla Grass採用)、OSにWindows 8 Pro(64bit)、Office Home and Business 2013を搭載する。

 インターフェイスは、USB 3.0、Mini DisplayPort、microSDXCメモリカードスロット、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0、720p HD LifeCam(前面+背面)、マイク、ヘッドフォン用ステレオミニジャックを搭載。また、光センサー、加速度計、ジャイロスコープ、コンパスを内蔵する。

 バッテリは内蔵されており、約4時間の駆動が可能。本体サイズは約275×173×14mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約907g。

 オプションとして、タッチセンサーキーボードカバー「Touch Cover」が9,980円、パンタグラフキーボードカバー「Type Cover」が10,980円、Mini DisplayPort→HD AVアダプタ、Mini DisplayPort→VGAアダプター、Ethernetアダプターが各3,980円、ペンが2,980円、ACアダプターが7,980円で用意される。

 このほか、BEAMS、BAROQUE JAPAN、攻殻機動隊ARISEとコラボした8種類のキーボードカバーが当たるキャンペーンを6月7日から30日まで実施する。Surface RTまたはSurface Pro購入者を対象にしたキャンペーンで、同社Webサイトから応募できる。

Surface Pro。液晶は10.6型でフルHDだが、展示機の標準フォントサイズは150%だった
Surface Pro(手前)とSurface RT(奥)
右側面にMini DisplayPortを搭載
左側面にはUSB 3.0が見える
本体上部。Surface RTと比較して厚みがあることがわかる
Kickstand部分には、各種認証のロゴが印刷されている
デジタイザペンは電源コネクタと共有で、磁石で本体に取り付けて持ち運びできる
Type Coverの配列
CPUはCore i5-3317Uを搭載
デバイスマネージャーで確認すると、2コア4スレッドで動作していることがわかる
チップセットはIntel HM77 Express
センサー類などもデバイスマネージャー上で確認できる
無線LANとBluetoothはMarvell製のAVASTARを採用
Office搭載のため、WordやOneNoteなどを利用できる

Office搭載と256GBモデルは「お待たせしたユーザーへの感謝」

樋口泰行氏

 5月29日に都内で開かれた製品発表会では、日本マイクロソフト株式会社 代表執行役社長の樋口泰行氏が挨拶。「Surface RTを投入してから2カ月が経過するが、ソーシャル・ネットワーク上では他社製品と比較して高い購入意向が見られ、具体的にはキーボード/Officeの搭載などでポジティブな評価を頂いた。我々として良い手応えを感じている。また4月26日には新色タッチカバー“マゼンタ ピンク”を加えたり、5月17日には販売パートナーを拡大するなど、より多くのユーザーに手にとって貰えるような取り組みを継続してきた。今回、Windows 8 Proを搭載したSurface Proを投入することで、さらに市場を拡大していきたい」と述べた。

 Surface RTとの差別化については、「Surface RTは“タブレットだけれども、PCとして使える”ことをコンセプトとしているが、Surface Proは“PCだけれども、タブレットとして使える”というポジションを明確にする」とし、Surface ProはWindows 8が持つ機能を最大限に活用するためのハードウェアであることを強調した。

Surface RT発売後のツイート調査
マゼンタ ピンクの新色タッチカバー
販路の拡大
Surface RTとSurface Proのポジションを明確にした
Surface Proを手にする横井氏

 製品を紹介した同社 執行役 コンシューマ&パートナーグループ リテールビジネス統括本部長 兼 コミュニケーションズパートナー統括本部長の横井伸好氏は、「Surface Proは米国で2月に発売されたが、それを待ち望んでいた国内のユーザーは多くいたはず。そこで今回の投入にあたって2つのサプライズを用意した。1つはOffice Home and Business 2013のプリインストール、そしてもう1つは256GB SSDモデルの投入である。特に256GB SSDモデルは世界に先駆けて市場に投入するものであり、お待ちいただいたユーザーの期待に応えたラインナップであるだろう」とした。

 Surface Proの特徴としては、マグネシウム合金カバーによる軽量性と剛性の両立、Office搭載によるオフィス利用の利便性の向上、Windows 8 Pro搭載による暗号化/リモートアクセス機能の提供などを挙げた。また、昨今円安が進む中、Officeを搭載しながら10万円を切る価格を実現した点も特徴とした。

日本向けモデルではOfficeを搭載
256GB SSDモデルも日本が初
Surface Proの主な仕様
Surface Proの周辺機器。ACアダプターは、Surface Pro付属品をSurface RTで使うことは可能(逆は容量不足のため不可)
「VaporMg」により軽量性と堅牢性を両立させた
本体のみで立てられるKickstandもSurface RTと共通
USB 3.0ポートを搭載し、拡張性を高めた
デジタイザペンによる入力が可能
簡易なワークステーションとしても十分なスペックを誇る
藤本恭史氏

 日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部 本部長の藤本恭史氏は、「Windows 8は2013年5月で、1億ライセンスを出荷した。これはもちろんWindowsにとってのマイルストーンの1つである。しかしながらWindows 8が目標としているのは、デバイスやソフトウェア、そして開発者とのエコシステムを変化させることであり、このマイルストーンは次世代のコンピューティング環境に向けた取り組みの一環にしか過ぎない」と語った。

 その効果は現れつつあり、Windows RT対応デバイスにおいてはドライバが増加しているほか、ソフトウェア面ではアップデートでバッテリ駆動時間の改善、そしてシステムの安全性の向上を実現。さらにストアアプリのダウンロード回数は2億5,000万回を超え、ストアへのアクセスも5億3,700万回に達したとした。日本国内においても多くのベンダーと協力し、多数のストアアプリをリリース。また新たにコナミと提携し、コナミのゲームタイトルを7月以降より順次提供するとした。

5月でWindows 8が1億ライセンス出荷を達成
コンピューティング環境の推移。モバイルへの移行が顕著
モバイルコンピューティングに向けたMicrosoftの取り組み
デバイスやソフトウェア互換性の改善、そして開発者とのエコシステムの強化
ストアの実績
ストアアプリをリリースした日本企業
コナミとの提携も開始
Windows RTの互換性も向上しつつある

(劉 尭)