エプソン、年末に向けてインクジェットプリンタをモデルチェンジ
~キーボード付きミニプリンタや顔料系A2ノビ機も登場

9月25日から順次発売
価格:オープンプライス



 エプソンは、年賀状シーズンに向けて、インクジェットプリンタのラインナップを更新した。

 今回は、A4インクジェット複合機を中心に、単体で年賀状が作成できるミニプリンタやA2ノビ用紙が使える顔料系プロモデルなども登場した。

 価格はすべてオープンプライス。一部複合機は9月25日に、それ以外のほとんどの機種は10月7日に発売される。

●A4複合機/プリンタ「カラリオ」

 A4用紙対応の複合機は5機種が登場した。

 最上位の「EP-902A」(店頭予想価格3万円台後半、以下同)、前モデルと共通のボディだが、細かい改良が加わっている。

 ハードウェア面では、ボディの表面にドットパターンテクスチャーを付けることで、傷や指紋が付きにくくなった。また、無線LANのAOSS対応、ソフトウェアの改良によるインストールの簡易化など、実用性の向上を図っている。なお、FAX対応モデルは昨年のEP-901Fが継続販売される。

 最多販売機種と目される「EP-802A」(3万円台前半)は、標準で無線LANに対応した。EP-902A同様に、細かい改良が加わっている。この機種のみ、9月25日の発売(他機種は10月7日)となっており、年末商戦の主力機として先行発売される。

 「EP-702A」(2万円台前半)はボックス型デザインの普及機種で、まったくの新型。無線LANは搭載されないが、6色染色インクやCD/DVDレーベルプリントなど、上位機種に近い仕様ながら価格を抑えている。

EP-902AEP-802AEP-702A
スキャナ部分のフタがドットパターンテクスチャーとなっている量販機種に無線LANが搭載された普及機種のEP-702Aは新筐体

 「PX-502A」(1万円台後半)と「PX-402A」(1万円台前半)は、4色顔料系を使う普通紙印刷重視のモデル。上位のPX-502Aは、無線LANや2.5型のチルト液晶を搭載する。

 「EP-302A」(1万円台中盤)は、6色染料インクを使ったプリンタ専用機。

PX-502APX-402AEP-302
●コンパクト・プリンタ「カラリオ ミー」

 ハガキサイズの用紙に対応するコンパクト・プリンタ「カラリオ ミー」は2機種が登場した。

 「E-600」(2万円台後半)は、7.0型の大型液晶を搭載し、デジタルフォトフレームとしての性格も持たせている。フォトフレームとして必要なスライドショー機能に加え、カレンダーや時計、ブック型のアルバム機能を備える。インクは4色一体型。発売は11月上旬とやや遅い。

 「宛名達人 E-800」(5万円台中盤)は、E-600の機能に加え、あいうえお配列のキーボードが付属し、ハガキ用宛名と本文印刷が可能となっている。PCなしで年賀状が作成できることをウリとしており、カシオの「プリン写ル」に近い。こちらは他製品と同じ10月7日発売。

E-600E-800キーボードは「あいうえお配列」
●顔料系インクの「エプソンプロセレクション」

 プロ/ハイ・アマチュアカメラマンをターゲットとするプロセレクションシリーズは1機種。

 「PX-5002」(15万円台後半)は、最大A2ノビ用紙に対応する大型プリンタ。展示会やコンテストでよく使用される半切サイズに余裕を持って対応できる。

 インクはビビッドマゼンダが追加された8色顔料系。ロチェスター工科大学マンセル色彩研究所と共同開発した「LCCS(論理的色変換システム)」により、安定したプリント品質を実現するという。

PX-5002インクシステムと残量の表示
●キーワードは「暮らしの中で無くてはならない存在へ」

 発表会では、「暮らしの中で無くてはならない存在へ」という今年のコンセプトキーワードが繰り返し登場した。

 このキーワードを元に、各製品では無くてはならない存在になるための特徴が盛り込まれている。

 たとえばA4複合機では無線LAN対応機種の拡大とAOSSへの対応が上げられた。無線LAN対応によって、プリンタの置き場所の制約がなくなり、家庭の中心に配置できる。また、ユーザー調査によりAOSS対応無線LANの使用者が多いことがわかっており、セットアップがより簡単になるため採用した。

 カラリオ ミーでは「View&Print」と言うキーワードに落とし込まれ、写真を観ることが楽しく、しかも自然に使える製品であるとした。

 いずれもプリンタを年賀状シーズンだけではなく、できるだけ使う機会を増やしてもらおうという試みだ。

 販売目標は、「複合機」「コンパクト・プリンタ」「インクジェットプリンタ」の3分野でシェア50%以上を目指すとした。

 とくに、インクジェットプリンタの国内出荷台数は、2009年通期で昨年並みの470万台と見込んでいるが、うち240万台を占めたいと述べた。同様にワールドワイドでは、1,450万台を出荷し、シェアで19%を目指す。

コンシューマ向けインクジェットプリンタ製品のラインナップインクジェットプリンタの市場予測

 なお、環境問題については、ボディサイズの小型化や、塗料削減、6社協同の里帰りプロジェクトなどが紹介された。また、会場ではエコロジーを重視した「EC-01(通称:エコワン)」が参考展示された。EC-01は、大容量インクを内蔵することで、インクカートリッジを廃止しており、インク終了時は本体ごと回収する。

参考展示された「EC-01」エコワンの解説
TV CMには役所広司さんと竹内結子さんを起用会場には2人を使ったポスターも展示されていた

(2009年 9月 17日)

[Reported by 伊達 浩二]