やじうまミニレビュー

ロジテック「LAN-GTJU3」

~タブレットやUltrabook向け。USB 3.0 Gigabit Ethernetアダプタ

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
「LAN-GTJU3」

 そこそこニッチというか私的な話ではあるが、弊社(インプレス)では、社内ネットワークにPCを繋ぐにあたり、それが無線LANであっても、いったん有線LANに繋いで、マシンを認証させる必要がある。軽量薄型かつパワフルなモバイルPCを好む筆者は、「VAIO Pro 13」を使っているのだが、このマシンには有線LANポートがないので、ロジテックのUSB Ethernet「LAN-GTJU3」を購入した。Amazon.co.jpでの購入価格は1,710円だった。

 VAIO Pro 13に限らず、昨今のモバイルノートは、薄さを追求したため、有線LANポートを省略する傾向にある。また、タブレットとなると、Windowsマシンであっても、有線LANを搭載するものはゼロに近くなる。

 無線LANが十分普及した現在、有線LANがなくてもなんとでもなるし、理論値ではあるが、無線LANの速度は有線LANに肉薄してきている(無線LANルーター側は最大1.7Gbps程度のものが存在するが、これはルーター側の性能で、端末は一般的に877Mbps程度止まり)。

 だが、今でもディスプレイ端子としてミニD-Sub15ピンに需要があるように、有線LANがあった方がいい状況は存在する。最近はIEEE 802.11b/g/nやBluetoothなど2.4GHzの無線を利用する機器の数が非常に増えているため、アクセスポイントの許容量や、周囲の電波の状況によって、会社などでも無線LANが繋がりにくくなること経験したことある人は少なくないのではないだろうか? 実際、弊社も2014年に引っ越しした際、ワンフロアの人数が7~80人くらいから3倍くらいに増えたことで、無線LANが繋がりにくくなった。

 このほかにも、4Kなどの高画質動画のストリーミングや、まだあまり一般的ではないものの、ゲームのストリーミングプレイなどでは、安定した帯域が求められるため、無線LANのように、不意の干渉を受けることが少ない有線LANが欲しくなるし、大きなサイズのデータを自宅のNASにバックアップしたい場合も、有線LANの方が短時間で終わらせられる。ホテルでは、有線LANしかない部屋もまだある。

 この手のアダプタは既に多数発売されているが、PCが対応しているのであれば、本製品のようにUSB 3.0対応品を選んでおけば、Gigabit Ethernetの能力を遺憾なく発揮できる。

 ちなみに、USB Ethernetアダプタは、Android端末でも使えることがある。NVIDIAの「SHIELD」タブレットがその1例で、別途以前紹介したようなMicro USB変換アダプタが必要となるが、ゲームをストリーミングでプレイする際には、USB Ethernetアダプタの利用をお勧めしたい。

LANはGigabit Ethernet。アクセス/リンクLEDも装備
USBは5Gbpsの3.0
ドライバディスクも付属するが、Windows 8.1なら標準で動作する
変換アダプタを用意すれば、一部Android端末でも動作する

 今回、参考までに社内でベンチマークを測定してみた。2.4GHz帯のIEEE 802.11n接続(アクセスポイントとのリンク速度は133Mbps)では下りが40~56Mbps、上りが20~60Mbps程度だったのに対し、LAN-GTJU3利用時は、下りが50~80Mbps、上り50~66Mbps程度と、速度の上昇を確認できた。ただし、5GHzのIEEE 802.11nでは、下り80~88Mbps程度、上り42~86Mbps程度とさらに速い結果が出た。これは、WAN側の回線が100Mbps止まりであるため、LAN-GTJU3の帯域を生かし切れていないためだ。

2.4GHz 11nの検証結果(3回)
下り56.35Mbps
上り59.91Mbps
下り42.17Mbps
上り24.04Mbps
下り39.62Mbps
上り19.31Mbps
LAN-GTJU3の検証結果(3回)
下り48.61Mbps
上り66.65Mbps
下り80.17Mbps
上り45.89Mbps
下り69.17Mbps
上り53.69Mbps
5GHz 11nの検証結果(3回)
下り88.2Mbps
上り51.04Mbps
下り86.24Mbps
上り86.22Mbps
下り80.47Mbps
上り42.52Mbps

(若杉 紀彦)