ライバルには教えたくない本日の特選アプリ

デジタイザペン搭載PCを買ったら絶対入れたい「Drawboard PDF」

〜PCを紙の代わりに活用

 最近プレミアム向けのPCやタブレットなどに、デジタイザペンが搭載される例が増えている。Microsoftの「Surface 3/Pro 3」、東芝の「Dynabook Tab」シリーズ、VAIOの「VAIO Z/Z Canvas」などだ。それに伴い、デジタイザペンを活用してビジネスの生産性を上げるという使い方がWindows PCユーザーの間では徐々に普及しつつある。

 国内のペン対応のアプリケーションと言えば、Microsoftの「OneNote」やMetaMojiの「MetaMoji Note」あたりが有名だが、米国で人気急上昇中のWindowsアプリがある。それが今回紹介する「Drawboard PDF」で、米国ではSurface 3などを始め、ペン搭載PCでプリインストールされる例が増えている。

 同アプリは、ソフトウェア名に“PDF”が入っていることからも分かるように、PDFファイルを開いて、そのままペンでさまざまな加工ができる。

バージョン4.0になり安定性が向上

 デジタイザペンと聞くと、「CLIP STUDIO PAINT」などのマンガ/イラストアプリでマンガやイラストを描くという状況を、思い浮かべる人が多いだろう。一方で、デジタイザペンとはそうした特定のニーズに向けた周辺機器と考え、せっかくデジタイザペンを搭載しているPCを買っても、ペンは使われないままという例は多いと聞く。

 だが、デジタイザペンの用途はイラストだけではない。デジタイザペンは、指のタッチに比べると細やかな作業ができ、マウス(やタッチパッド)などに比べるとより直感的に入力できる。そういった特徴を活用して、生産性向上に繋げるのがDrawboard PDFだ。

 Drawboard PDFはWindows 8以降で利用できるWindowsストア経由で提供されている、いわゆるWindowsストアアプリで、原稿執筆時点では1,000円で販売されている。無償試用も可能。

 その機能は非常にシンプルで、PDFファイルを開き、デジタイザペンで手書き文字や図柄などを直接書き込める。Drawboard PDFが登場する以前、筆者はOneNoteでPDFを読み込んで、ペンで書き込み、再度PDFにして出力するという手順を踏んでいたが、Drawboard PDFではそうした面倒さから解放される。

 PDFファイルを読み込むと、六角形マークのアイコンが表示され、それをタッチすると、ペン先(太さや色など)を変更したり、消しゴムモードにしたり、画像を追加したりという編集が可能になる。現時点では、全て英語表示になっているが、使われている単語は「Pen」(ペン)、「Eraser」(消しゴム)、「Undo」(取り消し)など、特に難しくなく、英語があまり得意ではないユーザーでもアイコンの形状を頼りに直感的に操作できるだろう。ファイルはローカルのものだけでなく、OneDrive上のファイルを開いて、そのまま保存という使い方も可能なのも見逃せないメリットだ。

 前のバージョンでは、保存周りの動作が怪しく、何度か保存作業を行なわないときちんと保存されていないということがあったのだが、つい最近4.0にバージョンアップして、その問題は改善された。

Drawboard PDFの起動画面、以前開いたファイルなどが表示されている
起動時にペンで利用するかタッチで利用するかを選べるが、随時切り替え可能
ペン先の設定などは六角形のフローティングアイコンで、ペン種、消しゴム、画像などの追加、ハイライトといった設定ができる
メニューから保存やOneDriveを含むクラウドストレージへの保存/アップロードなどができるようになっている

ペーパーレス作業が実現可能

 Drawboard PDFは、さまざまな応用が考えられるが、筆者は主に完全ペーパーレスを実現するために使っている。例えば、以前は取引先から自筆のサインが求められる書類がPDF型式で送られてきた時は、まずプリンタで印刷してから、通常のペンでサインし、それをスキャナで取り込んでメールで送るというプロセスを経ていた。Drawboard PDFを使うようになってからは、Drawboard PDFで読み込んで、デジタイザペンでさっとサインして、そのままメールで返送するという一連の作業をPC 1台で完結できるようになった。

 また、こうして寄稿する記事も、以前は編集部に納品する前にプリンタで紙に印刷してから赤ペンで校正していた。それも今は、「Primo PDF」というフリーソフトでテキストからPDF型式に変換し、そのファイルをDrawboard PDFで読み込んで、赤入れをするというプロセスに変わった。

 似た例になるが、雑誌に寄稿する時には、掲載前にゲラと呼ばれる草稿が編集者からPDF型式で送られてきて確認する。その場合も以前は一度プリンタで印刷してから赤入れし、送り返す時にはスキャナで読み込んでPDFにしてメールするという形だった。それが、今ではDrawboard PDFで読み込んで、直接赤入れして送り返すだけになった。

 原稿の校正は多くの人がやることではないが、例えば同僚や取引先などから送られてきた図表や広告案、各種資料をチェックして、それに対して修正の指示を出すという状況は多いだろう。メールだと、「何行目の○○という文字を□□に変更」とか「右下の図形をもう少し目立つように」など、表現が煩雑、あるいは曖昧になることがあるが、そういう時も本アプリなら、ペンを使ってより具体的に修正案を書き込めるし、紙の無駄な印刷も削減できる。

 PDFを扱う機会が多いビジネスマンには、強くお薦めしたいアプリだ。

VAIO ZでDrawboard PDFを利用しているところ。普段はクラムシェルで使っているが、ペンを使う時はタブレットモードに変形させて使っている。タブレットとノートPCの2台を持ち歩く必要が無いので便利だ
以前は自宅でプリンタで打ち出した原稿に赤入れを行なっていたが、今では代わりにSurface 3でPDF原稿に赤入れしている

(笠原 一輝)