PS/2→USB変換器を6製品試すの続編



品名Unicomp Customizer 101 White
購入価格17,468円(2本)
購入日2010年3月8日
使用期間約3週間
 品名Corega CG-PC4KDLMCA
購入価格25,980円
購入日2010年3月13日
使用期間約10日

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです。

●Unicomp Customizer 101を入手

 ということで、前回レポートの続きである。前回のレポートを書き上げた直後に、Unicompのキーボード「Customizer 101」をオーダーしてみたわけだが、この際に何故かFedExを選択しても送料が0円のままだった。ところが翌日にUnicompからメール来て、「送料は別だよ」と言われた。ここで示された選択肢は

・USPSのTracking付きAir shipping : 87ドル (所要日数は3~5日)
・USPSのTrackingなしPriority Mail : 70ドル (所要日数は6~10日)
・FedEx(トラッキング付き) : 52ドル (所要日数は3~5日)

【写真1】ここでは到着が5:20 PMになっているが、実は再配達をかけて受け取ったのがこの時間で、最初に来たのは3:45PMである。つまりメールを送ってから2日と14時間で到着した計算になる

の3つ。USPSを使ったことのある方はご存知だと思うが、まるで信用できない(以前、アメリカ国内でUSPSのTracking付きPriority Mailを使ったときには、送り元の郵便局で受理した事だけが確認されて、そのまま行方不明になってしまった)ので、FedEx以外の選択肢は考えられないし、しかも一番安いときている。元々FedExを選択していたから、別に52ドルは問題ないと思っていた。だが、待てど暮らせど届かない。おかしいと思いメールを読み直すと、メールの最後に「Please give us your approval and tell us how we should ship your order.(この案内を承認した上で、発送方法をお知らせください)」なんて書いてあった。あわてて「遅くなってすいません。FedExで送って」とメールを送ったのが日本時間で3月9日の朝1時(アメリカはまだ3月8日)の事。そこからの手配は早く、実質2日強で手元に届いた(写真1)。

 ちなみに今回は2本まとめての購入である。キーボード本体が69ドルで、2本で138ドル。それに送料の52ドルを加味して190ドルとなる。このところちょっと円安に振れているとはいえ、一昔前に比べると全体的に円高な事もあり、換算レートは91.937円:1ドルとなっており、請求金額は2本で17,468円。国内でまともな101キーボードを買うと平気で1万を超えてしまう事を考えれば、むしろ割安と言っていいかもしれない(写真2)。梱包はがっちりしたダンボール+エアパッキングの組み合わせ(写真3)だった。

 さて、キーボードそのものは従来のIBMの101キーそのものである。唯一違うのは右上のLED部のロゴ(写真4)のみである。キータッチもほぼ42H1292と変わらない(と書いて判る人がどの位居るのか不明だが)、メカニカルキーボードらしいタッチである。それまで使っていたLexmarkの52G9658に比べると、最初に押し込むときのダンパーの効きが弱く、するっと押せてしまう感じを受けるが、個人的にはむしろこちらの方が好みのタッチである。中にはIBMのロゴが無い点に不満を感じる人もいるかもしれないが、筆者は別にそこまでブランドにこだわりはないので、Customizer 101で満足である。

【写真2】到着した箱の上で威張るスタッフ1号の兄。右手奥にスタッフ1号が寝ている【写真3】エアパッキングは一応キーボード保護ということで置いてあるが、空気圧はかなり低め。万が一の場合の緩衝用といった趣だった。段ボール箱は最近では余り見かけない頑丈なもので、工作の素材に最適といった強度なのが嬉しい【写真4】赤丸は「これは何かのインジケータか?」と一瞬誤解してしまうが、単なるデザイン

 さて、問題はここからである。ATENの「CS1784」にこれを繋いでみたところ、もちろん正常に認識されたわけだが、

・キー操作が早いと、時々取りこぼしする
・たまに「'」記号が連続して勝手に入力される

といった問題が発生した。まさかと思い、Customizer 101をマシンに直結すると、そんな兆候は微塵も無い。ということは、KVMスイッチに問題がある、ということである。

●Corega CG-PC4KDLMCAも入手

 となると、別のKVMスイッチを試してみる必要がある。で、前回のレポートにも書いたとおり、Coregaの「CG-PC4KDLMCA」がほぼ同等のスペックである。Amazon.co.jpに丁度在庫もあったため、即発注をかけた。

 届いたパッケージを見比べてみると(写真5、6)、どうみても同一製品に見えてくる。念のために筐体をあけてみると、ご覧のとおり全く同じ基板であり(写真7)、ATENのOEMであることがわかった。強いて言えば、搭載しているSICG-8041Gのリビジョンが、CS1784はVL6237.1A-1(2008年13週に製造)、CG-PC4KDLMCAはVM8471.1A-1(2009年43週に製造)と異なっており、リビジョンの違いでこのあたりが多少改善されている可能性がある。というか改善されていてほしいと筆者は個人的に強く願った。

【写真5】正面から。上がCoregaのCG-PC4KDLMCA、下がATENのCS1784。筐体サイズもほぼ同じ【写真6】裏面。唯一の違いは、CoregaのCG-PC4KDLMCAには、ファームウェアアップデート用端子(左上)が無いことだ【写真7】基板上での違いらしい違いは、コントローラASICのリビジョンと、ファームウェアを納めていると思われるFlashメモリのメーカー、それとボタンのデザインくらいのもの

 さて、筐体を元に戻し、ケーブルを繋ぎ変え(当然ケーブルやACアダプタの仕様はCS1784とCG-PC4KDLMCAと同一なので、ケーブルそのものを入れ替えるのではなく、単に繋ぎ変えですんだのは大変に助かった)て接続してみたところ、やっと問題がなくなった。これ以後はずっとこの構成のまま利用しているが、とりあえず筆者が打てる限界の範囲ではキーボード入力の取りこぼしは無くなったし、CAPSキーをCtrlキーと入れ替えての利用も全く問題なし。変なコードが勝手に入力されることも無くなった。こうなってくると、仕様の問題というよりは筆者の所有するCS1784が壊れかけていたのかも知れない。が、もはや検証する根性もない。

 トータルでは馬鹿にならない出費であったが、やっとこれで心の平安を取り戻す事が出来るようになったので、良しとしたい。IBMのPS/2タイプのメカニカルキーボードが捨てられないユーザーには、UnicompのCustomizer 101という選択肢があることをお知らせしたい事と共に、キー入力がおかしくなり始めたらキーボードだけでなくKVMスイッチも疑った方が良い事を、今後の教訓としたいと思う。

(2010年 3月 25日)

[Text by 大原 雄介]