井上繁樹の最新通信機器事情

プラネックス「スマカメナイトビジョン CS-QR20」

〜暗視機能搭載、動体検知でスマホに通知するネットワークカメラ

スマカメナイトビジョン

 プラネックスの「スマカメナイトビジョン」は暗視機能搭載した手頃な価格設定のネットワークカメラだ。動体検知機能を搭載しており、動きがある度にスマートフォンやタブレットのアプリに逐一通知を送ることができる。無線LAN対応でケーブルは電源1本で済むため、設置が比較的簡単で扱いやすいのも特徴だ。

概要

 スマカメナイトビジョンは暗視機能搭載のネットワークカメラだ。単体でネットワークに接続可能で、LANあるいは、インターネット経由で撮影動画を見ることができる。撮影動画の視聴にはAndroidまたはiOS搭載のスマートフォンやタブレット端末を使う。正式版では無いがWindows向けのアプリも提供中だ。

同梱物一覧。本体、ACアダプタ、スタンドキット、マニュアル
本体正面。中央のレンズ周囲の黒いリングは赤外線LEDカバー
裏面。使用時に必要なUIDやQRコードをプリントしたシール、RESETボタン、WPSボタン、スタンド固定用の穴がある
底面。100Mbps有線LANポート、電源コネクタ、スタンド固定用の穴がある
正面から見て右側面。micro SD/SDHCカードがある
左側面。こちら側には特に何も無い
天面
スタンドキットを底面の固定用穴に取り付けた状態。スタンドキットはいわゆる自由雲台なので好みの角度で固定できる
スタンドキットを底面に付けて背面から
スタンドキットを背面の固定穴に装着した状態。壁に取り付ける時などに便利
スタンドキットは金属パーツが多く重めなのでネジ止めせずに90度曲げても倒れない
別売のクリップスタンドに取り付けた状態。クリップスタンドも自由雲台になっている

 カメラ部分は撮像素子が100万画素の1/4型CMOSセンサーで、レンズは焦点距離3.3mm、F値は1.8だ。画角は対角85.4度、垂直43.4度、水平70.6度ということで、35mmカメラ換算で28mmから24mmの間の広角気味ということになる。解像度は1,280×720ドット、640×480ドット、320×240ドットの3種類、フレームレートは最大15fps。マイクを搭載しておりリアルタイムでの音声の聴き取りは可能だが録音はしない仕様だ。音声のリアルタイム再生は、映像よりも1秒弱遅れて聞こえる。どうやら映像よりも再生の優先度を下げているようだ。

 ネットワーク部分は、100Mbpsの有線LANポートに加え、最大接続速度300Mbpsの2.4GHz帯11n対応の無線LAN機能を搭載している。有線LANと無線LANの同時利用ではできない。micro SD/SDHCカードスロットを内蔵しており、メモリーカードを使って本体のみで録画保存できる。電源はACアダプタだ。

 本体の大きさは77×49×102mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は110g。スタンドキット装着時は高さ約175mm、重量210gとなる。スタンドの台座は円形で直径約75mm。台座には3つのネジ穴が空けられており、専用のネジと壁材固定用のプラグが同梱している。

アプリとカメラ機能詳細

 スマカメナイトビジョンを使うにはAndroidまたはiOS対応の専用アプリを使う。また、正式版ではないがWindows版のアプリもある(専用ページで申し込み後、送られてくるメールにダウンロードリンク添付)。また、それとは別に、ネットワーク設定を変更できるWeb UIのページも用意されている。

アプリはAndroid版とiOS版がある。Windows版もあるが正式版ではない
Android版アプリ。右上の顔の様なアイコンは通信品質を示すもの。すべてのアプリ共通だ
iOS版アプリ。画面構成はAndroidとほぼ同じで、機能も同等だ。
Windows版アプリ。画面の広さを活かすためか、AndroidやiOSでは右上の「メニュー」内にしまわれている機能がトップ画面に出てきている
スマカメに割り当てられたIPアドレスをブラウザで開くとアクセスできるWeb UI。初期アカウント設定は変更必須
システムログ。CPUの動作周波数は580MHzにセットされているようだ

 アプリで設定できるのは、「ビデオの品質」の選択、鏡写しの時などに便利な上下左右に向きを変える「ビデオフリップ」、蛍光灯などの照明のチラツキを抑える「環境モード」の選択、動体検知の有無、動作LEDのオン/オフなど。「環境モード」の選択項目には「屋内モード(50Hz)」「屋内モード(60Hz)」に加え「屋外モード」があるが、こちらは屋内から屋外を撮影する時に使用するものだ。本体は防水防滴仕様ではなく屋内用に作られている。

画質は5段階の中から選択する。解像度は3種類。デフォルトは640×380ドットの「中」品質に設定されている
電気の周波数を最適なものに設定してチラツキを防ぐ環境設定
動体検知機能があるので、画面内に変化が起きたら(実際にはその直前から)録画するよう設定できる
動体検知を行なわず連続録画することもできる
本体にセットしたmicro SD/SDHCカードはアプリやWeb UIで初期化できる
ファームウェアの更新は初期設定では自動で行われることになっているが、更新を急ぎたい時はWeb UIを使えばよい

 撮影動画のファイルフォーマットはH.264で、Android、iOSアプリではSDカードのルートフォルダに拡張子が「.h264」のファイルとして、Windowsアプリでは、ユーザーのドキュメントフォルダに拡張子が「.BIN」のファイルとして保存される。

 録画時間は、640×480ドットの「中」品質の場合2GBあたり12時間で、空き容量を使い切ると古いものから上書きされる。写真画像は、Android、iOSアプリではアプリを動作させている端末側の専用のアルバムに「.JPG」形式で、Windowsアプリでは動画と同じフォルダに「.png」形式で保存される。

使用感

 セットアップは非常にお手軽だ。有線LANケーブルでLANに繋ぐか、WPSボタンを使って無線LANに繋ぐかして、専用アプリで本体裏のQRコード読み込ませ、パスワード入力する。LANがインターネットに繋がっていればほかに設定をすることなくインターネット経由でどこからでも利用できるようになる。電源を繋ぐところから始めても4ステップだ。

アプリにスマカメナイトビジョンを登録するときは、本体裏のQRコードかLAN内検索機能を使う。カメラは複数台登録して必要に応じて切り替えて使える
赤外線を反射したり、赤外線を発しているものは白っぽく表示される。ディスプレイの画面、トラックボールのボール、キーボードの下のタオルなど
暗視機能の無いWebカメラで撮影したもの。前の画像と比較するとスマカメナイトビジョンと表示の差が分かる
赤外線LED点灯時の様子。紫色に写っているが実際には赤く光っている
動作LEDのオン/オフ設定。Web UIで設定可能
管理画面の初期アカウントとパスワードはとても分かりやすいものなので変更必須。時刻は自動的にNTPサーバーに接続して取得する。NTPサーバーの切り替えは可能
動体検知使用時はアプリが逐一通知を出す。机の上のおやつの監視程度ならば、動体検知の設定は最低レベルの「低」で十分だ

 ただし、パスワードまで入力した後、実際に撮影動画がアプリに表示されるまで初回は時間がかかる。正確な時間は測っていないが、スマートフォンの省電力機能が働いてもまだ接続ができなかったことから、待ちきれず何度か再起動した時間も含め5分程度だろうか。一度繋がるようになると次回以降の接続はスムーズだ。接続に時間がかかりそうな時はアプリを再起動するとさほど待たされずに済むようだ。

 インターネット経由での利用に対応しているということで、スマートフォンを使ってLTE回線で試してみたが、接続にかかる時間がLAN内と変わらず、画質の低下やフレームレートの低下もほぼ無く、非常に快適だった。

 画面左上のタイムスタンプは固定で、動画静止画問わず必ず入る。だから、カメラ設置の際はタイムスタンプが撮影の邪魔にならないように工夫する必要がある。それから、暗視カメラ(赤外線カメラ)のお約束で、赤外線を発したり反射するものは白っぽく映る。布地などは赤外線を反射してしまうので本来の色では撮影されない。

 暗視機能有効時と通常時の切り替えは自動で、撮影動画や画像はモノクロになる。暗視機能有効時はレンズ周囲の赤外線LEDが点灯する。動作ランプはオフにできるが、赤外線LEDはオフにできないので隠しカメラには向いていないようだ。注意書きにも防犯目的で作られていないとある。ちなみに消費電力はワットモニターによる実測で、通常時2.4W、暗視機能有効時3.3Wだった。

 利用にあたっての注意だが、microSD/SDHCカードの抜き挿しは、ファイル破損の恐れがあるので録画機能をオフにした状態で行なう必要がある。メモリーカードの抜き挿しは製品の用途から考えるとあまり無いはずだが、お手軽に使える製品だけに、あまりお手軽ではないこういった仕様は実使用時に失念しやすい様に思われるので注意したい。

まとめと感想

 非常に安価な製品もあるWebカメラと比べると、単体で動作するネットワークカメラは価格が一段高めで、個人用途では手を出しにくい製品が多い。暗視機能付きでスマカメナイトビジョンと同価格帯の製品は少なく選択肢はあまりない。

 暗視機能付きということで、メーカーは推奨していないが、工夫次第で防犯用途としても有用だし、外出時家族やペットを見守る目として役に立つだろう。インターネット経由でのアクセスに対応しているので、スマートフォンやタブレットさえあれば場所を選ばず利用できるのも嬉しいところ。高齢化の進む日本社会のニーズにもマッチしていると思うのだが。

(井上 繁樹)