日本HP「HP Pavilion Notebook PC dm3i ハイパフォーマンスSSDモデル」
~Intel製160GB SSD搭載で性能向上



HP Pavilion Notebook PC dm3i ハイパフォーマンスSSDモデル

発売中

直販価格:109,830円



 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の「HP Pavilion Notebook PC dm3i」(以下、dm3i)は、13.3型ワイド液晶を搭載したモバイルノートPCだ。dm3iは、Intelプラットフォームを採用した製品であり、姉妹機としてAMDプラットフォームを採用したdm3aが存在する。

 2009年10月に登場した前モデルのdm3iは、日本HPの直販サイト「HP Directplus」でのみ販売されており、店頭ではdm3aのみが売られていたのだが、今回の春モデルからは、店頭でもHP Pavilon Notebook PC dm3iが販売されるようになった。

 ただし、店頭モデルと直販モデルでは仕様が異なり、直販モデルのほうが高スペックである。具体的には、店頭モデルのCPUは、Celeron SU2300(1.2GHz)なのに対し、直販モデルではCore 2 Duo SP9300(2.26GHz)が搭載されている。また、店頭モデルのストレージは250GB HDD(7200rpm)だが、直販モデルでは160GB SSDが搭載されている。さらに、店頭モデルでは単体GPUを搭載しておらず、チップセット内蔵グラフィックス機能を利用するのに対し、直販モデルでは単体GPUのGeForce G 105Mを搭載しており、チップセット内蔵グラフィックス機能との切り替えが可能だ。なお、日本HPでは、店頭モデルをスタンダードモデル、直販モデルをハイパフォーマンスSSDモデルと呼んでいる。

 ここでは、後者のハイパフォーマンスSSDモデル(以下、dm3iハイパフォーマンスSSDモデル)を試用する機会を得たので、早速レビューしていくことにしたい。dm3iハイパフォーマンスSSDモデルは、CPUやGPUは昨年秋に登場した直販モデル(dm3iハイパフォーマンスモデル)と同じだが、ストレージがHDDからSSDになり、より性能が向上している。

●アルミニウムとマグネシウム合金採用で高級感と堅牢性を実現

 dm3iハイパフォーマンスSSDモデルのボディは、前モデルと同じで、金属素材が多用されており、高級感と堅牢性を両立させている。トップカバー(天板)には、アルマイト処理とヘアライン加工が施されたアルミニウムが使われている。アルマイト処理により硬度が上がるため、傷が付きにくい。また、底面には軽くて丈夫なマグネシウム合金が採用されている。ボディサイズは、326×230×25~31mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約1.97kgである。重さ1kg前後の軽量モバイルノートPCに比べると重いが、一応モバイルノートPCと呼べる範囲に収まっている。

 前述したとおり、dm3iハイパフォーマンスSSDモデルは、CPUとしてCore 2 Duo SP9300(2.26GHz)を搭載する。後継のCore iシリーズが登場したが、通常のアプリケーションを動かすには、依然として十分なパフォーマンスを持つCPUだ。チップセットとしては、Intel GS45 Expressを搭載する。今回の試用機のメモリ容量は2GBだったが、BTOによって2GB/3GB/4GBから選択可能だ(SO-DIMMスロットを2基搭載)。GPUとして、NVIDIA GeForce G 105Mを搭載。冬モデルのdm3iハイパフォーマンスモデルも、同じGeForce G 105Mを搭載していたが、常にGPUが有効になっていたのに対し、春モデルのハイパフォーマンスSSDモデルでは、ハイブリッド・グラフィックス機能をサポートし、GPUを使うか、チップセット内蔵のグラフィックス機能を使うかを選択できるようになった。

 今回登場したdm3iハイパフォーマンスSSDモデルの最大のウリは、ストレージとして性能に定評のあるIntel製160GB SSDを搭載したことだ。冬モデルのハイパフォーマンスモデルでは320GB HDD(7,200rpm)を搭載していたので、容量は半分になったが、パフォーマンスの向上が期待できる。

dm3iの上面。ボディは前モデルと同じで、トップカバーにはアルマイト処理とヘアライン加工が施されたアルミニウムが使われている「DOS/V POWER REPORT」誌とのサイズ比較。奥行きはほぼ同じだが、横幅はdm3iのほうが長いdm3iの底面。底面にはマグネシウム合金が採用されており、高い剛性を実現。右下にメモリスロットカバーが、左下にHDDベイカバーが用意されている
メモリスロットカバーとHDDベイカバーを外したところ。中央にSO-DIMMスロットが2基用意されている。左にはMini PCI Expressスロットの空きもあるハイパフォーマンスSSDモデルには、Intel製の160GB SSDが搭載されている。型番は「SSDSA2MH160G1HP」と記載されており、第1世代SSDのHP向けモデルとみられる

●アイソレーションタイプのキーボードを採用

 液晶のサイズは13.3型ワイドで、解像度は1,366×768ドットである。冬モデルと同じ、ウルトラクリアビューディスプレイと名付けられた光沢タイプの液晶であり、発色やコントラストは優秀だが、外光の映り込みが気になることがある。液晶上部には、640×480ドット(VGA)解像度のWebカメラとマイクが搭載されており、ビデオチャットなどに利用可能だ。

 キーボードも冬モデルと同じで、アイソレーションタイプのキーボードを採用。全87キーで、キーピッチは約19mm、キーストロークは約1.7mmである。配列は標準的で、不等キーピッチもないので、快適にタイピングが可能だが、上下カーソルキーが小さいことが気になった。また、最上段キーとFnキーの扱いが一般的なノートPCとは異なり、単独で最上段のキーを押すと、バックライト輝度や音量調整、ミュートなどの操作ができ、Fnキーを押しながら最上段のキーを押すことで、通常のファンクションキー(F1~F12キー)として利用できる。

 ポインティングデバイスとしては、マルチタッチ操作対応のタッチパッドを搭載。タッチパッドも冬モデルと同じだが、パッドの表面がツルツルの鏡面仕上げになっているため、指が表面に吸い付く感じで、やや違和感がある。ここは改良して欲しかったところだ。パッド上部に、パッドの有効/無効を切り替えるボタンが用意されているのは、マウス接続時などに便利だ。

液晶は13.3型ワイドで、解像度は1,366×768ドットだ。光沢タイプの液晶なので、色は鮮やかだが、その反面外光がやや映り込みやすい液晶上部にはVGA解像度のWebカメラが用意されており、ビデオチャットなどに利用できる
dm3iのキーボードは全87キーで、キーピッチは約19mm、キーストロークは約1.7mmである。アイソレーションタイプのキーボードで、快適にタイピングが可能だポインティングデバイスとしてタッチパッドを採用。パッドの表面が鏡面仕上げになっており、非常に滑らかなため、指が吸い付く感じが気になる。パッドの上部に、パッドの有効/無効を切り替えるボタンが用意されているのは便利だ

●インターフェイスが充実しており、バッテリ駆動時間も長い

 インターフェイスも冬モデルと変わらず、USB 2.0×4とミニD-Sub15ピン、HDMI出力、マイク入力、ヘッドフォン出力、Ethernetの各端子を備えている。このクラスのモバイルノートPCとしてはインターフェイスは充実している方で、特にUSB 2.0ポートが左右側面に2基ずつ配置されているのは便利だ。

 メモリカードスロットとして、5in1メディアスロットを装備している。SDメモリーカード/SDHCメモリーカード/MMC/メモリースティックPRO/xD-Picture Cardの読み書きが可能である。ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN機能とBluetooth 2.1+EDRをサポートしている。右側面にワイヤレス機能のON/OFFボタンが付いており、ボタンに設けられたLEDで、ワイヤレス機能の状況が一目でわかることも評価できる。

 バッテリは、薄型のリチウムポリマー電池を採用。公称バッテリ駆動時間は約7.5時間だが、BBenchによるテストでも、6時間20分という優秀な結果を出している。ACアダプタのサイズや重量は、このクラスの製品としては一般的だ。ただし、ACケーブルのプラグが3ピンのミッキータイプで、ややケーブルが太いのが残念だ。なお、ACケーブルの代わりに装着可能なACプラグも付属しており、ACアダプタを直接コンセントに装着することが可能だ。

左側面には、Ethernet、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、USB 2.0×2、5in1メディアスロット、ヘッドフォン出力、マイク入力が用意されている右側面には、電源スイッチ、ワイヤレス機能ON/OFFボタン、USB 2.0×2が用意されている
dm3iのバッテリ。薄型のリチウムポリマーバッテリを採用。11.1V/57Whの6セル仕様だCDケース(左)とバッテリのサイズ比較
ACアダプタのサイズは、このクラスのモバイルノートPCとしては標準的だが、ACケーブルのプラグはミッキータイプだCDケース(左)とACアダプタのサイズ比較

●SSD搭載でパフォーマンスが大きく向上

 参考のためにベンチマークを計測してみた。利用したベンチマークプログラムは、「PCMark05」「3DMark03」「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」「ストリーム出力テスト for 地デジ」「CrystalDiskMark」で、比較対照用として、SSDではなくHDDを搭載した日本HP「HP Pavilion Notebook PC dm3iハイパフォーマンスモデル(冬モデル)」、レノボ「ThinkPad T400s」、日本HP「HP Pavilion Notebook PC dm3a」、NEC「LaVie M」の値も掲載した。なお、dm3iハイパフォーマンスSSDモデルについては、GeForce G 105Mを有効にした状態(パフォーマンス向上モード)で計測した。

 PCMark05のCPU Scoreの値は5748であり、Core 2 Duo SP9300搭載機としては標準的な値だが、総合値のPCMarksは6685と、同じCPUとGPUを搭載するdm3iハイパフォーマンスモデルの5124に比べて3割以上も高くなっている。これは、SSDの搭載が効いているのであろう。ディスク性能を計測するHDD Scoreは28413と、HDD搭載のdm3iハイパフォーマンスモデルの5360に比べて、5.3倍以上にもなっている。

 また、ローエンドとはいえ単体GPUを搭載しているため、3DMark03やFINAL FANTASY XI Official Benchmarkのスコアは、単体GPUを搭載していないThinkPad T400sやdm3aの2~3倍以上になっている。ちなみに、dm3iパフォーマンスSSDモデルで、GeForce G 105Mを無効にし、チップセット内蔵グラフィックスを有効にしてベンチを計測すると(省電力モード)、PCMark05の総合値のPCMarksは5616に、Graphics Scoreは1879に、3DMark03のスコアは2422になり、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアはHIGHが2278に、LOWが3579になった。

 SSDを搭載しているため、CrystalDiskMarkの結果も非常に優秀だ。シーケンシャルリードの速度は247MB/secに達し、HDD搭載のdm3iパフォーマンスモデルの3.6倍程度にもなっている。ランダムアクセスでは、その差はさらに大きくなる。OSやアプリケーションの起動も高速で、快適に利用できる。

 また、BBench(電源プランは「バランス」で計測。GPUは使わない省電力モード)の結果は6時間20分であり、HDD搭載のdm3iパフォーマンスモデルの4時間40分に比べて、1時間40分も長くなっている。SSDはHDDよりも消費電力の面でも有利なことに加えて、ハイブリッド・グラフィックス機能対応で、GPUを無効にできるようになったことが奏効しているのであろう。

 HP Pavilion Notebook PC dm3i ハイパフォーマンスSSDモデルHP Pavilion Notebook PC dm3i ハイパフォーマンスモデルThinkPad T400s
Windows Vistaモデル
HP Pavilion Notebook PC dm3aLaVie M
CPUCore 2 Duo SP9300(2.26GHz)Core 2 Duo SP9300(2.26GHz)Core 2 Duo SP9400(2.4GHz)Athlon Neo X2 L335(1.6GHz)Celeron SU2300(1.2GHz)
ビデオチップGeForce G 105MGeForce G 105MIntel GS45内蔵コアAMD M780G内蔵コアIntel GS45内蔵コア
PCMark05
PCMarks66855124438027812826
CPU Score57485593608231142966
Memory Score51465087525426143066
Graphics Score34253460208913551397
HDD Score284135360449545634948
3DMark03
1,024×768ドット32ビットカラー(3Dmarks)84658446245724842048
CPU Score15321544983648495
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
HIGH56825678245021731995
LOW81378626375439761367
ストリーム出力テスト for 地デジ
DP99.9399.9399.962.4776.43
HP99.9799.9399.9799.9799.97
SP/LP99.9399.9310099.9799.97
LLP99.9799.9399.9799.9799.97
DP(CPU負荷)5148447068
HP(CPU負荷)2825195442
SP/LP(CPU負荷)231793928
LLP(CPU負荷)171563522
CrystalDiskMark 2.2
シーケンシャルリード247.0MB/s68.01MB/s39.04MB/s92.55MB/s60.31MB/s
シーケンシャルライト78.11MB/s63.80MB/s35.35MB/s85.19MB/s66.25MB/s
512Kランダムリード200.8MB/s27.00MB/s20.32MB/s36.64MB/s27.50MB/s
512Kランダムライト78.14MB/s24.73MB/s21.37MB/s47.96MB/s31.19MB/s
4Kランダムリード18.95MB/s0.345MB/s0.304MB/s0.489MB/s0.369MB/s
4Kランダムライト47.01MB/s0.909MB/s0.799MB/s1.004MB/s0.984MB/s
BBench
Sバッテリなしなしなしなしなし
Lバッテリ(標準バッテリ)6時間20分4時間40分4時間58分4時間18分3時間39分
Xバッテリなしなしなしなし7時間26分

●160GB SSD搭載で11万円を切り、コストパフォーマンスも優秀

 dm3iハイパフォーマンスSSDモデルは、160GB SSDやGeForce G 105Mを搭載しながら、直販価格109,830円からとリーズナブルな価格を実現しており、コストパフォーマンスも優秀である。冬モデルのdm3iハイパフォーマンスモデルの直販価格は99,750円からだったので、プラス1万円で320GB HDDが160GB SSDになったわけだ。Intel製160GB SSDは安いところでも4万円程度で販売されているので、dm3iハイパフォーマンスSSDモデルの買い得感は高い。Windowsやアプリケーションの実際の使用感は、CPU性能よりも、ディスクパフォーマンスに左右されやすいので、重量は少しくらい重くてもいいから、快適に使えるモバイルノートPCが欲しいという人には有力な選択肢となるだろう。もちろん、メインマシンとしても十分快適に使えるので、あまり持ち歩く予定ははないという人にもお勧めできる。

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(2010年 2月 19日)

[Text by 石井 英男]