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ASUS「MeMO Pad HD7」

〜背面カメラとmicroSDカードスロット搭載の7型Androidタブレット

ASUS「MeMO Pad HD7」
7月19日 発売

価格:オープンプライス

 「ASUS MeMO Pad HD7」は、ASUSが7月19日に発売する7型のAndroidタブレット。オープンプライスで、予想実売価格は19,800円の見込みだ。

 7型のAndroidタブレットでは、同じくASUSがメーカーとして開発し、Googleが販売する「Nexus 7」が人気を博しているが、MeMo Pad HD7はNexus 7とほぼ同等のスペックを持ち、Nexus 7にはない、背面カメラやmicroSD対応といった点が特徴だ。本レビューではNexus 7との比較を交えながら、MeMO Pad HD7ならではの魅力や特徴をお伝えする。

カメラとmicroSDカードの有無がNexus 7との違い

 始めにMeMO Pad HD7とNexus 7の詳細なスペックを比較してみよう。同じASUSが手がける7型サイズのAndroidタブレットということもあり、2機種のスペックは非常に似ており、搭載OSのバージョンや液晶ディスプレイ、メモリ、内蔵ストレージなどは横並び状態だ。なお、Nexus 7は内蔵ストレージが32GBのモデルも発売されているが、今回の比較では価格の条件を揃えるため16GBモデルで比較している。

MeMO Pad HD7 Nexus 7
OS Android 4.2.1 Android 4.2
プロセッサ MediaTek MTK8125 Tegra 3
クロック数 1.2GHzクアッドコア 1.3GHzクアッドコア(クアッドコア駆動時1.2GHz)
メモリ 1GB 1GB
内蔵ストレージ 16GB 16GB
ディスプレイ 10点マルチタッチIPS液晶10点マルチタッチIPS液晶
ディスプレイ解像度 800×1,280ドット 800×1,280ドット
前面カメラ 120万画素 120万画素
背面カメラ 500万画素 ×
無線LAN IEEE 802.11b/g/n IEEE 802.11b/g/n
GPS
Bluetooth 4.0 3.0+EDR
NFC ×
Micro USB
microSD ○(microSDHC) ×
バッテリ 約10時間 約9.5時間(4,325 mAh)
サイズ(幅×奥行き×高さ) 196.8mm×120.6mm×10.8mm 198.5×120×10.45mm
重量 約302g 340g
本体カラー 4色(ブルー、ホワイト、グリーン、ピンク) ブラウン
本体価格 19,800円(店頭予想価格) 19,800円

 最も大きな違いは冒頭でも触れたとおり、背面カメラおよびmicroSDの有無。詳細は後述するが、背面カメラは500万画素ながらオートフォーカス機能も備えるなど必要十分なスペックを備えている。microSDについても内蔵ストレージが16GBと、さほど大きくは無いため、microSDで容量を拡張したり、外部にデータを取り出したりという点で優位だ。

 細かな点ではBluetoothのバージョンがNexus 7の3.0+EDRに対してMeMO Pad HD7は最新の4.0をサポート。ただし、AndroidはまだBluetooth 4.0をOS標準でサポートしていないため、現状でのメリットはさほど大きくはないかもしれない。一方、Nexus 7にあるNFCは、MeMO Pad HD7では対応しておらず、Androidビームといったワイヤレス機能は利用できない。

 本体サイズはほぼ同程度だが、重量に関してはNexus 7の340gに対しMeMO Pad HD7は約302gと40g近く軽い。実際に手にとってもNexus 7よりも明らかに軽く、可搬性が高い。また、カラーバリエーションもNexus 7は1色のみだが、MeMO Pad HD7は4色から選ぶことができる。

 おおまかな本体デザインも共通で、本体上部に前面カメラ、本体側面に音量ボタンと電源ボタン、背面下部にステレオスピーカーを搭載。一方でNexus 7では本体下部に配されているMicro USBとイヤフォンジャックが、MeMO Pad HD7では本体上部に配されている。

 前面が非常に良く似た2台だが、Nexus 7の側面はシルバー、背面はマットブラックの2色を用い、イヤフォン部分には金属加工を用いるなど高級感を感じる質感であるのに対し、MeMo Pad HD7はそうした加工は施されておらず、重量が軽い分、質感もNexus 7と比べて若干の安っぽさを感じる。とはいえMeMO Pad HD7は4色展開のため、他の色であればもう少し違った印象を受けるかもしれない。

本体前面
本体背面
本体底面
本体上部にMicro USBとイヤフォンジャック
左側面にmicroSDスロット
右側面に電源ボタンと音量ボタン
Nexus 7(右)との比較。本体サイズはほぼ同程度
背面はデザインとカメラの有無が違い
音量ボタンと電源ボタンの配置はほぼ共通
イヤフォンジャックとMicro USBの配置はNexus 7(下)と逆

ベンチマークはNexus 7とほぼ同等。バッテリは10時間以上駆動

 本体ホーム画面は5画面構成で追加や削除はできない。OSは最新のAndroid 4.2だが、左上に通知パネル、右上にクイック操作パネルと2つのパネルを表示する仕様ではなく、通知機能とクイック操作を兼ねたASUS独自のパネルを搭載。無線LANや音響、ワイヤレスディスプレイの設定に加えて、ディスプレイの輝度やGPS、Bluetooth、無線LAN、画面回転のオンオフなどをここで切り替えられる。

ホーム画面
独自の操作パネル

 ドック部分はアプリ一覧表示ボタンを中心とし、左右それぞれ3つずつアプリを追加できる。ソフトボタンはホーム、戻る、マルチタスクの3種類に加え、アプリの上に小窓で重ねて表示できる「浮動アプリ」起動ボタンを搭載。こうした画面の仕様は同じくASUSが発売する3G対応の「Fonepad ME371MG」と共通だ。

アプリの上に重ねて表示できる「浮動アプリ」

 ベンチマークの測定は「Quadrant Professional Edition」「AnTuTu Benchmark」「MOBILE GPUMARK」で実施。QuadrantとAnTuTuではMeMO Padが上、MOBILE GPUMARKではNeuxs 7が上ではあるものの、どちらも数値に大きな差は離れておらず、ベンチマーク上、性能は同等と考えていいだろう。

【2機種のベンチマーク比較】
MeMo Pad HD7 Nexus 7
Quadrant Professional 2.1.1 3947 3473
AnTuTu 3.3.2 RAMのパフォーマンス 2317 1782
CPUの整数性能 3386 3126
CPUの浮動小数点演算性能 2558 2674
2D描画 628 773
3D描画 2994 2795
データベースのIO 555 370
SDカードの書込速度 150 47
SDカードの読込速度 193 94
CPU周波数 1,209MHz(×4) 1,300MHz(×4)
総合 12781 11661
MOBILE GPUMARK Version 2 31757 39316

 実際の操作感も、MeMO Pad HD7はホーム画面アプリこそややもたつきがあるものの、ブラウザやFacebook、Twitterアプリなどはレスポンスもよく快適に操作可能。プリインストールされている電子書籍アプリ「BookLive!Reader for Partners」の電子書籍も、ページめくり操作に対する画面の追従性も高く読みやすい。

操作動画

 ディスプレイはスペックで比較するとNexus 7と同じ解像度、同じ同時タッチ点数ではあるものの、色味はNexus 7に比べると若干黄色味がかっている。といっても比べて分かる程度であって大きな違いではなく、このあたりは好みの問題だろう。

 バッテリ容量は非公開だが、公称値は輝度100cd/平方mの状態で720pの動画を10時間連続再生できるという。実際に無線LANとGPSをオン、Gmailなど同期アプリは全てオフとし、輝度を最低に設定した状態でフルHD動画を連続再生したところ、10時間半を超えたところでバッテリが15%を切り、12時間半で空になった。カタログスペックの容量は満たしており、4,000〜5,000mAhクラスのバッテリを搭載していると考えられる。

 省電力設定アプリも用意されており、本体がスリープ状態の時にネットワークを切断しバッテリの使用電力を極限まで抑える「超省電力モード」、ネットワーク接続は維持しつつ電力消費を抑える「最適モード」のほか、省電力設定を個別にカスタマイズできる「カスタマイズモード」を搭載。カスタマイズモードはアプリ個別ではなく「電子メール」、「書籍」、「ビデオ」といった動作ごとに省電力設定および画面輝度を設定できる。こうした省電力設定を組み合わせることでバッテリもより持続させることができるだろう。

省電力設定

500万画素ながら機能充実のカメラアプリ

カメラアプリ

 カメラは前面が120万画素、背面が500万画素で、背面はオートフォーカスに対応。また、背面カメラは静止画のサイズを500万画素から80万画素まで6段階に設定でき、ワイドスクリーン撮影にも対応。ただし、ワイドスクリーンは通常撮影の上下を切り取って16:9比率とするシンプルな仕組みになっている。動画は1080p、720p、480p、CIF、QCIFと5段階から選択可能だ。

 エフェクト機能も充実しており、「ビンテージ」、「グレイスケール」、「LOMO」、「セピア」といったフィルタ機能、画質のノイズ削減機能のほか、パノラマ撮影やHDR、美白効果を高める「美人効果」機能も搭載。シーン撮影も「ポートレート」、「夜景」、「逆光」など8種類から選択可能だ。

カメラ設定は充実

 ボタン数は多めだが、カメラアプリの初回起動時にはチュートリアルが用意されており、全体操作を丁寧に解説してくれる。また、撮影ボタンは静止画と動画の両方が常に表示されているため、動画を撮りたい時にモードを切り替えることなくボタン1つで撮影できるのが便利。動画撮影中の静止画撮影も対応するなど、カメラ機能は非常に充実している。

初回起動時はチュートリアルで操作を解説

 画質は高いとまでは言えないが、オートフォーカスによる操作のしやすさもあり十分な作り。ただし動作は重めで、写真を1枚撮影して保存するまではかなり待たされるため、何枚も連続で撮影する場合は向かない。また、横向き撮影時は撮影ボタンが本体上部に固定される仕様になっており、本体を支えながらシャッターボタンを押そうとすると指がカメラを遮ってしまう。天地が逆にできればこうした問題もないのだが、現状の仕様は指が入らないよう持ち方に若干のコツが必要そうだ。

【撮影サンプル】以下のサムネールをクリックすると、2,560×1,920ドットの画像が開きます

ASUS独自アプリを中心にプリインストールアプリが充実

 プリインストールアプリが充実しているのもMeMO Pad HD7の特徴だ。ファイルマネージャーやアプリのバックアップ、ペアレンタルロックといったユーティリティ機能に加え、ASUS独自のアプリも複数プリインストールされている。

 具体的には、ToDoアプリ「ASUS To-Do」、メモや写真、音声などで思いついたアイディアを保存する「MyBitCast」、手書きも可能なノートアプリ「SuperNote Lite」といったビジネス系アプリのほか、画像編集系も写真管理アプリ「ASUSスタジオ」、写真や手描きイラストなどでグリーティングカードを作成できる画像編集アプリ「ASUS Artist」、撮影した写真で絵本のようなストーリーを作成できる「ASUS Story」、動画編集アプリ「Movie Studio」を搭載する。

ファイラーアプリ「ファイルマネージャー」
プリインストールアプリの一覧
バックアップアプリ
ペアレンタルアプリ
ToDoアプリ「ASUS To-Do」
メモアプリ「MyBitCast」
手描き可能なノートアプリ「SuperNote Lite」
画像編集アプリ「ASUS Artist」
写真管理アプリ「ASUSスタジオ」
ASUS Story
動画編集アプリ「Movie Studio」

 さらに、AV関連では好みに合わせて画質をカスタマイズできる「ASUS Splendid」、再生カテゴリに合わせて音質を最適化する「AudioWizard」といったアプリをプリインストール。また、アプリをパスワードでロックできる「App Locker」、ソーシャルネットワークサービスの統合管理アプリ「BuddyBuzz」、電子書籍管理アプリ「My Library Lite」など、非常に幅広いジャンルのアプリをプリインストール。オンラインストレージアプリ「WebStorage」は16GBまで1年間無料で利用することができる。

画質を調整できる「ASUS Splendid」
アプリを個別にロックできる「App Locker」
音質を最適化するアプリ「AudioWizard」
ソーシャル統合アプリ「BuddyBuzz」
電子書籍管理アプリ「My Library Lite」
オンラインストレージ「WebStorage」

 他社製アプリもBookLiveの電子書籍アプリ「BookLive!Reader for Partners」やYahoo! JAPANの電子書籍アプリ「Yahoo!ブックストア」、デジタルアーツのフィルタリングアプリ「i-フィルター」を用意。ただし、BookLiveは前バージョンの「BookLive! for ASUS」をアップデートする形で新しいアプリをインストール必要があるほか、Yahoo!ブックストア、i-フィルターもサイトのショートカットのみでインストールは自分で行なう必要がある。

「BookLive!Reader for Partners」は手動アップデートによるインストールが必要
Yahoo!ブックストア
フィルタリングアプリ「i-フィルター」

 文字入力はFSKAREN。フリック入力対応の10キーやQWERTYキーボード、手書き入力にも対応する。設定関連では独自の「ASUSUカスタマイズ設定」も搭載、マルチタスクボタン長押しでスクリーンショットをキャプチャする、使用中のコンテンツに合わせてバックライトの輝度を自動調節するといったカスタマイズが可能だ。

文字入力はFSKAREN
独自カスタマイズが可能な「ASUSカスタマイズ設定」

カメラとmicroSDを必要とするユーザーは買い

 7型のAndroidタブレットはどうしてもNexus 7と比較することになるが、MeMO Pad HD7は16GBモデルであればNexus 7とほぼ同額、スペック面でもNexus 7にはない背面カメラとmicroSDカードスロットを搭載するなど、Nexus 7と比べても十分魅力的な端末と言える。本体の質感はNexus 7に比べるとやや落ちるものの、スペック面で優位性があると言えるだろう。一方、NFCといった基本機能のほか、最新OSへのバージョンアップが比較的早く行なわれやすい、というGoogle製タブレットに魅力を感じるのであればNexus 7がお勧めだ。

 プリインストールアプリの多さもNexus 7に比べて異なるポイント。プリインストールアプリを好まないユーザーもいるだろうが、Android自体はあまり作り込まれていない「素」に近い状態のためあまり気にならない。浮動アプリなどNexus 7にはないユニークな仕組みもあり、こうしたアプリを使いこなせばNexus 7よりも便利に活用できるだろう。

 以前にレビューした「Fonepad ME371MG」は、Nexus 7のSIM対応モデルとほぼ同スペックながらカメラを備えたモデルであり、MeMO Pad HD7もその関係に近い。「Nexus 7が欲しいけれど、カメラ機能も必要」というユーザーにとって、SIM対応モデルであればFonepad、SIM不要であればMeMO Pad、という棲み分けがうまくできそうだ。

(甲斐 祐樹)