Hothotレビュー

東芝「dynabook V713/28J」

~ペン対応11.6型フルHD液晶搭載の脱着式Ultrabook

東芝「dynabook V713/28J」
発売中

価格:オープンプライス

 東芝は、液晶部脱着式で、ノートPCとしてもタブレットPCとしても利用できるUltrabook新モデル「dynabook V713/28J」を発売した。CPUに超低電圧版Core i5-3339Yを採用することで、性能とバッテリ駆動時間のバランスに優れるとともに、デジタイザー対応タッチパネル搭載で、指でのタッチ操作だけでなく、付属のペンを利用した軽快なペン入力が行なえる点も特徴となっている。

シリーズ初の液晶部脱着式Ultrabook

 タッチを前提とした新UIを採用するWindows 8登場以降、ノートPCとしてもタブレットPCとしても利用できる、コンバーチブル型ノートPCが各社から続々登場している。dynabookシリーズとしても、液晶部を後方にスライドさせる独特の機構を採用したコンバーチブル型Ultrabook「dynabook R822」シリーズが2012年に登場しているが、今回新たに登場した「dynabook V713/28J」(以下、V713/28J)は、液晶部脱着構造を採用したコンバーチブル型Ultrabookとなっている。他社からも、液晶部脱着式Ultrabookはいくつか登場しているが、dynabookシリーズとしてはこのV713/28Jが初となる。

 液晶脱着式ということで、当然ながらCPUやメモリ、ストレージ、バッテリなどPCを構成するパーツは全て液晶側に搭載している。そのため、どうしても液晶部が分厚くなってしまい、キーボード側と合わせると、一般的なノートPCよりもやや厚くなってしまう。しかし、V713/28Jでは、キーボードドックと合わせても最厚19.9mmと、20mmを切る薄さを実現している。この薄さを実現できている理由は、キーボード側にある。

 V713/28Jの液晶部分のサイズは、299×189×12.4mm(幅×奥行き×高さ)と、一般的なタブレットPCや液晶脱着式ノートPCとほぼ同等の厚さとなっている。それに対し、キーボードドックを横から見てみると、キーボードドック後方はやや厚くなっているものの、手前のキーボード部分が非常に薄い構造となっていることが分かる。つまり、キーボード部分を非常に薄くし、そこに液晶部を収納する構造にすることによって、キーボードドックに装着した状態でも薄いボディを実現しているわけだ。

本体をキーボードドックに装着した状態。クラムシェル型Ultrabookと同等に利用できる
本体正面。ドッキングさせた状態でも高さは19.9mmと、20mmを切る薄さを実現
左側面。こちらから見ると、キーボードドックのキーボード付近を極端に薄くすることで、本体を薄くしていることがよく分かる
背面。こちらから見ると、液晶部が取り付けられていることがほとんど分からない
右側面。側面からキーボードドックの薄さを見ると、キーボードが搭載されているとは思えないほどだ
キーボードドックから液晶部を取り外すには、ヒンジにあるロックをスライドさせて引き抜けばいい。特に強い力は不要で、脱着は軽快だ
液晶部のみの下部側面。単体の仕様は、一般的なWindows 8タブレットとほぼ同等だ
液晶部左側面。液晶部の高さは12.4mmと、特別薄いことはなく標準的なサイズだ
液晶部上部側面。デザインやカラーは比較的シンプルだ
液晶部右側面。側面付近はわずかに絞られているが、高さはほぼフラットだ
液晶部を取り外せばWindows 8タブレットとして利用可能。フットプリントは299×189mm(幅×奥行き)と、11.6型液晶搭載タブレットとしてほぼ標準的なサイズだ
キーボードドックのフットプリントは、299×220.5mm(同)と、液晶部よりも30mmほど奥行きが長い

 また、重量の軽さも見逃せない特徴の1つ。V713/28Jの重量は、液晶部が公称約870g、実測では842.5gと、タブレットPCとして一般的な重量となっているのに対し、キーボードドックを加えた重量は、公称で約1.47kg、実測でも1,428.5gと1.5kgを切っている。これは、一般的なUltrabookと考えても、まずまず軽いと言える重量であり、その重量の中で液晶脱着構造を実現しているのは、なかなか魅力と言える。

 キーボードドックから液晶部を外す場合は、ヒンジ部のスライドスイッチをスライドさせて行なう。スイッチや液晶部の引き抜きに強い力は不要で、簡単に取り外しが可能。ドッキング時は、液晶部をヒンジにカチッと音がするまで押し込むが、この場合も特に強い力は不要。液晶部の脱着は十分に軽快だ。

 ボディカラーはシルバーメタリックの“アルティメットシルバー”で、液晶天板部分に細かな凹凸のエンボス加工が施されている点など、dynabookシリーズらしい特徴が受け継がれている。全体的には、目立つ装飾などは一切なく、落ち着いた印象となっている。

 ボディ素材は、内側にマグネシウム合金、外側に高剛性樹脂を採用し、軽さだけでなく優れた堅牢性も確保。V713/28Jでは、平面100kgの加圧試験、76cmの落下試験などの堅牢性テストをクリアしており、外出時でも安心して持ち歩けると言っていいだろう。

液晶天板部は高剛性樹脂を採用。また、内側にはマグネシウム合金を採用し、優れた堅牢性を確保。シルバーメタリックのボディカラーや表面の細かな凹凸といったデザインは、dynabookシリーズを踏襲
キーボードドックを合わせた重量は、実測で1,428.5gと1.5kgを切っている。脱着式Ultrabookとしてはなかなかの軽さだ
液晶部単体の重量は、実測で842.5g。こちらは、標準的な重量だ

フルHD表示対応の11.6型IPS液晶に、デジタイザーも搭載

 液晶は、1,920×1,080ドット表示対応の11.6型液晶を搭載。この液晶はIPS方式のパネルのため視野角が広く、タブレットモードで縦位置や横位置でも優れた視認性が確保されている。また、液晶表面には非光沢フィルムが貼られているため、外光の映り込みが低減され、文字入力も快適に行なえる。光沢液晶に比べるとやや発色の鮮やかさが劣る印象だが、表示品質自体は満足できるレベルとなっている。

 液晶表面には、静電容量方式と電磁誘導方式の双方に対応するタッチパネルを搭載し、指でのタッチ操作だけでなくデジタイザーペンによるペン入力も可能となっている。デジタイザーペンは1,024段階の筆圧検知に対応。また、液晶表面に貼られた非光沢フィルムによって適度な抵抗が生まれ、非常に心地よいペン入力が可能だった。液晶部にはリザーブペンの収納スペースが用意されており、リザーブペンを利用した入力も可能だ。

1,920×1,080ドット表示対応の、11.6型液晶を採用。広視野角のIPSパネルを採用しており、視点を移動させても明るさや発色の変化が少ない点は嬉しい
液晶表面に非光沢仕様のフィルムが貼られているため、光沢液晶に比べるとやや発色の鮮やかさが劣る印象だが、表示品質は十分満足できるレベルだ
液晶表面には、静電容量方式と電磁誘導方式の双方に対応するタッチパネルを搭載。1,024段階の筆圧検知に対応するデジタイザーペンが付属する
液晶表面に貼られたフィルムによって、ペン先に適度な抵抗が生まれ、心地よいペン入力が可能となっている
液晶部にはリザーブペンが収納されており、そちらを利用してもペン入力が可能
リザーブペンは、デジタイザーペンに比べるとかなり細いが、こちらでも非常に軽快な入力が可能だ

タッチパッドとスティック型のアキュポイントを搭載

 キーボードドックに用意されているキーボードは、dynabookシリーズで広く採用されているものとほぼ同等の、アイソレーションタイプのキーボードとなっている。キーボード部はかなり薄い構造となっているが、キーボードバックライトが搭載されている点は嬉しい。主要キーのキーピッチは約19mと余裕がある。縦のピッチがやや短いため、若干の違和感を感じるものの、慣れればタッチタイプも問題ないだろう。ただし、キーボード部の薄型化を突き詰めたことによる影響と思われるが、ストロークが約1.02mmと短く、クリック感がやや弱い点は少々気になった。

 ポインティングデバイスは、キーボード手前のタッチパッドに加えて、スティック型のアキュポイントを同時搭載している。アキュポイントは、以前のdynabookシリーズで広く採用されていたが、最近では採用例がほとんどなかった。ただ、レノボ製ノートPCに広く採用されているトラックポイントと並んで、キーボードのホームポジションから指を移動することなくカーソル操作ができることで根強い人気がある。

 V713/28Jに搭載されているアキュポイントの使い勝手は申し分なく、スティック型ポインティングデバイスが手放せないユーザーにとって嬉しい仕様と言える。それに対し、キーボード手前に用意されているタッチパッドは、縦の幅が狭く、クリックボタンがパッド上部に配置されることもあって、やや使いにくい。とはいえ、基本的にはアキュポイントと液晶面のタッチ操作が利用できるため、タッチパッドの使い勝手の悪さはそれほど大きな欠点とはならないだろう。

 ところで、キーボードドックは非常に薄くなっていることもあり、バッテリは搭載しない。他社製の液晶脱着式ノートPCでは、キーボード側にもバッテリを内蔵することで、液晶側のバッテリと合わせて長時間の駆動を可能としている製品が少なくないが、V713/28Jにはそういった特徴がなく、液晶単体でもキーボードドック装着時でもバッテリ駆動時間に差がない。

 また、液晶部に比べてキーボードドックがかなり軽いため、重量配分がかなりいびつになっている。そのため、本体が後方に倒れないように、ヒンジは100度ほどまでしか開かないようになっている。実際にデスク上で使ってみたが、個人的には100度ほどの角度では液晶面が垂直に近すぎで、かなり使いにくく感じた。さらに、椅子に座って膝の上に置いて使うというような場面では、画面がかなり見にくくなる。しかたなくキーボードドックごと液晶面を後方に倒そうとすると、液晶部の重さで本体が後方に倒れてしまう。

 この点は、液晶部が重くなるという脱着型ノートPCの仕様上しかたのない部分ではあるが、ノートPC形状での利便性を考えるとかなり残念だ。

キーボードは、アイソレーションタイプで、従来のdynabookシリーズとほぼ同等の配列となっている
アルファベットキーのキーピッチは、横は約19mmだが、縦はやや狭くなっているため、使い始めはわずかに違和感を感じるが、慣れればタッチタイプも問題ない
Enterキー付近の一部キーは横ピッチが狭くなっている
ストロークは約1.02mmとかなり浅く、クリック感も弱め。この部分は、キーボードドックの薄型化による影響だろう
キーボードドックは非常に薄いが、キーボードバックライトを標準搭載。暗い場所での入力も軽快だ
スティック型ポインティングデバイス「アキュポイント」を久々に搭載。ホームポジションから手を離すことなくカーソル操作が行なえる
キーボード手前にはタッチパッドも搭載。クリックボタン一体型ではなく、下部にクリックボタン用の領域を用意。縦がやや狭く、一般的なUltrabookのタッチパッドよりやや使いにくく感じるが、アキュポイントがあるため大きな不満はない
液晶部の重量がキーボードドックよりも重いこともあり、液晶は100度ほどまでしか開かない。液晶面の角度が垂直に近く、デスク上でもやや使いにくく感じる場面がある

外部ポートを豊富に用意

 V713/28Jの基本スペックは、まずまず充実している。CPUは、Core i5-3339Y(1.5GHz、ビデオ機能内蔵)を採用。TDP 13Wの超低電圧版モデルで、動作クロックは1.5GHz、ターボブースト時の最大クロックも2GHzと、Ultrabookで広く採用されているUシリーズよりも動作クロックが低くなっている。最新の第4世代Coreプロセッサシリーズでもないが、性能的に大きく劣ることはなく、それほど大きな問題ではない。チップセットはIntel HM76 Express、メインメモリは標準で4GB搭載するが、増設は不可能だ。グラフィックス機能は、CPU内蔵のIntel HD Graphics 4000を利用。内蔵ストレージは、128GB SSDを標準搭載する。

 通信機能は、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LANとBluetooth 4.0を標準搭載。Gigabit Ethernetも搭載するが、LANコネクタはキーボードドック側にのみ用意されるため、タブレット単体で有線LANは利用できない。

 センサー類は、電子コンパス、加速度センサー、ジャイロセンサー、照度センサーを搭載。また、液晶面に約100万画素、背面に約300万画素のWebカメラも搭載する。

 ポート類は、タブレット側とキーボードドック側それぞれに用意される。まずタブレット側には、左側面に電源コネクタ、SDカードスロット、Micro HDMI出力、USB 3.0×1ポート、ヘッドフォン/マイク共用ジャックを備える。またキーボードドックには、左側面にUSB 2.0×1ポート、背面に有線LANポート、HDMI出力、アナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)、右側面に電源コネクタが用意される。タブレット側に標準サイズのUSB 3.0ポートが用意されるため、外部周辺機器の使い勝手に優れる点は嬉しい。ただ、キーボードドックにも1ポートぐらいはUSB 3.0ポートを用意してもらいたかった。

液晶部右側面には、電源コネクタ、SDカードスロット、Micro HDMI出力、USB 3.0×1ポート、ヘッドフォン/マイク共用ジャックを備える。また、ボリュームボタンや電源ボタン、画面回転ON/OFFボタンなどの物理ボタンもこちらに配置
液晶面下部のWindowsボタンは物理ボタンとなっている
キーボードドック左側面にはUSB 2.0×1ポートを用意
キーボードドック背面には、Gigabit Ethernet、HDMI出力、アナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)がある
キーボードドック右側面には、電源コネクタを用意
液晶背面には、約300万画素のWebカメラを搭載
液晶面上部にも、約100万画素のWebカメラを搭載する
付属のACアダプタは、特にコンパクトなものではなく、Ultrabookに付属するACアダプタとしては標準的なサイズだ
ACアダプタの重量は、電源コネクタ込みで実測231gだった

Ivy Bridgeでも性能的に不満はない

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark Vantage Build 1.2.0」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Professional Edition v1.1.0」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」の7種類。比較用として、パナソニックの「Let'snote AX3」、東芝の「dynabook KIRA V832」の結果も加えてある。

 結果を見ると、Core i7-4500U搭載のLet'snote AX3はもちろん、Core i5-3337U搭載のdynabook KIRA V832よりも結果が劣っている。とはいえ、動作クロックの低いCore i5-3339Yを搭載するV713/28Jの結果が劣るのは当然であり、順当な結果と言っていいだろう。そして、ベンチマークテストの結果が比較機種より劣ってはいるものの、実際に使ってみた場合の体感で、動作の重さを感じる場面は全くといっていいほどなかった。搭載SSDの速度も十分に高速なため、OSやアプリの起動も非常に速く、非常に快適に利用できた。動画エンコードなど、重い処理を行なう場合には、上位CPU搭載機種との違いを感じる場面もあるとは思うが、WebアクセスやOfficeなどのビジネス系ソフトの利用といった場面であれば、全く不満を感じることなく利用できるはずだ。

 ちなみに、高負荷時には空冷ファンが勢いよく動作し、比較的大きな動作音がするが、通常時にはほぼ動作音は気にならない。また、高負荷時にはファン排気口付近も比較的高温となる。タブレットモードで高負荷作業を行なう場合には、やや気になるかもしれない。また、持つ時にファンの排気口を塞いでしまわないように注意する必要もありそうだ。

dynabook V713Let'snote AX3dynabook KIRA V832
CPUCore i5-3339Y(1.50/2.00GHz)Core i7-4500U(1.80/3.00GHz)Core i5-3337U(1.80/2.70GHz)
チップセットIntel HM76 ExpressInte HM76 Express
ビデオチップInte HD Graphics 4000Inte HD Graphics 4400Intel HD Graphics 4000
メモリPC3-12800 DDR3 SDRAM 4GBPC3-12800 DDR3L SDRAM 4GBPC3-12800 DDR3L SDRAM 8GB
ストレージ128GB SSD128GB SSD128GB SSD
OSWindows 8Windows 8Windows 8
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score378952114629
Lightweight score270935073145
Productivity score188426502271
Entertainment score260138113252
Creativity score781896409238
Computation score105501696814687
System storage score543351815375
Raw system storage score5454
PCMark Vantage x64 Build 1.2.0PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite10471N/AN/A
Memories Suite586586217828
TV and Movies SuiteN/AN/AN/A
Gaming Suite7473107999993
Music Suite114361831415402
Communications Suite11620N/AN/A
Productivity Suite13831N/AN/A
HDD Test Suite443874702340856
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark ScoreN/AN/AN/A
CPU Score593795138117
Memory Score517288127167
Graphics Score195830392774
HDD Score439534416444552
3DMark Professional Edition v1.1.0
Ice Storm217123851229350
Graphics Score240974111829880
Physics Score161263152227636
Cloud Gate255547393679
Graphics Score302158974339
Physics Score166028092402
Fire Strike371680535
Graphics Score384738581
Physics Score232736823388
3DMark06 Build 1.1.0 0906a
3DMark Score341461965186
SM2.0 Score110421081694
HDR/SM3.0 Score144625802215
CPU Score228436763180
Windows エクスペリエンスインデックス
プロセッサ6.37.16.9
メモリ5.95.97.4
グラフィックス4.65.85.6
ゲーム用グラフィックス6.16.56.4
プライマリハードディスク7.48.18.0
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット157327692479
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編
1,280×720ドット1449

 次に、バッテリ駆動時間だ。V713/28Jの公称のバッテリ駆動時間は、タブレット単体、キーボードドック装着時ともに約7時間とされている。そこで、Windowsの省電力設定を「省電力」に設定し、バックライト輝度を40%、無線LANを有効にした状態で、「BBench」でキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測してみたところ、約6時間の駆動を確認した。公称より1時間短いが、計測条件から考えると、かなり優秀な結果と言える。もちろん、搭載CPUが第4世代Coreプロセッサであれば、より長時間の駆動が可能になるとは思うが、実計測で6時間利用できるなら、1日の外出時でもほぼ問題ないだろう。

ビジネス向けとしておすすめのコンバーチブルUltrabook

 V713/28Jは、通常のUltrabookに採用されるUシリーズCoreプロセッサよりも消費電力の低い、YシリーズCoreプロセッサを採用することで、性能とバッテリ駆動時間のバランスに優れる製品だ。この時期に発売される製品としては、第3世代Coreプロセッサ採用という点は少々残念ではあるが、性能やバッテリ駆動時間に大きな不満はなく、通常のUltrabookとほとんど遜色のない感覚で利用可能だ。

 キーボードドック装着時に液晶面の角度を深く倒せないため、やや使いにくいと感じる場面がある点はやや気になるが、フルHD液晶による十分に広い作業環境が確保されている点や、非常に書き味に優れるデジタイザーを搭載する点、スティック型ポインティングデバイスのアキュポイントを搭載する点など、気になる部分を十分に補ってくれる魅力も多い。デスク上ではキーボードドックを装着して通常のUltrabook相当として活用し、外出時にはタブレットのみを持ち出し、ペンを利用したプレゼンを行なうというように、特にビジネスシーンで利用するUltrabookを探している人にお勧めしたい。

(平澤 寿康)