ゲーミングPC Lab.

レノボ・ジャパン「ideacentre Y700」

〜目を引く外見とベーシックな設計のゲーミングPC。価格性能比の高い1台

ideacentre Y700

 レノボ・ジャパンは、デスクトップゲーミングPCの新ラインナップとなる「ideacentre Y700」の展開を10月30日より開始した。

 レノボ・ジャパンのデスクトップゲーミングPCには「Erazer X」シリーズがあったが、こちらは終息状態になっている。そこに代わって、突如投入されたのが今回の「ideacentre Y」シリーズとなる。ネーミングから見ても、全く別の製品ということになるようだ。

 今回はシリーズ3機種のうち、最もスペックが高い「ideacentre Y700 - 90DF0001JM」を試用する機会が得られたので、性能や使い勝手を見ていきたい。

汎用性を求めたゲーミングPC「ideacentre Y700」

 「ideacentre Y700 - 90DF0001JM」の主なスペックは下記の通り。価格は12月10日時点での標準価格は16万円、販売開始記念価格として20%オフになっており、128,000円で購入できる。

【表1】ideacentre Y700 - 90DF0001JMの仕様
CPU Core i7-6700
GPU GeForce GTX 960(2GB)
メモリ 16GB DDR4-2133(8GB×2)
HDD 1TB(SSHD、8GB NANDフラッシュ)
SSD 120GB
ODD DVDスーパーマルチドライブ
OS Windows 10 Home 64bit
販売価格(税抜き) 160,000円

 CPUはCore i7-6700、GPUはGeForce GTX 960という組み合わせ。GPUはシングルファン構成のリファレンスデザインのようで、ラベルなどが一切ない真っ黒な外観になっている。

 ユニークなのがストレージで、120GBのSSDと1TBのSSHDという高速性重視の2ドライブ構成になっている。今回はSSDに2.5インチのSamsung製「MZ7LF120HCHP-000L1」、SSHDに3.5インチのSeagate製「ST1000DX001」が使われていた。メインメモリはDDR4-2133の16GB。今回はSamsung製の8GBメモリが2枚の構成だった。

 電源についてはスペックに記述がないが、今回の試用機にはAcBel製の「PC7033-EL3G」(450W、80PLUS BRONZE)が使われていた。ほかにはIEEE 802.11ac/a/b/g/n対応の無線LANや、Bluetooth 4.0も搭載している。

 構成のカスタマイズは一切できないが、保守期間を標準の1年から、2年または3年に有償で延長できるオプションが用意されている。

 スペックだけを見ると、ゲーミングPCとしてはミドルクラスの位置付け。CPUが比較的上位で、メインメモリも多め、無線LANも搭載という構成から見ると、ゲーム以外にもマルチに使える1台に仕上げようという方向性を感じる。

 本体サイズは479×206×504mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約15kg。天面に手が入りそうな隙間があるものの、片手で持ち上げるには少々苦労する重さだ。サイズ的には一般的なATXミドルタワーと同等で、やや奥行きが短めだろうか。

 その他のラインナップとしては、Core i5-6500、GeForce GTX 750Ti 、8GBメインメモリ、1TB SSHDなどの「90DF0002JM」が109,000円、Core i5-6500、ビデオカードなし、4GBメインメモリ、120GB SSDなどの「90DF0003JM」が87,000円。12月10日時点ではいずれも20%オフが適用される。

フルHDなら十分な性能。SSD+SSHDもバランス良好

 続いて各種ベンチマークソフトのスコアを見ていきたい。利用したのは、「3DMark v1.5.915」、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」、「ドラゴンズドグマ オンライン ベンチマーク」、「バイオハザード6 ベンチマーク」、「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」、「CINEBENCH R15」、「CrystalDiskMark 5.0.3」。

 ゲーム系のベンチマークテストの結果を見ると、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(DirectX 11)で最高評価の「非常に快適」を得るなど、フルHDではいずれも全く問題ないスコアが出ている。ただ4Kにすると「設定変更を推奨」とされるところまで落ちてしまうので、性能不足という印象だ。

 ストレージはSSDのリードは500MB/secを超えていて高速だが、ライトは140MB/sec程度でやや遅め。SSHDの方はNAND搭載のおかげかライトが速く、HDDとして見ればかなり良好なスコアが出ている。SSDとSSHDを組み合わせるという構成はあまり見ないが、SSDは最小サイズでOS起動用、その他のゲームなどのアプリは基本的にSSHDに入れるという考え方で行けば、この組み合わせはコストとパフォーマンスの両面に秀でた、よいバランスだという見方もできる。

【表2】ベンチマークスコア
「3DMark v1.5.915 - Fire Strike」
Score 6,642
Graphics score 7,520
Physics score 11,808
Combined score 2,624
「3DMark v1.5.915 - Sky Diver」
Score 20,530
Graphics score 24,431
Physics score 11,004
Combined score 22,837
「3DMark v1.5.915 - Cloud Gate」
Score 23,574
Graphics score 47,824
Physics score 8,496
「3DMark v1.5.915 - Ice Storm Extreme」
Score 135,452
Graphics score 231,675
Physics score 55,204
「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(DirectX 11)
3,840×2,160ドット/最高品質 1,802
1,920×1,080ドット/最高品質 7,191
「ドラゴンズドグマ オンライン ベンチマーク」
1,920×1,080ドット/最高品質 10,480
「バイオハザード6 ベンチマーク」
1,920×1,080ドット 10,784
「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」
1,920×1,080ドット/簡易設定5 42,607
「CINEBENCH R15」
OpenGL 138.67fps
CPU 813cb
CPU(Single Core) 171cb
CrystalDiskMark SSD(MZ7LF120HCHP-000L1)
CrystalDiskMark HDD(ST1000DX001)

目立つ外見とコストパフォーマンスに優れた設計の組み合わせ

電源を入れると正面の赤い部分が光る

 次は外見を見ていく。ケースは黒をベースに赤のワンポイントが入ったデザイン。正面は格子状の凹凸を付けた表面加工がされており、光の当たり具合で斜めのラインが入ったように見える。また正面がやや斜めに出っ張った形状で、裂け目のように入れられた赤いパネル部分は電源を入れると光る。発光部分はここだけで、それほど派手な印象でもない。

 電源ボタンは天面にある。前面のUSB端子や音声入出力端子、SDカードスロットも上向きになっており、床置きでの使用をイメージして設計されているようだ。

 ケース内部にアクセスするための左サイドパネルは、天面後方にある柄の違う部分を押し込むとフックが外れ、ドライバーなどの工具を使わずにワンタッチで開けられる。戻す時もサイドパネルをはめ込むだけでカチッとはまるので使いやすい。本体を持ち運ぶ時にうっかりサイドパネルが開かないよう、背面にはロックをかけるスイッチも用意されている。

 内部もオーソドックスなATXケースという風情で、背面に12cmファン、電源は下部に配置されている。ドライブベイは5インチが2つ(空き1)、3.5インチベイが4つ(空き2つ)。ビデオカードが入る部分はドライブベイがなく、狭い奥行きでも長いビデオカードを組み込めるようになっている。背面配線もできており、見た目にはかなりすっきりしている。

 マザーボードはレノボのオリジナルのようで、PCI Express×16スロットは1つだけ(ビデオカードで使用済み)。他はPCI Express×1スロットが4つ空きとなっている。

 実際の使用感だが、ワンタッチではめるという構造や、左側面や上部にスリットが空いている形状から、音は比較的漏れやすいようだ。ただ内部の騒音が元々控えめなので、アイドル時は動作しているのが分かる程度。ベンチマークテストなどの高負荷時もわずかに騒音が大きくなる程度であまり変化がない。実使用時にはゲームプレイ等で音が出ることを考えれば、問題ない範囲の騒音に収まっている。

 総合的に見ると、本機は意外とベーシックに設計されたゲーミングPCだ。ケースは放熱重視でメンテナンス性がよく、内部スペースにも余裕がある。正面のパネルは独特なデザインだが、それ以外は適度にコストを抑えながらも利便性を高める方向に向いたPCであることが分かる。

 スペック的には売れ筋のミドルクラスで、独特な見た目と使い勝手の良さを両立したのが本機の魅力。「Erazer X」シリーズにあったワンボタンオーバークロックのような独自機能はないものの、オーソドックスなゲーミングPCを求めつつ、デザイン的にはちょっと変わったものが欲しいという人にはぴったりだ。

 価格的には、キャンペーンの20%オフが効いている現状だと、かなり競争力がある。ホワイトボックス系のゲーミングPCでも、16GBのメインメモリやSSD+SSHDという構成を考えると、もう少し値段が上がってもおかしくない。コストパフォーマンスに加えて、有償ながら保証を3年まで延長できるのも安心感がある。もし見た目が気に入ったなら、検討しても損はない仕上がりだ。

電源ボタンやUSBなどの端子は天面にある。電源ボタンは大きめで押しやすい
天面にも赤い色が入っているが、一部がスリットになっており発光はしない
天面後部にある部分を押し込むと、左サイドパネルを外せる
左側面はスリットが開けられている。後方は凹凸がある
右側面にはスリットはないが、こちらも凹凸がついたデザイン
背面はシンプル。電源は下部で、12cmファンが取り付けられている
底面は電源の排気口のみ。足は柔らかいゴム製
左サイドパネルを外したところ。ビデオカードが入る部分は大きく空けられている
CPUファンはAVC製。リテールファンよりやや大きめか
ビデオカードはGeForce GTX 960だが、ラベルなどはなく外見ではわからない
電源はAcBel製の450W
SSDとSSHDはトレイに固定されており、簡単に引き出せる

(石田 賀津男)