ニュース

SK hynix、PCI Expressベースで拡張できる「CXL」メモリ。1.15TBも達成可

CXLメモリのサンプル

 韓国SK hynixは8月1日(現地時間)、同社初となるDDR5のDRAMをベースとしたCXLメモリのサンプルを開発したと発表した。DDR5メモリ用のCXLコントローラを搭載し、サーバー向けのEDSFF(Enterprise & Data Center Standard Form Factor) E3.Sに準拠、PCI Express 5.0 x8レーンでホストと接続する。

 PCI ExpressをベースとしたCXLは、CPU、GPU、アクセラレータおよびメモリの利用効率を引き上げられる標準インターフェイス。今回のCXLメモリのサンプルはPCI Express 5.0 x8でCPUに接続することで、メモリスロット以上の容量を達成でき、よりフレキシブルな構成を実現する。

 今回のサンプルは、最新の1anmプロセスルールで製造された24GbのDDR5 DRAMを採用することで、1枚あたり96GBの容量を達成。CXL対応システムに組み込むことで、標準で260GB/s~320GB/sのメモリバス幅ならびに最大768GBのメモリ容量を、360~480GB/sのバス幅および最大1.15TBの容量に引き上げられるとしている。

これまでのサーバーのメモリはDIMMスロットで拡張していた
CXLメモリはPCI Expressベースで拡張できる

 なお、現在はEDSFF E3.S x8に対応したサーバーシステムがないため、SK hynixはこのEDSSFをPCI Expressに変換する専用サンプルを提供し、顧客が既存のPCI Expressスロットに挿して評価できるようにしている。

 また、CXLメモリ専用の「Heterogeneous Memory Software Development Kit(HMSDK)も開発。さまざまなワークロードを実行しながらシステムを監視するための機能や、システム性能を向上させる機能を搭載しており、これを利用することでCXLメモリをより効果的に活用できるようになるという。

 CXLメモリのサンプルは、8月初旬の「Flash Memory Summit」、9月末に実施される「Intel Innovation」、および10月に開催されるOpen Compute Project(OCP) Global Summit」を皮切りにさまざまなイベントで展示される予定で、2023年に量産を開始し、メモリソリューションとして発売する予定。