【ランキング】
※今後、新製品の登場、既存機種のメリット&デメリットの新規発見、実販価格の変動などにより、随時ランキングが変わりますので、ご了承ください。 5月13日からのビジネスショーを目前に、水面下であわただしい動きを見せ始めたデジタルカメラの世界。各社とも世代交代といえるほど意欲的な新製品が発表される可能性が高く、今回の機種の中でも、新機種発売と同時にランキングから姿を消しそうな機種が半数を越えるかも!?。もっとも、発表後即座に発売されるわけではないので、逆に市場では在庫処分の破格値がつくことも予想されるだけに、意外な超お買い得機種が一時的に登場する可能性もある。 そんな激動のランキングだが、今回は第2回目のランキングから首位をキープしていた「富士写真フイルム DS-7」が生産完了で市場在庫のみとなったこともあって、姿を消した。これを機会に既存機種を改めて使い比べ、実販価格と照らし合わせた結果が、今回のランキングとなっている。 なお、「松下 COOLSHOT2」や「ミノルタ Dimage V」「富士写真フイルム DS-10」などはまだ発売されていないため、今回のランキング対象となっていない。 【ランク理由】 1位は、いろいろと悩んだ結果、「DS-7」の上級機(実質的な後継機)といえる「DS-8」とした。しかしこれは、積極的な選択肢というよりも、実販価格がこなれてきたことと、他機種との比較の結果の消去法で残った“暫定1位”という意味合いが強い。もちろん、実際にランクインしている機種を使い比べてみても、軽快さ、シャッターチャンスのつかみ易さ、色再現性、電池の持ち時間(付属のNi-Cd使用時)、パソコンへの転送の容易さなどの点でライバル機よりもやや優れている。さらに、スマートメディアの4MB仕様の出荷開始や、フラッシュパスによるフロッピードライブでの入力、今秋からのラボでのプリントサービスへの対応など、周辺環境の充実ぶりも、本機を1位とした大きな理由となっている。このモデルがNi-Cd電池や充電器まで込みで実販4万円代前半なのだから、このコストパフォーマンスはかなりなものといえる。もっとも、「DS-7」がベースのモデルであることを考えると、個人的にはいまだに本機を上回るバランスのいいモデルが登場しないのは、実に残念ではあるが……。 2位は前回同様、「キヤノン Powershot 350」「松下 CardShot」「コニカ Q-mini」の3兄弟。こちらも実販価格が5万円を割るなど、徐々にこなれてきており、なかなか魅力的。また、補色系CCDをうまく使いこなすことで、原色系CCDを上回る解像感ある画像を実現している点も注目に値する。このあたりは、色と階調の「DS-8」、シャープさの3兄弟という具合に、明確に絵作りの個性が異なっているわけだ。しかし、本機を2位にした理由として、ボディーサイズ(とくに厚み)、液晶表示の粗さ、ゴチャゴチャした操作系、蛍光灯や電灯光(タングステン光)下での階調再現性(ハイライトがかなり飛びやすい)などがネックとなっている。また、本ランキングでは3機種を便宜的にまとめているが、Powershot350とQ-miniを同一条件で撮影した結果、シーンによっては若干写りが異なることが認められたので、内部のチューニングがブランドによって微妙に異なっていることが予想される。 3位も迷いに迷った末、「DSC-V1」とした。やはり、現時点では本機の“気持ちよさ”は高く評価できるうえ、実販価格も一部では6万円を割っていることもあって、今回はベスト3に食い込んだわけだ。もちろん、内蔵メモリー専用機であり、スペック的に古さを感じさせる部分もあるが、現行のデジタルカメラにもっとも欠けている、カメラとしての軽快感という点を評価したい。また、原色系CCDならではの明快な写りと、低温ポリシリコンTFTの美しさはやはり格別なものがある。しかし、やはり本機も消去法での暫定3位という感じは拭えない。 4位は、キャッシュバックを含めた実販価格と画質のバランスを考えて「DC120zoom」とした。筆者も購入し使っているが、画質に関しては90万画素CCDなりのものがあり、価格を考えれば十分にリーズナブル。また、3倍ズーム付きである点もやはり便利だ。しかし、使い込んでゆくと、やはりサイズが大きいうえ、液晶表示の品質が現行製品で最低レベルであること(おまけに私が購入したモデルは液晶表示が故障で使えない!!)、画像が若干ノイズっぽいこと、AF精度に若干の不安があることなど不満な点も多い。また、90万画素CCD+画像補間で“メガピクセル”を大々的にうたうという姿勢にも、疑問を感じる部分がある(無意味な“出力画素数”競争を招く可能性があるのが心配だ)。しかし、90万画素クラスで唯一の原色系CCD採用機だけに、色再現や階調再現性の点では補色系81万画素モデルである「C-800L」よりもクォリティーの高い画像を実現している点は高く評価したい。なお、今回は7月末までのキャッシュバックを考慮しての評価なので、新規にデジタルカメラを購入するキャッシュバック対象外のユーザーの場合には、その限りではないので注意して欲しい。 5位と6位は、返り咲きの「DC-2E」「DC-2L」。なにしろ、いずれも液晶付きでPCMCIAカードが利用できる、オートフォーカス採用モデルながらも、価格は3万円台と5万円前後とかなり手頃。機能的に考えると、この価格なら十分にお買得だ。もちろん、基本設計が古いこともあって、ビデオ用の補色系CCD採用機であり、画像もノイズっぽいが、シャープ感という点では現行モデルでも屈指の存在。しかも、画像の記録時間もなかなか短いうえ、大容量で比較的安価なPCMCIAカードが利用できる点も注目に値する(もっとも、新規にカードを購入するなら、多少高めでもコンパクトフラッシュカード+PCMCIA変換アダプターを購入するべきだろう)。まあ、DC-2は昨年のビジネスショーで発表されたモデルだけに、今年のビジネスショーで後継機が登場してもおかしくないわけだが……。 7位は「Picona」。小型軽量で携帯性もよく、写りもまずまず。作りが少々安っぽいこともあって、個人的には実販価格はちょっと高いと思うが、実用的な道具として割り切れば、なかなかバランスのいい選択肢といえそう。もっとも、海外ではピストルと間違えられて命を失う可能性があるので、海外旅行用としてはオススメしかねるが……。 8位は、実販価格が下がってきて、そろそろ後継機がでるのかなあ~と個人的に思っている「CyberShot」(なんにも確証はないけどね)。ソニーの初物だけに、かなり力が入った商品だし、デジタルカメラの歴史を語る上で欠かせないモデルになりそうなので、コレクションアイテムとして購入するのもいいかも。また最近ではビデオ出力機能を生かして、静止画も撮れるテレビ会議用カメラとして使うという人も……。 9位は実販価格が7万円台半ばまで下がってきた「C-800L」。そろそろ後継機が登場してもいい頃だし、先頃エプソンからライバル機である「CP-500」が発表されたこともあって、正直いって、あまり積極的に選ぶ理由はないが、ライバル機が発売されるまでにあと1-2ヶ月はかかることを考えると、高画質で使いやすいモデルとしての存在価値は大いにある。 10位は、実販3万円台半ばというお手頃カメラ「COOLSHOT」。写りは決して褒められたレベルではないが、秒1コマという現行モデルで最速の連写性能は大きな魅力。また、この価格でコンパクトフラッシュカード採用機でありPCMCIA変換アダプターからシリアルケーブルやビデオケーブルまで付属しているので、かなりお買い得。PCユーザーの気軽なメモ用機と割り切ってしまえば、なかなか楽しめるモデルだ。 また、話題の130万画素モデル「DS-300」は、今回は価格帯の関係から番外とした。しかし、実販価格はすでに20万円を割っているところもあるようで、画質を考えると、超破格といってもいいレベル。真の高画質モデルを!という人には必見のモデルといえる。しかし、カメラとしての基本性能では、まだまだ疑問点も多く、とくに視野率(実際に写る範囲に対するファインダーで見える範囲の比率)が80%程度と低い点や、煩雑で面倒な詳細設定などは、このクラスのカメラとしては早急に改良を希望したい。
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■参考記事
[Reported by 山田 久美夫]