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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第114回:3月21日~3月24日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


3月21日

■■ソースネクスト、DVDやWindows 2000に対応した「携速2000」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000321/source.htm

ISO9660(ISO/IEC 9960)

 ISOによって標準化され'88年に発刊された、CD-ROMの論理フォーマット規格。
 CD-ROMは、オーディオCDのオーディオ記録部分を汎用的なデータの記録に用いたもので、'84年にSonyとPhilipsが、CDファミリーの規格書のひとつ「Yellow Book」で規定。その後、ISO/IEC(ISO/IEC 10149)やECMA(ECMA-130)、JIS(JIS X6281)の規格としても採用されている。

 この規格はCD-ROMの物理フォーマットのみを規定したもので、論理フォーマットについての規定は含まれていない。翌'85年、Apple ComputerやMicrosoft、DEC、3M、日立などを交え、ネバダ州のタホ湖(Lake Tahoe)にあるハイシェラホテル(High Sierra Hotel)で、論理フォーマットの標準化に向けた会合が持たれた。このグループは、ホテルの名にちなんで「High Sierra Group」と呼ばれ、'86年に異なるシステム間でも利用できる共通のファイルシステム「High Sierra Format(HSF)」が提案された。

 ISO/IEC 9660は、このHFSをベースに標準化された規格で、ディスクに記録できる各種情報や記録方法、ボリュームやディレクトリ(フォルダ)構造などが規定されている。ファイルシステムとしては、最大8階層(ルートを含む)までの階層化されたディレクトリ(フォルダ)構造を持つファイルシステムで、使用できる基本的な文字セットは、数字、英大文字、アンダースコア[_]の37文字のみ(作成側と読み出し側の合意があればこの限りではない)。
 ファイル名の文字数は、名前と「.」を除く拡張子の合計が1~30文字まで(※1)。ディレクトリ名は、31文字以下で拡張子は使用できないと規定されている。

 ISO/IEC 9660では、この仕様をベースにさらなる制限を設けた、計3種類のレベルを規定している。

 一般に汎用的なCD-ROMは、最も制限の厳しいレベル1が用いられる。CD-R/RWのライティングソフトにある「ISO9660形式」もこれを指し、この形式でディスクに直接書きこんだり、ディスクイメージを作成する。が、命名規則の制約が多いため、特定のシステムや用途では、以下のようなシステム固有のフォーマットが用いられることも多い。

(※1)規格では「;」で区切ってファイルのバージョン番号(1~32767)を持たすこともできるが、一般には使われていない。


3月22日

■■元麻布春男の週刊PCホットライン
  期待のMPEG-2録画カード「SmartVision Pro」を試す
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000322/hot85.htm

アナログオーバーレイ/デジタルオーバーレイ(analog / digital overlay)

 ディスプレイにビデオの映像などを重ね合わせて表示する方式。
 アナログオーバーレイは、アナログのビデオ信号のレベルで合成する方法。デコーダーカードなどのオーバーレイを行なうハードウェアが、ビデオカードのディスプレイ出力をいったん取り込み、映像を重ね合わせて出力する。バスが遅かった時代には、フルサイズ、フルモーションのビデオをオーバーレイできる唯一の方法だったが、オーバーレイ側のハードが、ビデオカードの解像度やリフレッシュレートにどこまで追従できるかという問題がある。また、アナログ信号を扱う関係から、一般に画質が劣化する可能性も高い。

 デジタルオーバーレイは、デジタルデータの段階で合成する方法で、基本的には、通常の画面表示と同じようにビデオカードのフレームバッファに合成するデータを書き込む。大量のデータ転送が発生するため、バスが遅い時代には、ビデオカードと専用のデコーダーカードの組み合わせで実現したり、そのためのインターフェイス規格などが策定されたこともあったが、現在はバス経由でデータ転送を行なうのが一般的となっている。アナログ方式と違い、システムのパフォーマンスに大きく左右される欠点があるが、アナログ方式のような相性の問題は発生しにくい(※1)

 いずれの場合も、他のウィンドウの背後に回る部分などは、映像を合成しないように表示しなければならない。これを実現するために、映像を表示するアプリケーションの表示エリアは、特定のキーカラーで塗りつぶされており、この色を透過色として合成時の制御を行なっている。

(※1)DirectDrawがオーバーレイ用のAPIを提供しており、現在はこれを使った製品が多い。他のAPIと違い、オーバーレイサーフェイスはソフトウェアによるエミュレートが行なわれないため、ハードウェアがサポートしていなければ利用できない。


3月23日

■■シャープとソニー、2インチMOの新規格を共同開発
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000323/ssmo.htm

ランド/グルーブ(land/groove)

 レコードや光ディスクの盤面に付けられた、ピックアップを正確にトラッキングするための案内溝をグルーブ。溝と溝の間の平面をランドという。

 レコードは、レコード針が盤面に刻まれたスパイラル状の溝をトレースしている。溝の両側はそれぞれ、左右のチャンネルのアナログ信号に応じた振幅になっており、この微妙な溝の変化で記録する仕組みになっている。このような、案内溝に記録する方式をランド記録(レコーディング)という。

 CDやDVDなどでは、盤面にピット(pit)と呼ばれる窪みを作り、反射率の違いを検出する仕組みになっている。ピットは、スパイラル状に連なっており、データの記録と同時に、ピックアップの案内役も兼ねる。

 後から記録するRやRWの場合には、このようなピットは無く、その代わりにレコードと同じようなトラッキング用の案内溝が刻まれている。ピックアップは、この溝――すなわちグルーブに沿って盤面をトレースし、有機色素や金属膜などで作られた記録層を変化させ、ピットに相当する、反射率の違うマークを付けていく。レコードとは全く異なるが、これもグルーブ記録方式である。

 DVD-RAMや先頃シャープとソニーが共同開発した2インチMOの場合には、より高い記録密度を得るために、溝と溝の間のランドの部分にも記録する方式が採られており、このような方式をランド・グルーブ記録と呼んでいる。

【参考】
□CD-R
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971224/key12.htm#cd_r
□CD-RW
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971224/key12.htm#cd_rw
□DVD-ROM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980127/key15.htm#dvd-rom
□DVD-RAM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980127/key15.htm#dvd-ram
□DVD+RW
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980708/key37.htm#dvd+rw
□DVD-R
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981029/key52.htm#DVD-R
□DVD-RW
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991014/key94.htm#DVD_RW

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp