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CEATEC JAPAN 2005レポート 松下とソニーからBDドライブ内蔵PC会期:10月4日~8日(10:00~17:00) 会場:幕張メッセ 入場料 本レポートでは、松下電器産業やソニーでの展示内容を中心にPCに関連したものをピックアップする。 ●松下のBDドライブ内蔵ノートや液冷CPUクーラーなど 松下電器産業では、BDドライブを内蔵したノートPCの実動デモを行なっている。ノートPCに実装した形での同社のデモはこれが初。ただし、これはPC用BDドライブを主体としたデモであり、Let'snoteでの採用予定は全く未定ということで、デモ機も北米向けのTOUGHBOOKが利用されていた。 PC用BDドライブは、ノート向けのトレイタイプ、スロットインタイプと、デスクトップ向け5インチベイ用の3モデルが参考展示。対応フォーマットはBDについては、ROM/R/REの全ての記録/再生に対応。記録速度はデスクトップ用が2倍速、ノート用が当倍速。 DVDについては、現時点では確定していないが、RAM/±R/±RWの全てに対応することを目標としているという。出荷開始は今年度中の予定。
SDカードのコーナーでは、SDメモリーカードのロードマップ展示や、smartSDの実動デモなどを行なっている。 SDメモリーカードのロードマップによれば、転送速度5MB/secおよび20MB/secのSDメモリーカードは、いずれも2006年に4GB品、2007年には8GB品を予定。miniSDカードについては、2006年の2GB品までの予定となっているが、市場の要求があればそれ以上の容量のものについても検討するという。また、現行の2MB/secから5MB/secに転送速度を引き上げたminiSDカードを今年中にリリース予定という。 smartSDは、非接触ICカード機能を搭載したSDメモリーカード。2004年10月に発表され、同年に行なわれたCEATECですでに展示も行なわれていたが、アップデート情報として、今年度中にも商用化される見込みだという。また、現時点では非接触ICカード規格のType Bのみに準拠するが、FeliCaと同じType Cへの準拠や、2GBまでの大容量モデルも開発可能という話が聞けた。 加えて、現状では非接触ICでの通信速度が遅いため、無線通信はICチップ内のデータ転送にしか利用できないが、UltraWideBandなどの高速な規格が利用可能になれば、SDメモリー内のデータについても無線で転送できるようになる可能性もあるという。
同社の展示としてはやや意外とも言えるのが、CPU用の液冷装置だ。担当員の説明によれば、実は同社は4年ほど前からPC向けの液冷装置の販売を行なっており、アップルのPower Mac G5にも松下製品が採用されているのだという。 今回展示されているのは、一般的なXeonマザーボードに取り付け可能な汎用タイプのもの。ポンプ、水枕、ラジエータが一体化されているため、空冷式のCPUクーラーの様に容易に取り付けできる。サイズについても、高さこそ10cm程度あるが、大型の空冷品並みにコンパクトにまとめている。 液冷により廃熱性能を高めたことで、ファンは9V駆動、2,500rpmのものが利用可能となり、騒音レベル40dBAの空冷装置と同等の冷却性能で、騒音レベルは35dBAに抑えた。製品寿命は44,000時間(約5年)。 【お詫びと訂正】初出時に500回転となっておりましたが、2,500回転の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
マウント部の変更でPentium 4やAthlon 64用などにも応用可能と思われるが、残念ながらOEM向けのみの販売で、同社から単品で発売される予定はないという。
□関連記事 ●ソニーは最新のVAIO type X LivingやBD搭載機のプロトタイプなど ソニーでは、同日付けで発表されたリビングルームPCことVAIO type X Livingと、8ch同時録画レコーダーのXビデオステーションが早速展示されている。VAIO type X Livingはリビングでの利用を前面に押し出した製品であることから、デモ機もPC用ディスプレイではなく、46型の液晶TVに接続され、その利用イメージを紹介している。 もう1つPCとしては、BDドライブを内蔵させたVAIO type Rを参考展示している。詳細な発売時期などは未定だが、BDドライブ内蔵VAIO type Rの発売自体は確定しているそうで、すでにHDハンディカムで録画した映像を編集し、BDへ書き込むというデモができるレベルに仕上がっている。BDフォーマットはROM/R/REの全てに対応予定。
ブルーレイディスクアソシエーションブースでの展示となるが、同社製のデスクトップおよびノート用BDドライブの展示も行なわれている。ノート用は再生/録画対応で、デスクトップ用は再生/録画対応モデルと再生専用モデルの2種類。細かい仕様や、製品化の時期などは未定。
これも、ソニーブースではないが、メモリースティックブースには、9月30日に発表されたメモリースティックマイクロが展示されている。数値的には、メモリースティックデュオの約1/4の体積ということになるが、比較展示を実際に目にすると、その小ささを実感できる。 1.8Vでの低電圧駆動が可能になったこと以外は、基本的にメモリースティックPROと同等の仕様で、アダプタを介せば、従来機器でも利用可能。発表と同時に外部に向けたライセンスの開始ということで、対応機器の登場は2006年以降となる。 このほか、PC関連の展示としては、インターネット経由で視聴可能なPC向けTVチューナのロケーションフリーベースステーションパックなどがある。
□関連記事 ●ATIがWindows Vistaのデモ カナダパビリオンの一角に、やや小規模な形で出展しているため見つけにくいが、ATIテクノロジーズのブースに訪れると、おもしろいものを発見できる。 その1つが次期OS Windows Vistaのデモ。同社はすでにWindows Vista用のビデオドライバを用意しているということで、このデモを行なっているのだが、OSがまだβ1という状況のため、アプリケーションどころか3Dのデモすらなく、ただOSが起動しているだけ。それでも、次期OSのユーザーインターフェイスにいち早く触れてみたいという人にはお勧めのコーナーだろう。 また、先ほど発表された動画再生支援の新プラットフォームであるAVIVOの説明も行なわれているのだが、これについてイベント後半では、現在未発表の新製品に絡んだデモが行なわれる可能性があるということだ。 このほか、RADEON XPRESS 200P CrossFire Editionおよび、Intel 955Xの2つのプラットフォーム上でCrossFireのデモが行なわれている。
□関連記事 ●ベンキュー、ミツミ このほか、ベンキューは、液晶ディスプレイや、キーボード、マウスなどに加え、海外で販売されているノートPCやスキャナなどを展示している。ただし、参考出展で国内での販売予定は現時点ではないという。 ミツミでは、同社初のCPU用水冷ポンプ兼ヘッドを展示。同社の持つモーター技術を応用したもので、水量は650ml/min。コンパクトな設計だが、これより20~30%大型化し、1.2l/min程度の水量を持つ製品も開発中という。展示ではCPU用となっているが、GPUなどにも応用可能。 製品化は2006年3月の予定だが、同社が提供するのはポンプのみで、ラジエータなどの冷却部は含まれない。
□CEATEC JAPAN 2005のホームページ (2005年10月5日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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