レビュー
「Windows 10テクニカルプレビュー」ファーストインプレッション
~内部バージョンは6.4
2014年10月2日 06:00
既報の通り、米Microsoftは現地時間の10月1日付けで、Windows 10テクニカルプレビューを公開した。手元の環境でインストールしてみたので、簡単なレビューをお届けする。
なお、Windows 10はプレビュー版であること、また、今回は仮想環境にインストールしていることから、性能の検証は行なわない。Core -7-4500Uで、メモリ割り当て4GBのWindows 8.1 UpdateのHyper-Vにおいて、特に重いと感じることはなくスムーズに動いていると言及するに留める。また、Microsoftでは、テクニカルプレビューの頻繁なアップデートを予告しており、画面や機能などは日々更新される可能性がある。
関連記事にもある通り、テクニカルプレビューはEnterprise版となっており、言語は英語、ポルトガル語、中国語が、ビット数は32bitと64bitが用意。今回は、64bit英語版を試用した。
インストールの手順はWindows 8とほぼ同じ。システムの言語は英語だが、ロケールとして日本を選ぶことができ、日本語キーボードおよびIMEも利用できるので、入力、表示面では日本人でも不自由なく扱える。
起動するとデフォルトでは、デスクトップが起動。この画面もWindows 8のデスクトップとほとんど変わりない。違うのは、タスクバーに「検索」と「タスクビュー」のアイコンがあることだ。
検索を押すと、検索窓が開き、Bingアプリによる検索が行なえる。
タスクビューはWindows 10の新機能。押すと、現在起動しているアプリのサムネールが一覧表示される。これまでのWindowsのAlt+Tabと役割はほぼ同じだ。異なるのは、画面下部に「デスクトップの追加」ボタンがあり、これを押すと、仮想デスクトップを追加できる。例えば、複数のアプリをフルスクリーンにしている場合、従来のAlt+Tabで切り替えても良いが、違う仮想デスクトップに置いておいて、タスクビューで切り替えてもいい。仮想デスクトップごとに、異なる役割のアプリを開いておくというのもいいだろう。試した限り、少なくとも10枚程度は仮想デスクトップを追加できた。
アプリの配置については、スナップ機能が大きく変わった。Windows 8では、Win+カーソルキーの左右で、デスクトップアプリを画面半分の大きさにできるが、Windows 10では、さらにWin+上下キーで4分の1のサイズにできる。これは、ウインドウのタイトルバーを画面端に持って行くことでも、ガイドが表示され、スナップできる。複数のアプリの情報を参照しながら作業する際に好適だ。
また、ストアアプリもデスクトップでウインドウ表示がデフォルトになった。場所も自由に移動でき、ウインドウサイズも変更できるので、ぱっと見はデスクトップアプリと見分けがつかない。ただし、ストアアプリについては、下限が1,024×768ドットになっており、これより小さくはできない。タイトルバー左の「…」を押すと、メニューが表示され、従来の共有や検索などの機能を利用できる。また、フルスクリーン表示もできるので、解像度の低いタブレットなどでは、こちらを利用すると従来のWindows 8と同じ使い勝手を再現できる。
【10月2日12時追記】その後の追証で、ストアアプリは、アプリによって横幅は300ドット程度までウインドウを小さくできることが分かったので追記しておく。
最大の違いは、スタートメニューの復活だろう。Windows 8.1ではスタートボタンが復活。これは同じデザインのものがWindows 10にも引き継がれているが、機能はWindows 7までと同じようなスタートメニューへと変更された。ここから全てのアプリを起動できるので、旧Windowsのユーザーは戸惑うことなく利用できるだろう。また、スタートメニュー右半分は、Windows 8のスタート画面の縮小版のようになっており、ピン留めされたストアアプリのライブタイルが表示される。これらは、スタート画面同様、位置やサイズも変更できる。
現時点では、最低限のアプリしか入っていないが、ストアアプリ版OneNoteがデフォルトで入っている。Internet Explorerについては、ストアアプリ版は入っておらず、デスクトップ版のみが入っている。バージョンは11。
このほか、目に付いた変更点としては、エクスプローラー自体、およびその中に表示される各種アイコンデザインが変更されている。
気になるOSの内部バージョンについては、6.4と表示されているのが確認できた。
以上、数時間触った限りでは、これ以外の目立った変更はないようで、使い勝手の面では、スタートメニュー以外はWindows 8とほとんど変わっていないというのが感想だ。ただし、Windows 10はこのまま製品化されるものではない。ユーザーのフィードバックを下に、日々更新されるほか、年明けにはコンシューマ向けにタッチ回りの機能を大幅に変更する予定となっている。また、先日の説明会では触れられなかったが、DirectXも12になることが見込まれている。テクニカルプレビューには、フィードバック機能がアプリで用意されているので、ひとまず、興味本位でも触れてみて、バグの報告や要望などを提出し、このOSがより良いものになる手助けをするというのが、このプレビューの使い方だ。
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