レビュー

進化したRazerのゲーミングマウス「DeathAdder Elite」フォトレビュー

DeathAdder Elite

 Razerから、同社のロングセラーとなっているゲーミングマウス「DeathAdder」の最新版、「DeathAdder Elite」が発売された。税別価格は7,800円だ。今回、サンプルを入手したので、写真とともに簡単なレビューをお届けしたい。

 DeathAdderの登場は2007年まで遡る。一貫して右利き向けの人間工学形状、基本5ボタン(本製品は7ボタン)、高性能赤外線センサー搭載という特徴を踏襲し、10年もの間ゲーマーから高性能/高機能で安定したゲーミングマウスとして親しまれてきた。

 DeathAdderは時代とともに何回か進化をしてきた。2009年にはセンサーを3.5Gに強化し、解像度を1,800dpiから3,500dpiに向上させた「DeathAdder 3500」、2012年には解像度向上とともに200インチ/秒の読み取り速度と50Gの加速に対応した「DeathAdder 2013」、2014年には解像度を10,000dpiにまで引き上げ、RGB LEDライティングシステム「Chroma」に対応した「DeathAdder Chroma」を投入し、現在に至っている。

 DeathAdder Eliteはそのシリーズの最新モデル。「5G光学センサー」を搭載することで、最大解像度16,000dpi、読み取り速度450インチ/秒、加速度50Gという高性能を実現。また、オムロンと設計協力して生産される独自の「Razerメカニカルマウススイッチ」を備え、ゲームに適した反応速度と、最高5,000万クリックの耐久性を達成したという。

 筆者はこれまでもさまざまなゲーミングマウスを触れてきたが、DeathAdder EliteをPCと接続してすぐに体感できたのは、すこぶる俊敏で正確なポインティング操作だ。もちろんこれはRazerが“世界最速”と謳う5G光学センサーによるところが大きい。同社の測定によればこのセンサーの精度は99.4%に達するという(どういう基準に対しての99.4%なのか説明がないのだが、単純に言えばネガティブアクセルが少ないことを指すと思われる)。

 もう1つ操作感向上に寄与しているのが本体の軽量性である。ゲーミングマウスは一般的に高機能/高性能である故に重くなりがちで、120g~150gクラスが多いのだが、本製品の重量はわずか96g。力をさほど入れてなくても動き出し、慣性も少ないため思ったところでピタッと止められるのは非常に気持ちいい。

 本製品のもう1つの特徴は、やはり左右のクリックボタンだろう。オムロンと共同で開発したRazerのカスタムスイッチは、ゲーム向けにアクチュエーションポイントを再設計したものだという。具体的には、中のバネの部分のようだ。

 これも実際にクリックしていて気持ちいいものだった。軽い力で動作するが、誤動作が起きるほどではない。アクチュエーションポイントでしっかりフィードバックが得られ、クリックしたことがハッキリ分かる。今までのゲーミングマウスにはない体験だ。連打を要求するMOBA系ゲームではもう少しバネの力が強い方が良いかもしれないが、FPSゲームや、そのほか一般的なゲーム、普段の作業をやるのであれば、このぐらいの反応がまさにちょうどいいと感じた。

 筆者は2007年辺りから公私ともにRazerのマウスを使い始めたが、この10年間、筆者が気になる点や不満に思っていた点がどんどん解消され、理想的なマウスに向かって完成度が高まっていることが実感できる。DeathAdder Eliteはこれまで同社が培った技術の集大成であり、ゲーマーに胸を張っておすすめできるマウスである。

DeathAdder Eliteのパッケージ
パッケージ背面には特徴に関する説明が
上から見たところ。右手専用のフォルムだ
本体後部。Razerのロゴがマーキングされている
前面から見たところ。本体右側(写真左)の方が低い
右側面。ラバー加工されている
左側面。大きなサムボタンが2つ。その下もラバー加工されている
左右クリックに比べてサムボタンは若干硬いが、誤作動を防ぐ意味でもこれぐらいがちょうどいいだろう
本体底面。ソールは前後に加え、センサー周囲も囲っている。おそらくセンサー部への余分な光の侵入を防ぐためだろう
ボタンは滑らかなカーブを描いたシェイプで、指にピッタリフィットする
USBコネクタにRazerのロゴ。ちなみにテンションは若干緩めで、これまた絶妙な作り
ファブリックタイプのケーブルだが、非常に柔らかく取り回しがしやすい
ソフトウェア「Razer Synapse」上からライティングをカスタマイズできる。筆者としてはもう少し多くのエフェクトが欲しかったところだが、ゲームプレイ中に気にすることもないだろう