レビュー
Windows 10に実装予定の新ライセンス認証機能を試す
~パーツ交換を行なっても、オンラインで再認証が可能に
2016年7月2日 06:00
先日のこちらの記事(Windows 10新プレビューでハード構成変更に関わる認証問題を改善)で紹介したとおり、Windows 10のInsider Previewビルド14371にて、Windows 10のライセンス情報がMicrosoftアカウントと紐付けられ、マザーボードやシステムドライブといった大がかりなハードウェア変更を行なっても、再度ライセンス認証ができるようになった。この機能は8月2日提供予定のWindows 10 Anniversary Updateで正式実装される。その機能がどのように働くのか、実際に試してみた。
まず、メモリと一緒に購入したWindows 8.1 Pro 64bitのDSP版を用意。これを自作PCにインストールし、認証(アクティベート)。続いて、そのOSをWindows 10 Proに無償アップグレードし、さらにInsider Previewを使って、プレビュービルド14376に更新した。この時点ではもちろん、ライセンスは認証されている。14376にアップデートしたのは、おそらくプレビュービルド14371以降にて認証を行ない、このライセンスとMicrosoftアカウントを紐付けしておく必要があると推測したからだ。
次に、メモリを除いてシステム構成を変更した。このシステムにはWindows 8.1はインストールせず、最初からWindows 10製品版のバージョン(ビルド10240)をインストールした。インストール時にプロダクトキーの入力を求められるが、このバージョンではWindows 8.1のプロダクトキーは入力できない(現在のNovember Update:ビルド10586では可能)ので、ひとまずスキップした。
インストール後にNovember Updateに更新した。この段階ではプロダクトキーが入力されていないので、当然のことながらライセンス認証はされていない。そこで、Windows 8.1 Proのプロダクトキーを入力してみたが、「このプロダクトキーは別のPCで使われています。別のキーを試してください」と表示され、ライセンス認証できなかった。Anniversary Updateが提供されていない現状では、この状況になったら、カスタマーサポートに連絡するか、Windows 8.1から入れ直して再認証するしかない。
今回はそれを行なわず、プレビュービルド14376へ再びアップデートした。続いて、「設定」→「更新とセキュリティ」→「ライセンス認証」を開くと、「Windows 10にアップグレードする前に以前のバージョンのWindowsのライセンス認証が行なわれていなかったため、このデバイスでWindowsのライセンス認証を行なうことができません。ストアに移動して正規のWindowsを購入してください」というメッセージが表示され、まだ認証されていないことが分かる。
だが、この画面には製品版およびライセンス認証されたプレビュービルド14376には表示されていなかった「トラブルシューティング」という項目が追加されている。これを押すと、オンラインでのライセンス認証が実施される。これを実行してもライセンス認証はできないのだが、完了画面で「このデバイス上のハードウェアを最近変更しました」をクリックすると、「Microsoftアカウント」というウインドウが表示され、Windows 10を再度ライセンス認証するデバイスを選択できる。この画面で、「現在使用中のデバイスは、これです」にチェックを入れ、アクティブ化を押すと、見事認証ができた。
以上の通り、Anniversary Updateからは、ライセンスの範囲内でシステムの構成を変更しても、ライセンスがMicrosoftアカウントに紐付けられることで、再度オンライン認証ができるようになる。
もし、システム構成変更によるライセンスの問題が理由で、Windows 7/8.1からのアップグレードを躊躇しているユーザーがいたら、8月2日に公開予定のAnniversary Update以降ではその心配がないので、7月29日までに無償アップグレードしておくことをお勧めする(ただし、現在利用しているソフトやハードがWindows 10に対応しているかは事前に調べておく必要がある)。後にハードウェアを変更して認証エラーが出ても、上記の方法で再認証できる。
ちなみに、今回の検証では、最初システムSSDだけを取り替えて試していたのだが、4~5回変更しても、ライセンス認証は全く外れなかったことも参考までに書き添えておく。