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人型ロボットが人間に代わって航空機内で組立作業

~AIRBUSと産総研らが共同で研究開発

 国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)とAIRBUSグループの統合研究開発組織であるAIRBUS Group Innovations、フランス国立科学研究センターは、2016年1月1日より空間的制約が厳しい航空機内において、組立製造作業に当たる作業用ヒューマノイドロボットの技術開発を行なう「Joint Research Project」を開始した。

 航空機の組立製造工程にヒューマノイドロボットを導入することで、作業者を困難な姿勢での繰り返し作業から解放し、高度な技能を持つ作業者をより高付加価値名作業に割り当てられることが目的。ヒューマノイドロボットを使うことで、機内の加工屑などの掃除機を使った清掃や、ネジ締め、計器類の取り付けなど、人間用に設計された製造環境を変更せずとも、さまざまな作業に対応できる。

 研究開発には、産総研らが開発した「HRP-2」や「HRP-4」などを開発プラットフォームとして活用する。開発された技術は、将来の現場への導入を目指し、AIRBUSグループの民間航空機、ヘリコプター、宇宙など、異なる部門から提供される導入想定事例に基づき、毎年検証していく。

 近年、人間の仕事がコンピュータやロボットに取って代わられることに対する危惧が出ているものの、このように単純だが身体的負荷の高い作業をロボットに行なわせることで、人間の生産性を上げていく取り組みは歓迎できるのではないだろうか。

HRP-2
HRP-4※いずれも森山和道氏撮影

(若杉 紀彦)