やじうまPC Watch

The クラッシュ!

〜Intel Core i7-5820K。発売翌日に殻割り失敗

デスクトップPC、中でもその中身のパーツというのは、いつも据え置きで使うだけに、事故に遭う確率はかなりゼロに近いはずです。にもかかわらず、不幸にもこの業界には人柱として、好んで被害に遭う方もいらっしゃいます。

無理やり殻割りしたIntel Core i7-5820K

被害者
 千葉県の瀬文茶さん

事故現場
 自宅

壊れたもの
 Core i7-5820K

事故の内容
 MSIからHaswell-Eの内部TIMについての情報がもたらされたのは、Haswell-Eの発売を数日後に控えた8月22日のことでした。

 Intelがハイエンドとメインストリームで異なるソケットを採用したLGA 1366/1156以降、ハイエンドCPUでは常に熱伝導率の高い金属を用いてCPUダイとヒートスプレッダを接合しています。そのため、Haswell-Eも同じ仕様になると予想されており、Haswell-Eでもグリスが採用されるというのは、まさに青天の霹靂と言うべき話でした。

 全く予想に反する話ではありましたが、Haswell-Eの前に発売されたDevil's Canyonで高性能な次世代ポリマーTIM(NGPTIM)が採用されたこと、そして何より、MSIがヒートスプレッダを外したHaswell-Eをソケットに固定するための「殻割りダイガード」をマザーボードの付属品として用意するという事実が、この話に信憑性を与えていました。

 Haswell-Eの発売日翌日を迎えてなお、グリス品とソルダリング品が混在しているという噂も流れるなど、情報が錯綜していた8月31日、私はHaswell-Eグリス説の真偽を確かめるべく、Haswell-Eの最下位モデル Intel Core i7-5820K の殻割りを敢行しました。

 結果としてはご覧のとおり、無残な有様でした。スクレイパーをねじ込んで無理やりヒートスプレッダを引きはがした結果、はんだによって強固にヒートスプレッダへ接続されたCPUダイは、根本の基板を巻き込んで脱落してしまいました。

損害額
 約44,000円

投稿者の談

破壊前のCore i7-5820K
シール材切除。全てのシール材を切っても、ソルダリングされたヒートスプレッダは全く動かなかった
ヒートスプレッダを剥がした後のCore i7-5820K
コア周辺の基板が、表面実装部品ごとコアに持っていかれている

 Core i7-5820KはHaswell-Eグリス説の真偽を確かめるためだけに購入したCPUだったため、中身のTIMがどちらであれ、ヒートスプレッダは引き剥がすつもりでした。カミソリで外周のシール材全てを切ったにも関わらず、ヒートスプレッダがピクリとも動かなかった時点で、グリスでは無いことを確信しており、壊れることが分かった上でスクレイパーを差し込むのは、なかなか覚悟のいる作業でした。

 一部でグリスとソルダリングが混在するという噂もありましたが、私の知り得る限り、グリス仕様のHaswell-Eの実物は公開されておらず、話の上の存在でしかありません。また、使用するCPUダイが違う場合や、製品のグレードで分ける場合ならいざ知らず、個体の発熱量などの理由でTIMの仕様を変えるとは到底考えられません。

 今後、仕様が変更される可能性は否定できませんが、現時点でグリス版Haswell-Eが存在する可能性を考慮する必要は無いでしょう。

 ちなみに、本記事の公開に先立って公開された別記事によると、MSIの殻割りダイガードが、ソルダリングされたCPUを対象にしたものであることが明らかにされてます。

※本当の「The クラッシュ!」のコーナーはこちらです。

(瀬文茶)