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“Haswell-Eはソルダリング”、MSI内部のオーバークロッカーが明かす

Haswell-Eの殻割りの仕方

 MSIが8月に発表したIntel X99 Express搭載マザーボード「X99S XPOWER」には、冷却ポッドやヒートシンクを直接ダイに付けてもコア欠けを防ぐ特製プレート「Delid Die Guard(殻割りダイ・ガード)」が付属する。

 8月21日に来日して、説明に来られたMSIのプロダクト・マネージャーの方から、「Ivy Bridge-Eまではヒートスプレッダとダイの間はハンダ付け(ソルダリング)されていたが、Haswell-Eではグリスに変更されている」という説明を受けた。この時半信半疑だったため、3回ほど確認をとったものの、グリスだというので記事化した。

 だが、Haswell-Eシリーズ発売後に、ソルダリングであるとの説と、グリスであるとの説で錯綜していたため、再度MSI広報を通して、台湾本社内部のオーバークロッカーに連絡をとってもらったところ「数個殻割りしたが、いずれもソルダリングだった。Intelは同じ製品を生産する際に製造方法を変えるというのは考えにくいので、すべてソルダリングされているはずである」とのコメントを頂いた。

 つまり、オーバークロッカーとプロダクト・マネージャー間のコミュニケーションで何か行き違いがあって、混乱を招く結果となったようだ。この場を借りてお詫びしたい。

 それでは、殻割りダイ・ガードは意味を成さないものとなるのだろうか。ソルダリングは熱伝導率がグリスより高いため、保証を切らしてまで殻割りするメリットが少なく、なおかつ固体であるため、殻割りには高いスキルを要するためだ。

 実はDelid Die Guardには、殻割りの方法を説明したガイドブックが付属している。これによると、まずは周囲のシールをカッターで切ってから、ヒートガンでヒートスプレッダを加熱してソルダリングの部分を溶かし、外すよう指示されている。コンビニでも購入できるカッターと比較すると、ヒートガンは一般的ではないため、殻割りできるのは一部上級者やオーバークロッカーだけになりそうだ。

 さて、殻割りしてDelid Die Guardを使った場合の効果だが、CPUに水冷キットを載せ液体金属で密着させたところ、負荷時で10℃の差があったという。ダイとヒートスプレッダ間のTIMがソルダリングであろうとグリスであろうと関係なく、そもそもヒートスプレッダが熱伝導のボトルネックになるとMSIは考えいるようだ。

 誤情報に対してのお詫び……というほどでもないが、「AMD版Delid Die Guardをお願いします」とリクエストしておいたので、製品の登場を正座しながら待つことにしたい。

【9月2日追記】インテルより公式で、ソルダリングであるとの解答を頂きました。

(劉 尭)